
中小企業や個人事業主が金融機関から融資を受ける際、よく利用される制度の一つに「信用保証協会付き融資」があります。
この制度は一見、借入のハードルを下げてくれる便利な制度ですが、万が一返済が滞った場合、経営者個人の責任(代表者保証)や自宅不動産への差押、最終的には競売など、深刻な問題に発展することもあります。
この記事では、信用保証協会付き融資の仕組みとリスク、遅延損害金の影響、不動産売却や任意売却による解決策、さらには事業再生や廃業・倒産に至る前に取るべき具体的な行動について、わかりやすく解説します。
信用保証協会とは

信用保証協会とは、中小企業や個人事業主が金融機関から融資を受けやすくするために、借入の「保証人」となる公的な機関です。全国に51の信用保証協会が存在し、それぞれの地域を担当しています。
たとえば、金融機関が「この企業に直接貸すのは不安だ」と感じた場合でも、信用保証協会が保証してくれることで融資が可能になります。
企業が返済不能に陥った場合は、信用保証協会が代位弁済(企業に代わって返済)を行い、後からその返済分を企業や保証人に請求する仕組みです。
このように信用保証協会は、企業の資金調達を支援する「セーフティーネット」として重要な役割を果たしていますが、代位弁済後の請求は非常に厳しく、経営者個人に対する責任追及も避けられません。
たとえば、金融機関が「この企業に直接貸すのは不安だ」と感じた場合でも、信用保証協会が保証してくれることで融資が可能になります。
企業が返済不能に陥った場合は、信用保証協会が代位弁済(企業に代わって返済)を行い、後からその返済分を企業や保証人に請求する仕組みです。
このように信用保証協会は、企業の資金調達を支援する「セーフティーネット」として重要な役割を果たしていますが、代位弁済後の請求は非常に厳しく、経営者個人に対する責任追及も避けられません。
信用保証協会付き融資とは?

信用保証協会とは、中小企業や個人事業主が銀行などの金融機関から融資を受けやすくするための公的機関です。
金融機関にとっての「保証人」のような役割を果たします。
金融機関にとっての「保証人」のような役割を果たします。
基本的な仕組み
・経営者が金融機関に融資を申し込む
・金融機関は信用保証協会に保証を依頼
・信用保証協会が審査を行い、保証が付与されると金融機関は融資を実行
・万一返済が滞った場合、信用保証協会が代わりに返済(代位弁済)
その後、信用保証協会は経営者に対して返済を求める(求償)
・金融機関は信用保証協会に保証を依頼
・信用保証協会が審査を行い、保証が付与されると金融機関は融資を実行
・万一返済が滞った場合、信用保証協会が代わりに返済(代位弁済)
その後、信用保証協会は経営者に対して返済を求める(求償)
用語の補足
【代位弁済(だいいべんさい)】
借り手が返済できなくなった場合に、信用保証協会が代わりに金融機関へ返済することです。
※これにより借金の相手先が「銀行」から「信用保証協会」に変わるイメージです。
【求償(きゅうしょう)】
信用保証協会が代位弁済をしたあとに、その返済分を借り手(経営者)に請求することです。
※保証して終わりではなく、最終的な返済義務はやはり借り手にあります。
借り手が返済できなくなった場合に、信用保証協会が代わりに金融機関へ返済することです。
※これにより借金の相手先が「銀行」から「信用保証協会」に変わるイメージです。
【求償(きゅうしょう)】
信用保証協会が代位弁済をしたあとに、その返済分を借り手(経営者)に請求することです。
※保証して終わりではなく、最終的な返済義務はやはり借り手にあります。
よくある誤解
「信用保証協会が保証人になってくれるなら、経営者自身が個人保証をしなくてもよい」と思われがちですが、実際には多くの場合、経営者本人も連帯保証人になることが一般的です。
つまり、万一返済ができなくなった場合は、信用保証協会が代位弁済したあとに、経営者個人がその返済義務を負うことになります。
つまり、万一返済ができなくなった場合は、信用保証協会が代位弁済したあとに、経営者個人がその返済義務を負うことになります。
信用保証協会付き融資の仕組みと代表者保証の重さ

信用保証協会付き融資では、「経営者保証ガイドライン」の普及により、保証人不要のケースも増えてきましたが、現実には未だ多くの中小企業で経営者が個人保証を求められています。
融資の基本的な流れ
・中小企業が金融機関に融資を申し込む
・信用保証協会が審査を行い、保証を承諾する
・保証が付いたことで、金融機関は企業に融資を実行
・企業が返済できなくなった場合、信用保証協会が代わりに返済(代位弁済)
その後、信用保証協会は企業や経営者に対して「求償権(返済請求権)」を行使
・信用保証協会が審査を行い、保証を承諾する
・保証が付いたことで、金融機関は企業に融資を実行
・企業が返済できなくなった場合、信用保証協会が代わりに返済(代位弁済)
その後、信用保証協会は企業や経営者に対して「求償権(返済請求権)」を行使
代表者保証(経営者の個人保証)の重さ
ここで問題になるのが、「代表者保証」です。
多くのケースでは、企業の代表者(経営者)が連帯保証人として契約しています。
つまり、事業がうまくいかず返済不能になった場合には、経営者個人の財産も差押えや競売の対象になるリスクがあるのです。
たとえ信用保証協会が代位弁済しても、最終的には代表者自身がその返済責任を負うことになるため、保証人としての重い責任がのしかかります。
多くのケースでは、企業の代表者(経営者)が連帯保証人として契約しています。
つまり、事業がうまくいかず返済不能になった場合には、経営者個人の財産も差押えや競売の対象になるリスクがあるのです。
たとえ信用保証協会が代位弁済しても、最終的には代表者自身がその返済責任を負うことになるため、保証人としての重い責任がのしかかります。
用語の補足
【代表者保証】
企業の借入に対し、経営者個人が連帯保証人として責任を負うこと。
企業が返済できない場合、個人の財産まで返済に充てられる可能性がある。
企業の借入に対し、経営者個人が連帯保証人として責任を負うこと。
企業が返済できない場合、個人の財産まで返済に充てられる可能性がある。
返済不能時に発生する遅延損害金とその重圧

信用保証協会付き融資でも、返済が滞ると通常の借入と同様に「遅延損害金」が発生します。
◎ 遅延損害金とは?
通常、年率14%程度(契約内容によって異なります)
元本に上乗せされる形で日々増えていくため、時間が経つほど返済額が膨らみます
◎ 例:3000万円の元本が残っている場合
仮に年14.6%の遅延損害金が適用されると、
1年で約438万円の損害金が発生することになります。
つまり、返済が滞るほど借金が急増していくのです。
◎ 遅延損害金とは?
通常、年率14%程度(契約内容によって異なります)
元本に上乗せされる形で日々増えていくため、時間が経つほど返済額が膨らみます
◎ 例:3000万円の元本が残っている場合
仮に年14.6%の遅延損害金が適用されると、
1年で約438万円の損害金が発生することになります。
つまり、返済が滞るほど借金が急増していくのです。
代位弁済後の「一括請求」と「期限の利益喪失」

企業が返済できなくなり、信用保証協会が代位弁済を行うと、事態はさらに深刻になります。
・保証協会はその時点で「期限の利益」を喪失させ、一括請求してくる
・「毎月分割で返済」ではなく、「今すぐ全額を返せ」という状態に切り替わる
・遅延損害金も含めて、全額が一括で請求される
この状況は、経営者にとって極めて大きなプレッシャーです。
・保証協会はその時点で「期限の利益」を喪失させ、一括請求してくる
・「毎月分割で返済」ではなく、「今すぐ全額を返せ」という状態に切り替わる
・遅延損害金も含めて、全額が一括で請求される
この状況は、経営者にとって極めて大きなプレッシャーです。
放置すると進む強制的手続き
対応を遅らせると、以下のような法的・強制的な回収措置へ進むリスクがあります:
・経営者個人の財産に対する 差押・競売
・預金口座の 凍結
・不動産や車などの 強制換価処分
・信用情報への登録(ブラックリスト入り)
・経営者個人の財産に対する 差押・競売
・預金口座の 凍結
・不動産や車などの 強制換価処分
・信用情報への登録(ブラックリスト入り)
早期相談・早期対応が何より重要
融資返済に不安を感じたら、遅れる前にまずは専門家や金融機関に相談することが何より重要です。
信用保証協会にも、返済困難時の相談窓口や条件変更制度がありますし、弁護士や認定支援機関などの専門家を活用することで、任意整理や再建の道を模索する余地が生まれます。
信用保証協会にも、返済困難時の相談窓口や条件変更制度がありますし、弁護士や認定支援機関などの専門家を活用することで、任意整理や再建の道を模索する余地が生まれます。
代表者保証のリスクとは?

信用保証協会付き融資では、経営者が連帯保証人になることが一般的です。
その場合、会社が返済不能に陥ると、その債務はすべて経営者個人の責任になります。
その場合、会社が返済不能に陥ると、その債務はすべて経営者個人の責任になります。
回収対象となる主な資産
連帯保証人となった経営者の資産は、以下のようなものが差押・競売の対象になります:
🏠 自宅などの不動産
💰 預金・株式・投資信託などの金融資産
🚗 経営者個人名義の車や生命保険・学資保険など
🏠 自宅などの不動産
💰 預金・株式・投資信託などの金融資産
🚗 経営者個人名義の車や生命保険・学資保険など
「連帯保証」の重み
この保証は単なる「保証人」ではなく、「連帯保証人」であることがほとんどです。
つまり、
・主債務者(=会社)が返済不能になった瞬間に
・経営者個人に対して、即座に一括請求が可能
という非常に厳しい責任を負う契約です。
つまり、
・主債務者(=会社)が返済不能になった瞬間に
・経営者個人に対して、即座に一括請求が可能
という非常に厳しい責任を負う契約です。
差押・仮差押・競売という現実

信用保証協会が代位弁済を行った後、求償権の行使として行う代表的な手続きが以下です。
仮差押
まだ裁判中などで正式な差押ができない段階でも、不動産や預金などの処分を防ぐために「仮差押」が実施されることがあります。
これにより、対象となる不動産は売却も担保設定もできなくなります。
これにより、対象となる不動産は売却も担保設定もできなくなります。
差押
裁判所の手続を経て、正式な「差押」が行われると、登記簿にその旨が記載されます。
これによって金融機関の査定や買主からの印象が著しく悪くなり、市場での売却が不利になります。
これによって金融機関の査定や買主からの印象が著しく悪くなり、市場での売却が不利になります。
競売
差押後、返済や和解が成立しなければ、最終的に裁判所によって競売にかけられます。
競売では市場価格の6~7割程度で落札されることが多く、債務が残ってしまうケースが一般的です。
競売では市場価格の6~7割程度で落札されることが多く、債務が残ってしまうケースが一般的です。
任意売却という選択肢
こうした差押や競売を避けるために有効なのが、「任意売却」です。
任意売却とは、債権者の同意を得て、市場価格で不動産を売却する方法です。
競売に比べて高く売れることが多く、売却後に残る債務を軽減する効果があります。
また、買主との交渉もしやすく、引越し費用の一部が確保できる場合もあるため、精神的・経済的負担が大幅に軽減されます。
任意売却には以下のメリットがあります:
・市場価格で売却できる
・近隣に知られにく
・引越し費用の確保ができる可能性
・売却後の生活再建プランが立てやすい
・差押前に動けば、登記に傷がつかない
任意売却とは、債権者の同意を得て、市場価格で不動産を売却する方法です。
競売に比べて高く売れることが多く、売却後に残る債務を軽減する効果があります。
また、買主との交渉もしやすく、引越し費用の一部が確保できる場合もあるため、精神的・経済的負担が大幅に軽減されます。
任意売却には以下のメリットがあります:
・市場価格で売却できる
・近隣に知られにく
・引越し費用の確保ができる可能性
・売却後の生活再建プランが立てやすい
・差押前に動けば、登記に傷がつかない
事業再生。廃業・倒産前にできること

信用保証協会への返済が困難になった場合、多くの経営者は「もう倒産しかない」と考えがちですが、実際には事業を立て直すための選択肢がいくつも存在します。
たとえば「事業再生」という方法では、債権者と交渉し、返済条件の緩和や一部債務の免除を受けることで、経営の立て直しを図ることが可能です。
代表的な手続きには、裁判所を通じて行う「民事再生」や、裁判所を介さず債権者と個別に調整する「私的整理」などがあります。
倒産に踏み切る前に、こうした再生手段を検討することで、企業としての存続や従業員の雇用を守れる可能性もあるのです。
たとえば「事業再生」という方法では、債権者と交渉し、返済条件の緩和や一部債務の免除を受けることで、経営の立て直しを図ることが可能です。
代表的な手続きには、裁判所を通じて行う「民事再生」や、裁判所を介さず債権者と個別に調整する「私的整理」などがあります。
倒産に踏み切る前に、こうした再生手段を検討することで、企業としての存続や従業員の雇用を守れる可能性もあるのです。
弁護士を代理人に

事業再生や債務整理の交渉を行う際には、弁護士を代理人として立てることが非常に重要です。
弁護士が代理人になることで、債権者との協議や交渉がスムーズに進みやすくなり、経営者本人への直接的なプレッシャーを軽減できます。
また、法律の専門家として法的なアドバイスや手続きのサポートを受けられるため、最適な解決策を見つけやすくなります。
特に信用保証協会や金融機関との間で返済条件の見直しや免除交渉を行う際は、弁護士を通じて話を進めることが有効です。
弁護士が代理人になることで、債権者との協議や交渉がスムーズに進みやすくなり、経営者本人への直接的なプレッシャーを軽減できます。
また、法律の専門家として法的なアドバイスや手続きのサポートを受けられるため、最適な解決策を見つけやすくなります。
特に信用保証協会や金融機関との間で返済条件の見直しや免除交渉を行う際は、弁護士を通じて話を進めることが有効です。
早期対応が命運を分ける

信用保証協会による保証制度は中小企業にとって大きな助けとなりますが、一度返済が困難になると、代表者個人にまで重い責任がのしかかります。
返済不能状態を放置すると、仮差押・差押・競売といった強制執行に進み、精神的にも経済的にも大きなダメージを受けかねません。
しかし、適切なタイミングで任意売却などの手段を講じれば、事業の再建や生活の立て直しにつながる可能性が広がります。
経営者がひとりで悩みを抱え込まず、早期に専門家へ相談することで、選択肢はぐっと増えるのです。
返済不能状態を放置すると、仮差押・差押・競売といった強制執行に進み、精神的にも経済的にも大きなダメージを受けかねません。
しかし、適切なタイミングで任意売却などの手段を講じれば、事業の再建や生活の立て直しにつながる可能性が広がります。
経営者がひとりで悩みを抱え込まず、早期に専門家へ相談することで、選択肢はぐっと増えるのです。
【経営者必見】信用保証協会の事業融資トラブルでお困りの方へ!

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