BLOG ブログ

【税金滞納】なぜ役所はオーバーローンの家を差し押さえるのか?「配分」の理屈と解除交渉のお話です

【税金滞納】なぜ役所はオーバーローンの家を差し押さえるのか?「配分」の理屈と解除交渉のお話です

「借金の返済で精一杯で、税金まで手が回らない……」 「住宅ローンの残高の方が多いのに、役所に自宅を差し押さえられてしまった」

今、そんな絶望的な状況に置かれている方も少なくないはずです。

家を差し押さえられると、あたかも「即座に追い出される」かのような恐怖を感じますが、実はオーバーローン(売却価格よりローン残高が多い)の状態であれば、即座に公売をするような可能性は低いです。

しかし、不動産を売却する事になった場合には「差押」は大きな足枷になり売却自体が困難になってしまいます。

それでは、なぜ役所は1円も回収できない可能性のある物件を差し押さえるのでしょうか?

そして、どうすればその差押を解除して、再出発へと踏み出せるのでしょうか?

その鍵を握るのが、法律で定められた「無益な差押の禁止」というルールです。

こちらのブログでは、専門用語を噛み砕きながら、「配分」の仕組みや、実務でよく使われる「ハンコ代(解除料)」の相場について詳しく解説します。

1. なぜオーバーローンの不動産でも差押えられるのか?

結論から言うと、役所は「あなたの不動産に価値があるかどうか」を精密に調査する前に、まずは「登記簿上の名義」を見て事務的に差押さえることが多いからです。

本来、差押の目的は「公売」にかけて滞納分を回収することです。

しかし、不動産には「権利の優先順位」という鉄のルールがあります。

抵当権(銀行)vs 差押(役所)

不動産が売れた際、抵当権と差押のどちらが優先的に弁済を受け取る順番は、原則として「登記が早かった順」です。

・抵当権(住宅ローンなど):銀行が設定

・差押(税金滞納):役所が設定

もし、不動産の価値が3,000万円で、銀行のローン残高が3,500万円ある場合、役所が公売にかけても、売却代金はすべて銀行に持っていかれます。役所の取り分は「0円」です。

しかし、実際には、このような単純なケースだけではないので注意しましょう。
納税に「法定納期限」という期日がありますので、不動産を売却する時には注意が必要です。
詳しくは、こちらで説明しますので参考にして下さい。
  ↓  ↓  ↓

2. 「無益な差押」の禁止は武器になるのか?

ここで重要になるのが、国税徴収法第79条などで定められている「無益な差押の禁止」というルールです。

無益な差押えとは? 差押えの対象物件を処分(公売)しても、優先される債権(銀行のローン等)や手続費用を支払った後に、滞納額に充てるべき余剰(配分)が出る見込みがない状態の不動産に対して「差押」をするのは禁止だと法律で定めています。

つまり、「差し押さえても1円も回収できないなら、その差押えは法的に無効、あるいは取り消すべきだ」という理屈です。

「配分」の計算式

役所が差押えを継続できるかどうかは、以下の計算で決まります。

不動産の見積価格 - (優先債権額 + 手続費用) = 配分額

この「配分額」が0円、あるいはマイナスになる場合、その差押は「無益」とみなされ、解除を求める正当な理由になります。

3. 役所の本音:取れなくても差し押さえる理由

「1円も取れないなら、最初から差し押さえなければいいのに」と思いますよね。しかし、役所には別の狙いがあります。

プレッシャーを与えるため: 差押えは強力な心理的圧迫になります。

「とりあえず」のキープ: 将来、不動産価格が上がったり、ローンが減ったりしたときに回収できるように。

職務怠慢を防ぐため: 「財産があるのに差し押さえない」ことは、役所にとって不利益(徴収停止の法的根拠がなくなる)になるからです。

しかし、これはあくまで役所側の都合です。あなたが任意売却(家を売って再出発する)を検討している場合、この「無益な差押え」は大きな障害になります。

4. 差押え解除の鍵「ハンコ代(解除料)」の相場

オーバーローンの物件を売却(任意売却)しようとする際、役所に差押えを解除してもらうために支払う少額の協力金を、通称「ハンコ代(解除料)」と呼びます。

役所からすれば「1円も取れないなら解除しろ」と正論を言われても、「はい、そうですか」とタダで判を押すのは、滞納者への不公平感や会計検査の面で難しいのです。

そこで「少しでも納付するなら、差押えを解除して売却を認めましょう」という妥協案が出てきます。

5. 差押え解除に向けた具体的なステップ

もし今、オーバーローンで差押えを受けているなら、以下の手順で動くのが現実的です。

① ローン残高の確定(残高証明書)
まずは銀行から「いくら借金が残っているか」の証明をもらいます。

② 不動産の査定(価格の証明)
不動産会社に依頼し、「今売ったらいくらになるか」の査定書を作ります。この際、**「今すぐ売らないと価値が下がる」「競売(強制売却)になるとさらに安くなる」**といった事情を盛り込んでもらいます。

③ 役所への「無益な差押え」の主張
査定額よりもローン残高が明らかに多いことを示し、「このまま差し押さえていても、御庁に配分はありません。任意売却を認めてくれれば、ハンコ代として〇万円を納付します」と交渉を持ちかけます。

無益な差押の禁止の現実は?

自治体による差押えの実態は、債権回収の可否よりも「手続きの正当性」を優先する傾向にあります。

第三者への転売を防ぐための保全や、たとえ競売の結果として回収不能に陥ったとしても、法的措置を尽くしたという「免責(言い訳)」を重視するあ傾向にあります。

任意売却による柔軟な回収よりも形式的な競売を選択してしまうという、公平性の観点から乖離した不条理な現実があります。

まとめ:諦める前に「理屈」で戦う

「税金の滞納」は確かにこちらの落ち度ですが、役所が法律を超えて無限にあなたを縛り付けられるわけではありません。

特にオーバーローン物件の場合、「配分がない(無益な差押)」という事実は、あなたにとって強力な交渉カードになります。

1人で悩まず、任意売却に強い不動産会社や弁護士に相談し、この「理屈」を使って再出発の道を探ってください。

「もう無理だ」と諦める前に。法律のロジックで差押えの不安を解消します。

「役所から差し押さえ通知が届いたが、ローンも返せていない」という方へ。

あなたの不動産が「無益な差押え」に該当するか、無料でシミュレーション・相談受付中です。役所との交渉や任意売却の専門家が、あなたの再出発をフルサポートします。まずは匿名でご相談ください。

CONTACT
お問い合わせ

当社へのご相談・ご依頼は、お気軽に以下のフォームからお問い合わせください。