相続不動産の売却
相続した不動産を放置して売却ができなくて困り果てた
ご相談者T様 60代 男性
はじめに
相続した不動産を「今は使わないから」「話し合うのが面倒だから」と放置してしまうケースは少なくありません。
しかし、その判断が将来、大きなトラブルへと発展することがあります。
不動産は、時間が経つほど価値が下がっていきます。
管理されない建物は老朽化が進み、売却しづらい状態になります。
さらに厄介なのが、相続を重ねることで共有名義人が増えていくことです。
共有者が増えると、売却や活用には全員の同意が必要となり、意思決定は一気に難しくなります。
話し合いがまとまらないまま放置が続き、固定資産税の滞納や管理不全をきっかけに、最終的に競売へ進んでしまうケースも現実にあります。
今回は、相続不動産を放置した結果、共有者が増え、競売に至ってしまった相談事例をご紹介します。
「まだ大丈夫」と思っている方にこそ、知っておいてほしい内容です。
相談
ご相談者のT様は、数年前に実家と月極駐車場で運用している不動産を相続しましたが、兄弟で共有名義のまま特に何もせず放置していました。
当初は「そのうち売ればいい」と思っていたものの、話し合いをする機会もなく時間だけが経過していました。
その間に、共有者の3人が亡くなり、さらに相続が発生しました。
最初の相続から十数年後に共有名義の兄弟が相次いで亡くなり相続が発生したときには、さすがに不動産を売却しようと思い、新たな相続人である7人の甥や姪に売却する事を相談したら、そのうちの2人が売却を拒否してきました。
不動産を売却する事を拒否した2人は理由を話すことなくT様からの連絡さえも拒絶するようになりました。
このような状況になると相続した不動産を売却したくてもできないようになり、T様は困り果てました。
建物は老朽化し、空き家のまま管理も十分にできていません。
固定資産税の負担も重く、将来的にトラブルになるのではないかと不安を感じています。
「このままでは売ることもできず、最悪の場合は競売になるのではないか」
そう考え、今からでも何か対策ができないかご相談頂きました。
当社からの提案
本件では、相続人の一人が理由を明確にしないまま売却を拒否し続けていました。
具体的な代替案や期限も示されず、話し合いは進まない状況でした。
そこで、結論を急がず、まずは相続人同士で正式に話し合う場を設けることを提案しました。
第3者の立場から、現状の不動産価値、維持費、放置した場合のリスクを整理し、「売る・売らない」ではなく「今後どうするか」を共有することを目的としました。
しかし、話し合いの場を設けても態度は変わらず拒否は続き、合意形成には至りませんでした。
その結果、通常の売却に進む機会を失い、時間だけが経過してしまいました。
相続不動産の売却失敗
最終的にこのケースは、相続不動産を「資産」として活かすことができず、相続人同士の対立を生む「トラブルの種」として終わりました。
話し合いによる解決ができない状況が続いた結果、T様はやむを得ず遺産分割調停を申し立てることになります。
調停の中でも合意には至らず、最終的には不動産を競売により換金化し、その代金を分割する形で決着しました。
競売となったことで、本来の市場価格よりも大幅に低い金額での処分となり、相続人全員にとって納得のいかない結果となりました。
しかし、これは決して珍しい話ではありません。
相続不動産を放置し、判断を先送りにした場合、誰にでも起こり得る、現実的な末路です。
まとめ|放置こそが最大のリスク
相続不動産は、何もしないことが一番危険です。
時間が経てば、相続人は増え意見はまとまりにくくなり取れる選択肢は確実に減っていきます。
特に難しいのが、人の心理です。
一度こじれた感情や、理由のない拒否は、時間が解決してくれることはほとんどありません。
むしろ時間の経過とともに、「今さら話し合いたくない」「自分の立場を変えられない」という気持ちが強くなっていきます。
だからこそ、問題が表面化する前、「まだ大丈夫」と思える段階で動くことが、結果的に一番楽で、一番有利な選択になります。
相続不動産は、早く動いた人が選択肢を残せるのです。
不動産の放置が、いちばん高くつく相続不動産
相続不動産は、問題が大きくなってからでは選択肢が限られてしまいます。
・共有名義のまま放置している
・相続人の意見がまとまらない
・売却の話をすると拒否されて進まない
・将来、調停や競売になるのではと不安がある
このような状況でも「今の段階だからこそできる整理」があります。
相続した不動産の売却を前提としない相談でも構いません。
相続人同士の関係を壊さず、現実的な出口を一緒に考えます。
1人で抱え込まず、動けるうちに一度ご相談ください。