
~売却はできる?できない?手続きのポイントを徹底解説~
不動産を相続した際、「名義変更が完了したから、あとは売るだけ」と思っていたら、登記簿に“根抵当権”が残っていた……。
そんなケースに直面する方は少なくありません。
こちらのブログでは、不動産売却時に根抵当権が残っていた場合の対応方法や解除手続き、売却への影響について、専門的な視点からわかりやすく解説します。
根抵当権とは?抵当権との違い

根抵当権と抵当権は、どちらも不動産などの資産を担保にする権利ですが、その性質や使われ方に違いがあります。
以下に、両者の違いを詳しく説明します。
以下に、両者の違いを詳しく説明します。
根抵当権とは
根抵当権は、将来発生する可能性のある不特定の債権を担保するために設定される権利です。
あらかじめ「極度額(最大限の担保額)」を定め、その範囲内で繰り返し借入れを行うことができます。
これにより、追加の担保設定が不要となり、特に事業融資などで利用されます。
あらかじめ「極度額(最大限の担保額)」を定め、その範囲内で繰り返し借入れを行うことができます。
これにより、追加の担保設定が不要となり、特に事業融資などで利用されます。
抵当権との違い
抵当権は特定の債権(例:住宅ローン)を担保するもので、債務を完済すれば自動的に消滅し、抹消手続きも比較的簡単です。
一方、根抵当権は将来発生する不特定の債権(例:事業融資など)を担保するために設定され、極度額の範囲内で繰り返し利用可能であるため、債務がゼロになっても自動的には消滅せず、抹消するには借入がなくても「終了」の合意と正式な手続きが必要となります。
一方、根抵当権は将来発生する不特定の債権(例:事業融資など)を担保するために設定され、極度額の範囲内で繰り返し利用可能であるため、債務がゼロになっても自動的には消滅せず、抹消するには借入がなくても「終了」の合意と正式な手続きが必要となります。
相続や売却時の注意点
相続した不動産に根抵当権が設定されている場合、その不動産は金融機関が将来の借入に備えて担保として確保している状態となります。
そのため、債務がゼロであっても、根抵当権が残っている限り、自由に売却することができない場合があります。
担保不動産の売却や担保解除を希望する場合は、金融機関との合意のもとに根抵当権の抹消手続きが必要となります。
根抵当権は、事業資金の調達などで柔軟に対応できるメリットがありますが、相続や不動産取引の際には注意が必要です。
具体的な手続きや対応については、専門家に相談することをおすすめします。
そのため、債務がゼロであっても、根抵当権が残っている限り、自由に売却することができない場合があります。
担保不動産の売却や担保解除を希望する場合は、金融機関との合意のもとに根抵当権の抹消手続きが必要となります。
根抵当権は、事業資金の調達などで柔軟に対応できるメリットがありますが、相続や不動産取引の際には注意が必要です。
具体的な手続きや対応については、専門家に相談することをおすすめします。
相続不動産に根抵当権があると売却できないの?
相続した不動産に根抵当権が設定されている場合、原則としてそのままでは売却できません。
根抵当権が残っている不動産は、買主から見ると「金融機関に権利がある不安定な物件」となり、売買契約が成立しにくくなります。
そのため、通常は売却の前に根抵当権を抹消(もしくは解除)する必要があります。
根抵当権が残っている不動産は、買主から見ると「金融機関に権利がある不安定な物件」となり、売買契約が成立しにくくなります。
そのため、通常は売却の前に根抵当権を抹消(もしくは解除)する必要があります。
根抵当権が設定されている不動産の売却に関するポイント
●原則として抹消が必要:根抵当権が設定されている不動産は、金融機関の承諾がない限りは売却することができません。買主にとっては、根抵当権が残っていることで、将来的に金融機関からの請求が発生するリスクがあるため、購入を避ける傾向があります。
●抹消手続きの流れ:根抵当権を抹消するには、まず金融機関と「終了」の合意を行い、その後、法務局で抹消登記の手続きを行う必要があります。この手続きには、必要書類の準備や手数料が発生するため、事前に確認しておくことが重要です。
●金融機関の承諾があれば売却可能:例外的に、金融機関の承諾が得られれば、根抵当権が残ったままでも売却が可能な場合があります。ただし、この場合でも買主との間でリスクを共有する形となるため、慎重な対応が求められます。
●抹消手続きの流れ:根抵当権を抹消するには、まず金融機関と「終了」の合意を行い、その後、法務局で抹消登記の手続きを行う必要があります。この手続きには、必要書類の準備や手数料が発生するため、事前に確認しておくことが重要です。
●金融機関の承諾があれば売却可能:例外的に、金融機関の承諾が得られれば、根抵当権が残ったままでも売却が可能な場合があります。ただし、この場合でも買主との間でリスクを共有する形となるため、慎重な対応が求められます。
専門家に相談しましょう
相続した不動産に根抵当権が設定されている場合、売却を検討する際には、まず金融機関との交渉を行い、根抵当権の抹消手続きを進めることが重要です。
手続きの詳細や必要書類については、司法書士や不動産専門家に相談することをおすすめします。
手続きの詳細や必要書類については、司法書士や不動産専門家に相談することをおすすめします。
根抵当権付きの不動産を売却するには?~解除・抹消までの手続き~

根抵当権が設定された不動産を売却するには、以下の手順で解除・抹消の手続きを進める必要があります。
権利関係を確認する
まず、相続した不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)を取得し、以下の点を確認します:
●根抵当権者(通常は金融機関名)
●極度額
●債権の種類(事業用・個人用など)
●設定者(被相続人が契約したかどうか)
●根抵当権者(通常は金融機関名)
●極度額
●債権の種類(事業用・個人用など)
●設定者(被相続人が契約したかどうか)
金融機関に問い合わせる
登記簿で根抵当権者が判明したら、その金融機関に連絡し、以下の点を確認しましょう:
●現在、根抵当権に基づく債務があるか
●被相続人名義の借入がすでに完済されているか
●根抵当権の「終了届」や「解除同意書」がもらえるか
※この段階で、借入がないことが確認できれば、抹消のための書類を発行してもらえるケースが多いです。
●現在、根抵当権に基づく債務があるか
●被相続人名義の借入がすでに完済されているか
●根抵当権の「終了届」や「解除同意書」がもらえるか
※この段階で、借入がないことが確認できれば、抹消のための書類を発行してもらえるケースが多いです。
必要書類の準備と取得
金融機関からもらうもの(主に以下):
●根抵当権解除証書または終了証明書
●登記識別情報(または登記済権利証)
●金融機関の代表者印の押された委任状
相続人が用意するもの:
●登記申請書(司法書士が作成)
●相続登記が完了していない場合は、相続関係を証明する書類(戸籍謄本、遺産分割協議書など)
●根抵当権解除証書または終了証明書
●登記識別情報(または登記済権利証)
●金融機関の代表者印の押された委任状
相続人が用意するもの:
●登記申請書(司法書士が作成)
●相続登記が完了していない場合は、相続関係を証明する書類(戸籍謄本、遺産分割協議書など)
法務局で登記抹消申請
司法書士に依頼して、根抵当権の抹消登記申請を行います。登記完了までに3週間程度かかるのが一般的です。
これらの手続きを経て、根抵当権が抹消されれば、不動産の売却が可能となります。手続きの詳細や必要書類については、司法書士や不動産専門家に相談することをおすすめします。
これらの手続きを経て、根抵当権が抹消されれば、不動産の売却が可能となります。手続きの詳細や必要書類については、司法書士や不動産専門家に相談することをおすすめします。
抹消にかかる費用と期間

●司法書士報酬 1万~3万円程度(地域差あり)
●登録免許税 不動産1件につき1,000円
●抹消にかかる期間 金融機関とのやり取り含めて1~2週間程度
※被相続人が事業用の根抵当権を設定していた場合、手続きが複雑化することもあるため、専門家に相談しましょう。
●登録免許税 不動産1件につき1,000円
●抹消にかかる期間 金融機関とのやり取り含めて1~2週間程度
※被相続人が事業用の根抵当権を設定していた場合、手続きが複雑化することもあるため、専門家に相談しましょう。
不動産売却時に「抹消と同時進行」することは可能?

はい、根抵当権の抹消と不動産の売却を同時進行で進めることは可能です。
特に、売却代金を利用して根抵当権の抹消費用を支払う場合、この方法が有効となります。
特に、売却代金を利用して根抵当権の抹消費用を支払う場合、この方法が有効となります。
売却と抹消を同時進行する際のポイント
1. 売買契約書への明記
売買契約書に「引渡し前に根抵当権を抹消することを条件とする」旨を明記します。これにより、買主に対して抹消手続きが確実に行われることを保証できます。
2. 決済日の調整
決済日に抹消に必要な書類を持参し、同時に手続きを行う段取りを司法書士が調整します。これにより、売却と抹消がスムーズに進行します。
売買契約書に「引渡し前に根抵当権を抹消することを条件とする」旨を明記します。これにより、買主に対して抹消手続きが確実に行われることを保証できます。
2. 決済日の調整
決済日に抹消に必要な書類を持参し、同時に手続きを行う段取りを司法書士が調整します。これにより、売却と抹消がスムーズに進行します。
注意点
●買主との信頼関係
この方法では、買主が売却代金の一部を抹消費用に充てることを了承する必要があります。そのため、買主との信頼関係が重要となります。
●司法書士の調整力
売却と抹消を同時に進めるためには、司法書士が金融機関との連絡や書類の準備を適切に行う必要があります。
●金融機関との事前協議
金融機関によっては、売却代金での抹消を認めない場合もあります。事前に金融機関と協議して同意を得ておくことが重要です。
このように、根抵当権の抹消と不動産の売却を同時に進めることは可能ですが、関係者との調整や信頼関係が不可欠です。スムーズな手続きを行うためにも、司法書士や不動産専門家に相談することをおすすめします。
この方法では、買主が売却代金の一部を抹消費用に充てることを了承する必要があります。そのため、買主との信頼関係が重要となります。
●司法書士の調整力
売却と抹消を同時に進めるためには、司法書士が金融機関との連絡や書類の準備を適切に行う必要があります。
●金融機関との事前協議
金融機関によっては、売却代金での抹消を認めない場合もあります。事前に金融機関と協議して同意を得ておくことが重要です。
このように、根抵当権の抹消と不動産の売却を同時に進めることは可能ですが、関係者との調整や信頼関係が不可欠です。スムーズな手続きを行うためにも、司法書士や不動産専門家に相談することをおすすめします。
根抵当権が抹消できない場合の対応策

根抵当権が抹消できない場合でも、状況に応じた対応策を講じることで、問題の解決を図ることが可能です。
以下に、具体的なケースとその対応策をまとめました。
以下に、具体的なケースとその対応策をまとめました。
極度額までの借入が残っている場合
●借入の完済
残債務がある場合、売却代金を利用して借入を完済し、その後に根抵当権の抹消手続きを行うことが一般的です。
●任意売却の検討
返済が困難な場合、金融機関と協議の上、任意売却を行うことで、根抵当権の抹消を目指すことができます。
残債務がある場合、売却代金を利用して借入を完済し、その後に根抵当権の抹消手続きを行うことが一般的です。
●任意売却の検討
返済が困難な場合、金融機関と協議の上、任意売却を行うことで、根抵当権の抹消を目指すことができます。
金融機関がすでに合併・消滅している場合
●承継先の金融機関の調査
金融機関が合併や消滅している場合、預金保険機構や法務局で承継先の金融機関を確認して抹消手続きを依頼します。
金融機関が合併や消滅している場合、預金保険機構や法務局で承継先の金融機関を確認して抹消手続きを依頼します。
担保が共同担保になっている場合
●他の担保物件との関係性の確認
共同担保の場合、他の担保物件との関係性を確認し、必要に応じて調整を行う必要があります。
●専門家のサポート
このような複雑なケースでは、司法書士や不動産会社などの専門家のサポートを受けることが重要です。
共同担保の場合、他の担保物件との関係性を確認し、必要に応じて調整を行う必要があります。
●専門家のサポート
このような複雑なケースでは、司法書士や不動産会社などの専門家のサポートを受けることが重要です。
根抵当権が付いたままの不動産を売却しようとしている方へのアドバイス

根抵当権が付いたままの不動産を売却しようとお考えの方へ、スムーズな手続きを進めるためのポイントを以下にまとめました。
登記簿謄本で根抵当権の有無を確認
まずは法務局で登記簿謄本(全部事項証明書)を取得し、根抵当権の設定状況を確認しましょう。
債務が完済されていても、根抵当権は自動的に抹消されません。
抹消手続きが必要ですので注意が必要です。
債務が完済されていても、根抵当権は自動的に抹消されません。
抹消手続きが必要ですので注意が必要です。
早めの専門家相談がカギ
登記や金融機関とのやり取りに不慣れな方は、司法書士や不動産会社などの専門家に早めに相談することをおすすめします。
専門家は、根抵当権の抹消手続きや売却の進行をスムーズにサポートしてくれます。
専門家は、根抵当権の抹消手続きや売却の進行をスムーズにサポートしてくれます。
不動産売却と抹消を同時進行する方法も
売却代金を利用して根抵当権の抹消費用を支払う場合、売却と抹消を同時進行で進めることが可能です。
この場合、売買契約書に「引渡し前に根抵当権を抹消することを条件とする」旨を明記し、決済日に抹消書類を持参して手続きを行う段取りを司法書士が調整します。
この場合、売買契約書に「引渡し前に根抵当権を抹消することを条件とする」旨を明記し、決済日に抹消書類を持参して手続きを行う段取りを司法書士が調整します。
不動産会社に査定を依頼
不動産会社に査定を依頼して適正な価格での売却が可能になります
根抵当権が付いた不動産の売却は、専門的な知識と手続きが必要です。
早めに専門家に相談し、適切な対応を行うことで、スムーズな売却が実現できます。
根抵当権が付いた不動産の売却は、専門的な知識と手続きが必要です。
早めに専門家に相談し、適切な対応を行うことで、スムーズな売却が実現できます。
債権者が見つからない 連絡が付かない時の対応は

債権者と連絡が取れず、根抵当権の抹消手続きが進められない場合でも、以下のような対応策があります。
内容証明郵便の送付
まず、債権者の最後に確認された住所宛てに、内容証明郵便で「根抵当権の抹消に関する通知」や「解除同意書の送付依頼」を送付します。
これにより、通知を送った事実とその内容を公的に証明できます。
また、債権の時効が迫っている場合には、内容証明郵便による催告で時効完成を半年間延長することが可能です。
これにより、通知を送った事実とその内容を公的に証明できます。
また、債権の時効が迫っている場合には、内容証明郵便による催告で時効完成を半年間延長することが可能です。
供託手続きの検討
債権者が受け取りを拒否したり、連絡が取れない場合には、債務者が供託所に金銭を供託することで、債務を履行したとみなされる場合があります。
供託の理由としては、「受領遅滞」や「債権者不明」などが考えられます。
供託所は、供託の理由が法律の定める要件を満たしているかを審査します。
供託の理由としては、「受領遅滞」や「債権者不明」などが考えられます。
供託所は、供託の理由が法律の定める要件を満たしているかを審査します。
3. 公示送達の利用
債権者の所在が不明で、通知が届かない場合には、裁判所の許可を得て公示送達を行うことができます。
公示送達とは、裁判所の掲示板に通知を掲示することで、相手に通知が届いたとみなす制度です。
ただし、公示送達は最終手段であり、事前に債権者の所在を調査した上で裁判所の許可を得る必要があります。
公示送達とは、裁判所の掲示板に通知を掲示することで、相手に通知が届いたとみなす制度です。
ただし、公示送達は最終手段であり、事前に債権者の所在を調査した上で裁判所の許可を得る必要があります。
弁護士への相談
債権者の所在が不明で、供託や公示送達を検討する場合には弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、債権者の所在調査や供託手続き、公示送達の申立てなどを専門的な手続きをサポートしてくれます。
以上のような対応策を検討し、専門家と連携して手続きを進めることで、根抵当権の抹消が可能となる場合があります。
早めの対応が重要ですので、状況に応じて適切な手続きを進めてください。
弁護士は、債権者の所在調査や供託手続き、公示送達の申立てなどを専門的な手続きをサポートしてくれます。
以上のような対応策を検討し、専門家と連携して手続きを進めることで、根抵当権の抹消が可能となる場合があります。
早めの対応が重要ですので、状況に応じて適切な手続きを進めてください。
まとめ

相続した不動産に根抵当権が残っている場合、そのままでは原則として売却できません。
しかし、債務の有無を確認し、適切な手続きを経て抹消登記を行えば、通常通り売却することは可能です。
相続不動産の売却は、法的・実務的に多くの確認事項が発生しますが、根抵当権のような「見えないリスク」にも早めに気づき、的確に対処することが重要です。
必要であれば、司法書士・不動産の専門家と連携してスムーズな手続きをサポートいたします。ご相談はお気軽にどうぞ。
しかし、債務の有無を確認し、適切な手続きを経て抹消登記を行えば、通常通り売却することは可能です。
相続不動産の売却は、法的・実務的に多くの確認事項が発生しますが、根抵当権のような「見えないリスク」にも早めに気づき、的確に対処することが重要です。
必要であれば、司法書士・不動産の専門家と連携してスムーズな手続きをサポートいたします。ご相談はお気軽にどうぞ。
お知らせ

「不動産を売却したいけど、問題があって売却できない…」とお悩みの方は、ワイズエステート販売株式会社にご相談ください。
複雑な権利関係や債権者との協議が必要な不動産等の不動産売却を経験豊富な専門家チームが全力でサポートいたします。
まずは、お気軽にお問い合わせください。あなたの不動産の悩みを解決し、安心して売却できるよう全力でお手伝い致します。
複雑な権利関係や債権者との協議が必要な不動産等の不動産売却を経験豊富な専門家チームが全力でサポートいたします。
まずは、お気軽にお問い合わせください。あなたの不動産の悩みを解決し、安心して売却できるよう全力でお手伝い致します。