BLOG ブログ

事業再生の切り札「『第2会社方式』の仕組みと成功の秘訣」についてのお話です

事業が行き詰まり、借入返済が困難になったとき、「このまま倒産するしかない」と思い込んでいませんか?
実は、収益力のある事業を残しながら負債の整理を行い、会社を再生する手法が存在します。それが「第2会社方式(だいにがいしゃほうしき)」です。

この記事では、中小企業の経営者や関係者に向けて、第2会社方式の仕組み・メリット・注意点、そして実際の事例を交えながら解説します。

◆ 第2会社方式とは◆

第2会社方式とは、経営不振企業の中で、将来性のある「良い事業」だけを新会社に移し、旧会社には借金や不採算資産を残して整理・清算する事業再生スキームです。

● 具体的な流れ

1. 旧会社が新会社(第2会社)を設立

2. 黒字化している事業や資産、従業員などを事業譲渡(または会社分割)で移転

3. 第2会社で事業を継続

4. 旧会社は債務整理・清算・破産などを行う

◆ なぜ第2会社方式が有効なのか◆

経営難に陥った企業が再起を図るための方法のひとつとして、「第2会社方式」というスキームがあります。

これは、既存の会社の資産や事業の一部を新たに設立した会社(第2会社)に移転し、優良な部分だけを継続していくという手法です。

この方式がなぜ有効とされているのか、主な3つの理由について詳しく見ていきましょう。

✅ 借入金が多く、今の会社名義では融資を受けられない

➡ 新会社であれば信用の再構築が可能

経営難に陥った企業は、既に金融機関から「信用リスクが高い」と判断されており、新たな融資を受けることが困難です。

担保も不足し、既存の借入のリスケジュール(返済猶予)を受けている場合はなおさらです。

しかし、新たに設立した第2会社には、過去の借入や債務は引き継がれません。

これはすなわち、新会社は“信用の白紙状態”からスタートできるということです。

もちろん、すぐに金融機関から融資を受けられるわけではありませんが、収益性の高い事業のみを引き継ぐことで、黒字決算が見込める経営体に生まれ変わることが可能です。

実際に、経営再建に理解のある金融機関や投資家、ファクタリング業者などを活用すれば、資金調達の道も開かれます。

✅ 採算の取れる事業だけを継続できる

➡ 不採算部門を切り離せる

既存会社が赤字を抱えている理由の多くは、「一部の不採算部門が全体の足を引っ張っている」という構造にあります。

第2会社方式では、利益が見込める事業だけを新会社に移して不採算部門や過剰な在庫や不要な資産、債務などは旧会社に残すことが可能です。

この“選別”ができることによって、本当に必要な事業のみを洗練させて残すことができ、経営効率が大きく改善します。旧会社に残された不採算部門や債務については、法的整理(破産・民事再生など)や任意整理で処理していくのが一般的です。

✅ 人件費や家賃などの固定費をスリム化できる

➡ 事業の採算性が改善する

事業が赤字になる最大の要因は、売上よりも固定費が重い状態にあります。

特に人件費や家賃・設備維持費などは変動費ではないため、売上が落ち込んでも支払いが避けられません。

第2会社方式では、必要最低限の人員で新会社を立ち上げることができて、テナントの移転や業務縮小に伴って家賃や設備コストも見直すことが可能です。

こうしたコストのスリム化により、少ない売上でも黒字化を目指せる体質に変わります。

◆ よくある誤解:「資産隠し」ではないのか◆

第2会社方式を用いた事業再生について、債権者や取引先など第3者の立場から見ると、「資産を新会社に移して、債務から逃れようとしているのではないか?」といった懸念が生じることがあります。

つまり、「財産隠し」や「債務逃れ」と誤解されやすいのです。

しかし、法令に則り適正な手続を踏んで実行される限り、第2会社方式は違法なスキームではなく、正当な事業再生手法の一つとされています。

例えば、旧会社から新会社への資産や事業の移転は、「適正な評価」に基づき、「正当な対価」を支払う形で行う必要があります。

これは会計上・法律上の整合性を確保するためであり、形式上だけの譲渡や無償での資産移転は、たとえ善意であっても「詐害行為」(民法第424条)と認定される可能性があります。

また、債権者への説明責任を怠ると、後にトラブルの種となる恐れがあります。

債権者との信頼関係を維持するためには、透明性のある手続きと丁寧な説明が不可欠です。

仮に破産手続きや特別清算などを視野に入れている場合には、会社法や破産法に則った正式なプロセスを踏むことが求められます。

✅ 自己判断はリスクが高い

最も注意すべき点は、「自己流で進めないこと」です。経営者が善意で再建を図ったつもりでも、法的知識の不足により「詐害行為」や「背任」などの法的リスクを招くことがあります。

こうした事態を回避するためには、弁護士・公認会計士・税理士などの専門家の関与が不可欠です。

これらの専門家は、債権者や金融機関との調整も行いながら、透明性と公平性のあるスキームを構築するサポートをしてくれます。

また、事業譲渡価格の算定や適正な譲渡契約の作成など、第三者の立場からの監督と証明があれば、債権者の理解も得やすくなります。

【対応策:第2会社方式の活用】

まず、経営者は中小企業活性化協議会へ相談し、外部専門家(認定支援機関、公認会計士、金融機関OB等)と連携して現実的な再生計画を策定しました。その中で選択された手法が「第2会社方式」です。

再生のステップは以下のとおりです:
1. 主要取引先・従業員に対して丁寧な説明を実施し、支援と理解を得た上で、新会社を設立。

2. 新会社に対し、採算の取れている高収益部門のみを事業譲渡(主要設備、人員、受注先との契約等)。

3. 旧会社については、過大な債務と老朽化した固定資産を整理すべく、破産手続きを選択。

4. 経営者が連帯保証人となっていた旧会社の借入金については、保証債務を整理するため、自宅を任意売却。

このプロセスはすべて、弁護士・税理士・会計士といった専門家が関与し、法令を遵守した形で進められました。

【再生後の成果】

●新会社は無借金の状態でスタートし、1年目から黒字化。財務の健全性を確保しながら着実な経営が可能に。

●熟練の技術者の雇用も維持され、取引先からの信頼も損なわれず事業が継続。

●経営者自身も旧会社での保証債務から解放され、再び経営に専念できる環境を得ることに成功。

◆ 第2会社方式の実例◆

▶ ケーススタディ:老舗製造業の再生(静岡県/機械加工業/年商1.5億円)

【背景】

創業40年を超える町工場。

主力事業は大手メーカー向けの精密部品の加工・製造であり、長年にわたって技術力の高さと納期遵守による信頼を築いてきた企業です。

しかし、バブル期に自社工場を建設した際の大型借入が長年の財務負担として重くのしかかっていました。

リーマンショック後の景気低迷により受注が一時減少して、その影響が尾を引いて資金繰りは慢性的に厳しい状況となっていました。

【主な課題】

●売上は安定しているものの、過去の多額の借入金返済に資金が圧迫されている

●築30年以上が経過した工場の老朽化により、修繕・維持コストが増大

●既存の財務内容では銀行からの追加融資が受けられず、再投資も困難

このように、本業の競争力はあるにも関わらず、過去の負債と固定費の高さにより、再建の余地が閉ざされつつある状況でした。

【対応策:第2会社方式の活用】

まず、代表は事業再生専門の法律事務所に相談して税理士と連携して現実的な再生計画を策定しました。

その中で選択された手法が「第2会社方式」です。

再生のステップは以下のとおりです
1. 主要取引先・従業員に対して丁寧な説明を実施し、支援と理解を得た上で、新会社を設立。

2. 新会社に対し、採算の取れている高収益部門のみを事業譲渡(主要設備、人員、受注先との契約等)。

3. 旧会社については、過大な債務と老朽化した固定資産を整理すべく、破産手続きを選択。

4. 経営者が連帯保証人となっていた旧会社の借入金については、保証債務を整理するため、自宅を任意売却。

このプロセスはすべて、弁護士・税理士といった専門家が関与し、法令を遵守した形で進められました。

◆ 第2会社方式を活用する際の注意点◆

第2会社方式は、事業の再建や再スタートに有効な手法ですが、実施にあたっては法律や利害関係者との調整を慎重に行う必要があります。

以下に、実務上特に留意すべき5つのポイントを解説します。

① 債権者対応は慎重に

第2会社方式では、旧会社の債務を残したまま資産や事業を新会社へ移すため、債権者との信頼関係が極めて重要です。
債権者に状況を説明するタイミングは慎重に見極めましょう。

② 資産の評価:時価評価で「譲渡の正当性」を担保

旧会社から新会社へ事業譲渡を行う際には、設備や在庫、知的財産権などの資産について適正な時価評価を行う必要があります。

譲渡価格が著しく低すぎると、債権者から「資産隠し」と疑われ、後日問題となる可能性があります。

公認会計士や税理士などの第三者専門家による評価書を取得し、「市場価値に基づいた公正な取引」であることを文書で証明できるようにしておくことが重要です。

③ 取引先との関係:契約の引継ぎと信用維持

新会社で事業を継続するためには、仕入先・得意先との取引を維持・再契約することが必須です。

旧会社との契約関係は、原則として新会社に自動的には移転しないため、書面での再締結や同意の取得が必要になります。

また、旧会社の経営難を知った取引先が不安を抱くこともあるため、計画的かつ誠実な説明を行い信用を保つことが再建成功のカギとなります。

④ 許認可・ライセンス:新会社での取得し直しが必要な場合も

製造業、飲食業、建設業、医療関連など、事業の種類によっては、営業許可や資格登録、業法に基づく認可が必要です。

多くのケースで、旧会社の許可を新会社が引き継ぐことはできず、新たに許認可を取得し直す手続きが必要となります。
事業を再開するにあたって許認可の取得に時間がかかる場合もあるため、事前に行政機関への確認とスケジュール調整を行うことが大切です。

⑤ 雇用の引継ぎ:労働契約の移転は法的配慮が必要

従業員を新会社へ引き継ぐ場合には、労働契約の法的な取り扱いに注意が必要です。

事業譲渡に伴う労働契約の移転には、本人の同意が原則必要とされており、強制的な転籍はできません。
加えて、就業条件や福利厚生の変化がある場合には明確な説明と書面での同意取得が求められます。

労働基準法、労働契約法の規定に則って、トラブル防止のためにも社労士等の関与を推奨します。

◆ どのような会社に「第2会社方式」は向いているのか?◆

第2会社方式は、事業の一部を切り出して新会社に承継させることで、財務負担や経営課題をリセットしながら「事業の継続」と「雇用の維持」を両立させることができる再生手法です。

しかし、すべての企業に適しているわけではなく、以下のような特性を持つ企業に特に向いていると言えます。

① 高収益部門と低収益部門が混在している企業

複数の事業を展開しており、その中に収益性の高いコア事業が存在している会社は、第2会社方式との親和性が高いといえます。

例えば、精密加工やソフトウェア開発などの高付加価値部門を新会社に移して、赤字部門や負債を抱えた旧会社は清算に向けて整理することで、利益を生む事業だけを無借金で再出発させることが可能です。

このような事業選別型の再生を図れる点が、第2会社方式の大きなメリットです。

② 過去の過大な借入によって資金繰りが悪化している企業

過去の設備投資や事業拡大で多額の借入を行った企業が、売上の減少や金利上昇などにより慢性的な資金繰り難に陥っている場合も、第2会社方式の有効な対象となります。

既存の借入が過大であるために事業としては黒字でも、利払いが資金を圧迫し続けて再建が困難な場合には負債を切り離して再スタートする選択肢として非常に現実的です。

新会社は「無借金・軽装備」で始めることができ、将来的な融資獲得も有利になります。

③ 現在の企業体制では再建が困難な場合

過去のしがらみや複雑な株主構成、経営陣間の対立、人件費構造などが障壁となっており、現体制では抜本的な改革が困難な会社にも第2会社方式は向いています。

新会社では経営陣・所有構造・雇用条件などを再構築できるため、旧会社の限界を超えた柔軟な経営設計が可能になります。

例えば、後継者主導の新会社での再建や社外パートナーとの協業体制の構築など、未来志向の体制づくりが実現しやすくなります。

④ 廃業ではなく「雇用」や「技術」を守りたい企業

技術力や職人の技能、ノウハウといった人的資産や知的資産を守りたいと考える経営者にとって、第2会社方式は魅力的な選択肢です。

廃業では従業員の大量離職や技術の喪失、取引先との関係断絶といった地域・業界にとっての損失が大きくなりますが、第2会社方式では、重要な人材や取引をそのまま新会社に引き継ぐことが可能です。

「会社は潰しても事業は潰さない」という理念のもと、社会的責任を果たしながら経営再建を図れるのがこの方式の大きな特長です。

◆ 第2会社方式の代表的なスキーム2つ◆

第2会社方式には、優良事業を切り出して新会社に承継させるための手法がいくつかあります。

ここでは、主に活用される「会社分割」と「事業譲渡」の2つについて詳しく見ていきましょう。

会社分割(新設分割・吸収分割)

会社分割とは、旧会社の中から収益性の高い事業や資産、人材などを、新会社に包括的に承継させる手法です。

会社分割には主に次の2つの種類があります。

●新設分割:旧会社から事業を切り出し、新たに設立した会社に承継させる方法

●吸収分割:旧会社の事業を、既に存在する別の会社に承継させる方法(自社グループ内で行うケースが多い)

✅ メリット
●債権や債務、契約関係を包括的に承継できるため、個別の合意を取り直す必要がない

●消費税が非課税となるほか、登録免許税や不動産取得税にも軽減措置がある

⚠️ デメリット
●優良事業だけでなく、不要な資産や負債も含めて承継してしまうリスクがある

●株主総会での特別決議(3分の2以上の同意)が必要

●分割計画の策定や法的手続きに一定の準備期間が必要

事業譲渡

事業譲渡は、旧会社が有する事業の中から必要な資産や契約、人材などを新会社に個別に売却・譲渡する方法です。

✅ メリット
●承継する資産や負債を選択的に引き継ぐことが可能

●簿外債務や不要資産を回避でき、事業再構築の自由度が高い

⚠️ デメリット
●事業譲渡は資産の売買行為にあたるため消費税が課税

●登録免許税や不動産取得税の軽減措置の対象外

●債権・契約・労働関係など、すべてにおいて個別の合意が必要となり、手続きが煩雑になりがち

第二会社方式を成功させるためのポイント

ここでは、第二会社方式を活用して事業再生を図る際に、成功へと導くための重要なポイントをご紹介します。

優良事業が健全なうちに取り組む

第2会社方式によるM&Aは、優良事業がまだ順調に稼働している段階で進めることが肝心です。

全ての事業の業績が悪化してからでは、支援を申し出るスポンサーが見つからなくなる恐れがあります。

また、不採算部門の立て直しを図っている間に、優良事業まで悪影響を受けて赤字化するリスクも否めません。

現状を冷静に分析して自力での再建が困難と判断される場合には、早期に第二会社方式を検討することが有効です。

債権者の不利益にならないよう配慮する

第二会社方式を採用することによって、債権者が不当に損害を受けるような場合には債権者側から取引の無効を主張される可能性があります。

さらに、旧会社が破産手続き等に入った際には、裁判所が選任する管財人が過去のM&Aを無効と主張することも考えられます。

ただし、新会社で事業再建が見込める場合、新会社に承継された債務については債権者が回収できる可能性が高まります。

その反面、旧会社に残された債務の債権者は清算の過程で回収が困難になる場合もあるため、適切なバランスを保つことが求められます。

自社に適したスキームの選定

第二会社方式を活用する際には、自社の実情に即したスキームを選ぶことが重要です。

不適切な選択は、かえってリスクやコストを増大させる原因になりかねません。

例えば、会社分割は消費税が課されないというメリットがある一方で、簿外の負債を含めて承継してしまうリスクがあります。

一方、事業譲渡は必要な資産・契約だけを選んで移転でき、簿外債務を回避できますが、消費税などの税負担が発生します。

事業規模や再生の目的によって最適な方法は異なるため、慎重な検討が不可欠です。債権者の意向や税務上の影響なども加味した上で判断しましょう。

専門家や公的機関の力を借りる

第二会社方式では、M&Aのスキーム策定だけでなく、倒産関連の対応も含めた複雑な手続きが必要となります。そのため、専門知識を持った第三者のサポートが不可欠です。

スキームの選定段階から、事業再生に精通した弁護士、会計士、税理士などの専門家に相談するのが望ましいでしょう。
また、M&A支援を専門とする公的機関や支援機関の活用も有効です。

第2会社方式のメリット

企業の再生手法として注目される「第2会社方式」には、大きな利点がある一方で、実施に際して注意すべきリスクや課題も存在します。

以下では、その具体的なメリットとデメリットを整理し、導入の判断材料として役立つ情報を提供します。

【メリット】✅ 1. 儲かる事業だけを残せる

第2会社方式の最大の強みは、不採算部門を切り離し収益性の高い中核事業だけを新会社に承継できる点にあります。

赤字体質の部門や負債の多い事業を旧会社に残して、黒字事業だけで再スタートすることで限られた経営資源を有効活用できるとともに、経営効率の劇的な向上が見込めます。

【メリット】✅ 2. 借金をリセットできる

新会社は原則として旧会社の債務を引き継がないため、実質的に“無借金”で事業を再開することが可能です。

これにより、日々の利払いや返済負担に苦しむことなく、本来の事業活動に集中できます。

資金繰りの安定に直結する点は、特に財務リスクを抱えた企業にとって大きな魅力です。

【メリット】✅ 3. 取引先や雇用を守れる

新会社においても、主要な取引先や従業員を継続的に引き継ぐことができるため、事業の連続性が保たれやすいという利点があります。

廃業を選んだ場合に生じる大量離職や取引断絶のリスクを回避し、顧客・取引先との信頼関係や、技術・ノウハウの継承を図ることが可能です。

【メリット】✅ 4. 代表者の再出発が可能に

旧会社で代表者が個人保証をしていた借入債務も、新会社には原則引き継がれません。

そのため、経営者自身が過去の負債から解放され、再チャレンジに向けた環境を整えやすくなります。

経営破綻が「人生の終わり」とならず、再起のスタートラインとなることは経営者にとって大きな心理的・実務的な救いとなるでしょう。

【メリット】✅ 5. 銀行や公的機関からの支援を受けやすい

第2会社方式は、中小企業活性化協議会や地域金融機関との連携によって進められるケースも多く、再生スキームとして社会的認知が高いのが特徴です。

公的支援制度や金融機関の再建支援との親和性も高く、適切なスキーム設計により事業再生の成功可能性が高まります。

【デメリット・リスク】

第2会社方式については、全ての企業にとってメリットがあるわけではありません。

デメリットやリスクもある事を念頭に検討してください。

【デメリット・リスク】⚠️ 1. 債権者とのトラブルリスク

債権者の同意や説明が不十分なまま進めた場合、「資産を新会社に移して債務を免れようとしている」と受け取られ、資産隠しや詐害行為と見なされる可能性があります。

これにより、損害賠償請求や差押や裁判といった法的トラブルに発展するリスクがあるため、透明性の高い手続きと誠実な説明が不可欠です。

【デメリット・リスク】⚠️ 2. 法務・会計の複雑さ

事業譲渡や資産評価、雇用契約の承継など、法律・税務・労務の複雑な論点が数多く関与するため、専門家の関与が必須です。

特に、中小企業では法務・会計リソースが不足していることも多く、外部の弁護士・税理士・再生コンサルタントとの連携が成功のカギを握ります。

【デメリット・リスク】⚠️ 3. 社員の不安や離職リスク

会社分割や新会社設立にあたっては、従業員の雇用形態や待遇変更に不安を感じさせる可能性があります。

従業員の不安が解消されないまま進行すると、有能な社員の離職や士気低下につながりかねません。
そのため、丁寧な情報共有や相談体制の整備など、従業員に対する十分な配慮が求められます。

【デメリット・リスク】⚠️ 4. 一時的な資金負担

新会社設立に伴う手続き費用や、譲渡資産の対価支払い、当面の運転資金確保など、初期的に一定の資金が必要になる場合があります。

新会社の資金が潤沢でない場合は、金融機関や支援機関との調整を含めた資金計画の作成が不可欠です。

【デメリット・リスク】⚠️ 5. 適用できるケースが限定的

第2会社方式は「再生可能な事業が存在すること」が前提です。

企業全体がすでに経済的に破綻しており、引き継ぐべき事業や収益源が存在しない場合には適用が困難です。

そのため、事前に事業価値や資産の評価を的確に行うことが重要です。

まとめ

第2会社方式とは、経営が悪化した企業において収益性の高い事業や資産・従業員、取引先などを新たに設立した会社(第2会社)へ移転し、旧会社の過剰債務や不採算事業を切り離すことで、事業の継続と再生を図る手法です。

新会社は原則として旧会社の借金を引き継がず、資金繰りが改善しやすくなるうえ、主要な雇用や取引関係を守ることができるため、経営者にとって再出発のチャンスとなる一方で、債権者の理解や専門的な法務・会計処理、従業員への丁寧な説明が欠かせず、再生可能な事業が存在しない企業には適用が難しいという点にも留意が必要です。

お知らせ

「事業を立て直すために不動産を売却するか迷っている」とお悩みの方は、ワイズエステート販売株式会社にご相談ください。

複雑な権利関係や債権者との協議が必要な不動産や事業再生の観点からの不動産売却の必要性を見極めて有効なご提案を致します。

まずは、お気軽にお問い合わせください。あなたの不動産の悩みを解決し、安心して売却できるよう全力でお手伝い致します。

CONTACT
お問い合わせ

当社へのご相談・ご依頼は、お気軽に以下のフォームからお問い合わせください。