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アパート経営が難しい理由とその対策方法をお話します

アパート経営は、うまくいけば毎月安定的な家賃収入が得られるため、「不労所得」や「老後の資産形成」として注目されることが多い投資手法です。

しかし、実際にアパート経営を始めてみると、想像以上に多くの課題やトラブルに直面し、「思ったより儲からない」「こんなに手間がかかるとは思わなかった」と感じるオーナーも少なくありません。

こちらのブログでは、アパート経営が「難しい」と言われる理由を10個ピックアップし、それぞれに対する対策方法もあわせて解説します。

これからアパート経営を始める方、すでに運営しているが悩みを抱えている方にとって、経営改善のヒントになれば幸いです。

金融機関から借り入れの返済が重荷になる

アパート経営を始める際、多くの方が金融機関から融資を受けて物件を購入します。

初期投資が大きいため、借入額も自然と高額になりがちです。

特に、土地を購入してからアパートを建築するようですと借入額が多くなりリスクは大変高まります。

金融機関からの借入の返済額が高すぎると、毎月の家賃収入から返済額を差し引いた後の利益が少なくなり、「思っていたより儲からない」「ローン返済だけで手一杯」という状態に陥ることがあります。

また、空室が発生したり、家賃の滞納が続いたりすると、ローン返済資金が不足し、個人の貯金を取り崩さなければならないというケースも少なくありません。

【対策方法】

不動産投資は、「最悪のケース」を想定した収支シミュレーションを事前に行っておくことが重要です。

満室時だけでなく、2〜3室空室がある状態でもローン返済が可能かを確認しておきましょう。

それでも返済が重荷に感じるようであれば、以下のような対策を検討してみてください。

●借り換えによる返済条件の見直し:近年では低金利のローン商品も増えているため、借り換えによって月々の返済額を抑えることができる場合があります。

●返済期間の延長:期間を延ばすことで月々の返済額を減らすことが可能ですが、その分利息が増えるため慎重に判断が必要です。

●空室対策を強化する:物件の魅力を高め、安定した入居率を維持することがキャッシュフローの安定に直結します。外壁の塗装や内装リフォーム、ネット無料サービスなどの導入も効果的です。

ローン返済はアパート経営における最大の固定費です。

物件を購入した後も、金融機関との交渉や見直しによって収支改善の余地があることを忘れずに積極的に動いていくことが成功への鍵となります。

家賃滞納による赤字

アパート経営において、入居者からの家賃収入は命綱とも言える大切な収益源です。

しかし、現実には「家賃の支払いが遅れる」「何カ月も滞納される」といったトラブルも珍しくありません。

特にローンを抱えている場合、家賃が入ってこないと返済資金が不足して、すぐに赤字経営に陥ってしまう可能性があります。

さらに、滞納者が退去に応じない場合、法的手続きを経なければならず、時間も費用もかかります。

精神的な負担も大きく、経営者のモチベーションを下げる原因にもなります。

【対策方法】家賃保証会社の活用

現在の賃貸市場では、賃貸契約時に家賃保証会社を利用するのが主流になりつつあります。

家賃保証会社を利用すれば、入居者が滞納しても保証会社が一定期間家賃を立て替えてくれるため、経営者としては安心です。

入居審査も保証会社が行うため、リスクの高い入居者を事前にふるいにかけることもできます。

【対策方法】契約内容の明確化

賃貸借契約書に、家賃支払いの期日、遅延損害金、強制退去の条件などを明記しておくことで、トラブル発生時にスムーズな対応が可能になります。

書面に明記していないと、あとから「聞いていない」と言われるリスクが高まります。

【対策方法】早期対応の徹底

滞納が発生したら、すぐに連絡を取りましょう。「1回くらいなら大丈夫」と見逃すと、次も…とエスカレートしやすくなります。

支払いが遅れている理由を確認し、必要に応じて分割払いや保証会社への請求を迅速に行うことが大切です。

滞納リスクの低い入居者選び

保証会社の審査だけでなく、オーナー自身でも収入や勤務先、過去の居住履歴などを確認し、信頼できる入居者かどうかを見極めましょう。

家賃が安定して払える人を入居させることが、長期的な経営の安定につながります。

入居者への対応が困難

アパート経営では「物件の管理」だけでなく、「人の管理」も重要な要素となります。入居者が増えれば増えるほど、騒音、ゴミ出しのルール違反、共用部分の使い方など、さまざまなトラブルが起こる可能性が高まります。

特に深夜の騒音トラブルや、入居者同士のもめごとなどは、オーナーとして間に入って対応するのが難しいケースも多く、精神的なストレスが大きい部分です。

さらに、水漏れや設備の故障などで修繕対応が必要になれば、迅速に業者を手配しなければならず、時間も手間もかかります。

退去時には「原状回復費用をめぐるトラブル」や「立ち退き交渉」が問題となることもあり、スムーズに解決できなければ、法的な手続きに発展することもあります。

【対策方法】 契約時にルールを明確にしておく

入居時に交わす賃貸借契約書や重要事項説明書には、騒音・ゴミ出し・共用部分の使用などについての禁止事項や罰則をしっかり明記しておきましょう。

入居者にルールを周知することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

【対策方法】 定期的なコミュニケーションを取る

「顔が見える管理」は入居者の信頼感を高め、トラブル時にも柔軟な対応が可能になります。

直接の管理が難しい場合は、信頼できる管理会社に委託し、報告・連絡・相談の体制を構築しておくことが大切です。

【対策方法】トラブル対応マニュアルを用意しておく

トラブルが発生した場合には、感情的にならず、冷静かつ迅速に対処することが求められます。

騒音トラブルや家賃滞納、修繕の連絡など、よくあるケースに対しては対応フローを事前に整理しておくと安心です。

4. 法的サポートを活用する

トラブルが長期化・複雑化した場合には、無理に自力で解決しようとせず、弁護士や不動産に強い専門家に相談しましょう。

内容証明の送付や調停など、法的手続きによって円満な解決を図ることも可能です。

空室リスクや家賃下落リスクの対策を講じていない

空室が長期間続いたり、家賃が市場相場に比べて下がることは、アパート経営の大きなリスクです。​これらのリスクを軽減するためには、戦略的な対策が必要です。

【対策方法】マーケティング活動の強化

空室対策では、入居者募集の強化が欠かせません。​

リフォームに踏み切る前に、まずは「募集力」の向上を図ることが賃貸経営の基本となります。

​問い合わせが多くなれば、リフォームを行わずとも入居率を改善できる可能性はゼロではありません。

​集客ノウハウを持ち、独自のネットワークを活用できる不動産会社に依頼するのが効果的です。

リフォームやリノベーションの実施

築年数が経過した物件では、設備や内装が古くなるため、入居率が低下していきます。

​一棟まるごと適切な空室対策を行うことで、入居率をキープし、安定した家賃収入を得るキャッシュフロー対策が可能になります。

​特に、人気のある設備(例:宅配ボックス、システムキッチンなど)の導入や、内装のリフォームは効果的です。

入居者ニーズの把握と対応

入居者の属性を理解し、ニーズを踏まえてアピールすることも家賃下落の対策につながります。

​例えば、物件があるエリアには、どのような属性の借り手がいるかを把握することです。​

単身者か家族層か、カップルかなど、属性で求めるアパートにニーズが異なります。​

入居者ニーズを的確にとらえて、セキュリティやデザイン性などを工夫した物件は、住み心地が強化されます。

​できるだけ長期間にわたって入居してもらうことは、家賃下落の理由となる空室状態や家賃収入が減るデメリットを防ぎ、安定経営につながるポイントです。

家賃設定の見直し

築年数の経過や設備の老朽化などで空室がなかなか埋まらない場合、やむをえず家賃を下げることもありますが、オーナーとしては、長期的に安定した家賃収入を得るためにも、家賃を下げることはできれば避けたいところです。​

そのため、物件の魅力を高めることで、家賃を維持しながら入居者を確保することが重要です。

お金を借りすぎている

アパート経営を始める際、自己資金が不足している場合、金融機関からの借入を利用することが一般的です。​

しかし、借入額が多すぎると、毎月の返済額が高額になり、収支バランスが崩れるリスクがあります。

​特に、空室が発生したり、家賃が下落した場合には収入が減少して返済が困難になる可能性があります。

自己資金を3割以上用意する

アパート経営を行う際、自己資金を3割以上用意することが推奨されています。​

これは、金融機関が物件の担保評価を市場価格の7割程度で行うため、自己資金を3割以上用意することで、万が一の場合でも売却によってローン残債を返済できる可能性が高まります。

収支計画を慎重に立てる

借入額を決定する前に、収支計画を慎重に立てることが重要です。

​将来的な家賃の下落や空室リスクを考慮し、収入が減少した場合でも返済が可能な範囲で借入額を設定しましょう。​

また、返済期間や金利の変動リスクも考慮する必要があります。

無理のない返済計画を立てる

借入額を決定する際には、無理のない返済計画を立てることが重要です。

​毎月の返済額が収入の一定割合を超えないように設定し、将来的な収入の変動にも対応できるようにしましょう。

金利の種類を検討する

借入時には、金利の種類(固定金利や変動金利)を慎重に検討することが重要です。

​固定金利は返済額が一定で計画が立てやすい一方、変動金利は金利の変動によって返済額が増減するリスクがあります。​

自身のリスク許容度や将来的な金利動向を考慮して選択しましょう。

トラブルに備えた資金調達をしていない

アパート経営では、突発的な修繕や設備の故障など、予期しない出費が発生することがあります。​

これらの出費に備えた資金を確保していないと、経営が立ち行かなくなるリスクがあります。

緊急用の予備資金を確保する

突発的な修繕や設備の故障に備えて、緊急用の予備資金を確保しておくことが重要です。​

一般的には、年間家賃収入の10%程度を目安に積み立てることが推奨されています。

定期的な修繕費用の積立て

定期的な修繕費用を積み立てておくことで、大規模な修繕が必要になった際にも対応しやすくなります。​

修繕積立金は、建物の築年数や規模に応じて適切な金額を設定し、毎月積み立てることが望ましいです。

長期的な資金計画の策定

長期的な資金計画を策定し、将来的な修繕や設備更新に備えることが重要です。​

これにより、突発的な出費にも柔軟に対応できて経営の安定性が向上します。

予防保全の実施

定期的な点検やメンテナンスを行い、設備の劣化や故障を未然に防ぐことで、突発的な修繕費用を抑えることができます。​

予防保全を実施することで、建物の寿命を延ばして長期的な経営の安定につながります。

節税のためだけに経営を始めた

アパート経営を節税目的で始めると、長期的なビジョンを欠いた経営になることがあります。

​節税効果は一時的なものであり、持続的な収益を得るためには、安定した家賃収入や資産価値の向上を重視する必要があります。

長期的な収益計画の策定

アパート経営を成功させるためには、節税効果だけでなく、長期的な収益計画を立てることが重要です。​

家賃収入の安定性や将来的な資産価値の向上を見据えた経営戦略を策定しましょう。

節税効果の限界を理解する

減価償却や損益通算などの節税効果は、一定期間に限られます。​

例えば、木造アパートの減価償却期間は22年であり、その後は経費計上できなくなります。

​節税効果の限界を理解し、それに依存しない経営を心がけましょう。

賃貸需要の高いエリアを選定する

安定した家賃収入を得るためには、賃貸需要の高いエリアを選定することが重要です。

​立地条件や周辺環境を十分に調査し、長期的に入居者を確保できる物件を選びましょう。

専門家のアドバイスを活用する

税理士や不動産コンサルタントなどの専門家のアドバイスを活用し、節税効果だけでなく、総合的な経営戦略を立てることが重要です。

​専門家の意見を参考にすることで、リスクを最小限に抑えた経営が可能になります。

金利上昇リスクを考慮していない

金利が上昇すると、借入金の返済額が増え、経営が困難になる可能性があります。

​特に変動金利でローンを組んでいる場合、金利の上昇が直接的に返済額の増加につながります。

固定金利のローンを選択する

金利上昇リスクを回避するためには、固定金利のローンを選択することが有効です。

​固定金利であれば、返済期間中の金利が一定であるため、将来的な金利上昇による返済額の増加を防ぐことができます。​

ただし、固定金利は変動金利よりも金利が高めに設定されることが多いため、総返済額が増加する可能性があります。​

そのため、固定金利と変動金利のメリット・デメリットを比較検討して、自身の経営計画に合った選択をすることが重要です。​

金利上昇時の影響をシミュレーションする

金利が上昇した場合の返済額やキャッシュフローへの影響を事前にシミュレーションしておくことが重要です。

​例えば、金利が1%上昇した場合、年間の返済額がどの程度増加するのかを把握することで、リスクに備えた経営計画を立てることができます。​

このようなシミュレーションは、金融機関や不動産投資の専門家に相談することで、より正確な数値を得ることができます。

繰り上げ返済を検討する

資金に余裕がある場合、繰り上げ返済を行うことで、借入残高を減らし、金利上昇時の返済負担を軽減することができます。​

ただし、繰り上げ返済には手数料が発生する場合があるため、事前に金融機関と相談し、メリット・デメリットを確認することが重要です。

ローンの借り換えを検討する

現在のローンの金利が高い場合や、将来的な金利上昇が予想される場合、より低金利のローンへの借り換えを検討することも一つの方法です。

​借り換えによって、返済額を抑えることができる可能性があります。

​ただし、借り換えには手数料や諸費用が発生するため、総合的なコストを比較検討することが重要です。

サブリースに頼りすぎている

サブリース契約は、サブリース業者がアパートなどの賃貸住宅をオーナーから一括して借り上げ、一定の賃料収入が見込めることや、管理の手間がかからないことなど、オーナーにとってのメリットがあります。​

しかし、近年、賃料減額をめぐるトラブルなどが発生しています。​

契約内容を慎重に確認する

サブリース契約を締結する前に、契約内容や賃料減額などのリスクを十分理解してから契約してください。​

契約書の内容や賃料減額の条件について、専門家に相談することをおすすめします。

サブリース以外の管理方法も検討する

サブリース契約には一定のメリットがありますが、看過できないデメリットも抱えているため、自分にとって最善と思えない場合には安易に契約しないことも重要です。​

アパートの管理方法には、サブリース以外にも自主管理や管理委託などがあります。​

これらの方法を比較検討し、自身の状況に合った管理方法を選択することが大切です。

与信の高いサブリース会社と契約する

財務内容が良く、経営状態の良いサブリース会社を選んで契約することで、家賃不払いや倒産のトラブルをある程度防ぐことができます。​

信頼性の高い会社を選ぶことが、リスク軽減につながります。​

賃料減額には応じない

既にサブリース契約をしている場合、賃料減額には応じないというのが効果的な対策です。

​賃料減額は交渉ごとなので、納得できない場合には応じないことができます。​

ただし、契約解除のリスクもあるため、慎重に対応することが必要です。

入居者のトラブルに対応できていない

入居者のトラブルに適切に対応できないと、問題が拡大し、最終的に経営が困難になることがあります。

​例えば、騒音問題や設備の不具合、退去時の立ち退き交渉など、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

定期的なコミュニケーションの実施

入居者との良好な関係を築くためには、定期的なコミュニケーションが重要です。

​例えば、定期的なアンケート調査や面談を通じて、入居者の満足度や問題点を把握して早期に対応することができます。

契約書の明確化と遵守

トラブルを未然に防ぐためには、契約書に明確なルールを記載し、入居者に遵守してもらうことが重要です。​

例えば、騒音やペットの飼育に関する規定を明確にし、入居者に理解してもらうことで、トラブルの発生を防ぐことができます。

トラブル発生時の迅速な対応

問題が発生した場合には、迅速かつ柔軟に対応することが求められます。

​例えば、設備の故障が発生した場合には、早急に修理を手配して、入居者に状況を説明することで信頼関係を維持することができます。

法的なアドバイスの活用

トラブルが解決しない場合や法的な対応が必要な場合には、専門家のアドバイスを受けることが重要です。​

例えば、弁護士や不動産管理の専門家に相談することで、適切な対応策を講じることができます。

まとめ

​アパート経営は、過剰な借入や空室リスクや家賃滞納、入居者トラブル・金利上昇・サブリース契約の理解不足等、節税目的だけの経営でトラブルへの備え不足など多くの課題が存在します。

これらに対して慎重な資金計画、リスク管理、適切な物件選定、信頼できる管理会社の活用、明確な契約内容の設定、定期的なコミュニケーション、予備資金の確保などの対策を講じることで、安定した収益を得ることが可能です。

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