BLOG ブログ

経営不振を不動産売却とリースバックで乗り切る!資金繰り改善の最終手段とは

経営不振を不動産売却とリースバックで乗り切る!資金繰り改善の最終手段とは

〜事業用不動産を売却し、賃貸でそのまま使い続ける手法「リースバック」の活用術と注意点〜

事業を営む中で、突然資金繰りが厳しくなることは決して珍しくありません。

売上減少、取引先の倒産、金融機関からの借入制限…。こうした状況を打開するための「最終手段」として近年注目されているのが、「リースバック(Sale and Leaseback)」という手法です。

特に、工場・倉庫・オフィス・店舗などの事業用不動産を所有している企業にとって、リースバックは事業の継続と資金確保を両立できる現実的な選択肢です。

今回は「リースバック」について、活用方法やメリット・デメリット、注意点を専門的に、かつ分かりやすく解説します。

リースバックとは?〜仕組みの基本〜

リースバックとは、自社が所有している不動産を第三者に売却した後、その買主と賃貸借契約を結ぶことで、売却後も同じ不動産を引き続き使用し続けることができる取引手法です。

言い換えれば、「所有」から「賃借」に切り替えることで、不動産という資産を現金化しながら、今まで通りその不動産を利用し続けることが可能になります。

この仕組みは、特に以下のような場面で活用されます。

・資金調達が必要だが、事業拠点を移転したくない場合

・バランスシートのスリム化を図りたい場合

・運転資金を確保したいが、銀行借入は避けたい場合

リースバックの基本的な流れ

以下はリースバックの一般的な流れを図にしたものです(※実際のブログでは図解を掲載するとより視覚的に分かりやすくなります)。

1. 企業が所有している不動産を第三者へ売却

2. その買主と賃貸借契約を締結

3. 売却によって資金を得ながら、賃料を支払ってそのまま不動産を使用し続ける

このように、リースバックは一見すると不動産を手放すように見えますが、実際には使い続けられるという点で、資金調達と業務継続の両立が図れる柔軟な選択肢となっています。

リースバックのメリット

リースバックは、単なる「不動産の売却」ではなく、「資金調達と業務継続」を両立できる柔軟な手法です。

では、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的な4つの利点を紹介します。

固定資産の即時現金化

リースバックの最大の魅力は、所有している不動産を短期間で現金化できることです。

特に、金融機関からの借入が難しい時期や、担保余力がない場合でも、リースバックであれば資金調達の選択肢が広がります。

売却によって得たキャッシュを、運転資金や投資資金に充てることができるため、企業の資金繰り改善に直結します。

事業の継続性を維持

リースバックの大きなメリットは、不動産を売却しても、同じ場所で事業を継続できる点にあります。
店舗や工場を移転する必要がないため、従業員や取引先、顧客への影響を最小限に抑えることが可能です。

リースバックは、「不動産を売却して資金を確保しつつ、今の事業所をそのまま使い続けられる」仕組みであり、資金繰り改善と事業継続を同時に実現できます。

まさに、「事業はそのまま、財務体質だけを健全化できる」現実的な選択肢として、中小企業や個人事業主に注目されています。

バランスシートのスリム化

不動産を売却しリースバックを活用することで、不動産という大型資産をオフバランス化でき、自己資本比率の改善やROA(総資産利益率)・ROE(自己資本利益率)といった財務指標の向上が期待できます。

さらに、資産規模をスリム化することにより、金融機関からの見え方も改善され、企業の信用力向上にもつながります。
これは、中小企業や個人事業主が財務体質を健全化し、資金調達力を高めるための有効な戦略といえるでしょう。

倒産リスクの回避

業績不振や資金ショートのリスクが高まった際に、営業を止めずに資金を確保できることは非常に重要なポイントです。
リースバックを活用すれば、不動産を売却してもそのまま事業所や店舗を使用し続けられるため、事業停止を回避しながらキャッシュフローの立て直しが可能になります。

特に、経営が厳しく「不動産を売るしかない」といった切迫した状況でも、リースバックは最悪の事態を回避し、資金繰り改善のための有効な選択肢として注目されています。

リースバックのデメリットと注意点

リースバックは、資金調達と事業継続を同時に実現できる便利な手法ですが、当然ながらメリットだけではありません。

導入を検討する際には、以下のようなデメリットやリスクも十分に理解しておく必要があります。

賃料負担が発生する

リースバックを利用すると、不動産の売却により即時に資金を確保できますが、その後は賃借人として毎月の賃料を支払う必要があるため、賃料が長期的な固定費となる点に注意が必要です。
この賃料負担が事業の経常的なコストとして積み重なることで、事業収支を圧迫するリスクがあります。

売却益による一時的なキャッシュ確保に注目しがちですが、将来的な賃料負担増加によるコスト上昇を見越した資金計画を立てることが、リースバックを活用する上で重要なポイントです。

所有権を失うことによる制約

不動産を売却すると、所有権は買主に移転するため、自由に改築やリフォームができなくなるなどの制約が発生します。
さらに、売却後はその不動産を別の担保に入れたり、再売却したりすることも原則としてできなくなるため、資産活用における柔軟性が大幅に制限される点に注意が必要です。

これまで自社資産として自由に利用できていた不動産が、契約上の制約を受けることで、事業運営や将来的な資産戦略に影響を及ぼす可能性があることを理解しておきましょう。

契約終了時のリスク

リースバックの契約期間が終了しても、必ずしも再契約が保証されるわけではないため、事業継続に不確実性が生じる可能性があります。

また、買主が不動産を第三者に転売した場合、新たな所有者との間で賃貸条件の再交渉が必要になるケースも多く、賃料や契約内容が大きく変わるリスクがあります。

このように、将来的に退去を求められたり、賃貸条件が大幅に変更される可能性がある点は見落とせない重要な注意事項です。リースバックを検討する際は、こうしたリスクを十分に理解し、契約内容を慎重に確認することが重要です。

売却価格が相場より安くなることも

リースバックは、「売却後も同じ場所を使い続けたい」という売主の希望を前提としているため、買主側には転売や自由利用に関する制限がかかります。

その結果、一般的な不動産売却と比べて、リースバックの売却価格は相場よりも低くなる傾向が強いことが特徴です。

特に、急いで資金化したい場合は、こうした価格のディスカウントを受け入れる必要があるケースが多いため、資金計画を立てる際は注意が必要です。

リースバックに適している不動産とは?

リースバックはすべての不動産に適用できるわけではなく、買主のニーズや投資判断に大きく左右されるため、成立しやすい物件とそうでない物件があります。

そのため、リースバックの活用を検討する際は、自社の不動産がどのような特徴を持っているかを見極めることが重要です。

以下に、リースバックに適している不動産の主な特徴をまとめました。

リースバックに向いている物件の例

・自社の主要拠点(本社・支店・店舗など)
 事業の中核を担う拠点で、移転の可能性が低く、継続的な使用が見込まれる物件は、買主にとっても安定した賃料収入が期待できるため、魅力的です。

・工場・倉庫などの事業用施設
 特殊な設備や立地条件がある場合は、売却後も引き続き使用される前提が強く、リースバック向きです。

・長期にわたって同一場所での営業を希望しているケース
 買主にとって「安定したテナント(売主)が存在する」ことは大きな安心材料となるため、こうした状況の物件は成約しやすくなります

リースバックが難しいケース

・賃貸需要が低い立地にある物件
 たとえ売主が継続使用を希望していても、万が一退去した場合に買主が新たなテナントを見つけにくいエリアでは、投資リスクが高く、買主がつきにくくなります。

・建物の老朽化が進んでいる物件
 将来的な修繕コストや建て替えの必要性を懸念されるため、買主に敬遠されやすい傾向があります。

リースバック実行の流れ

リースバックは単なる「不動産売却+賃貸」ではなく、複数のステップを踏んで慎重に進める必要がある資金調達方法です。
ここでは、一般的なリースバック実行までの流れを簡潔に解説し、初めての方にも分かりやすくご紹介します。

適切な手順を理解することで、リースバックを活用したスムーズな資金確保と事業継続が実現できます。

不動産価値の査定

リースバックを進める際は、まず対象不動産の時価評価を正確に行うことが重要です。

不動産会社や不動産鑑定士に依頼し、現在の市場価格や収益力をもとに売却価格の目安を確認します。

また、リースバックでは、売却価格と同時に適正な賃料の水準を設定することが成功の鍵となるため、賃料の見極めも慎重に行う必要があります。

リース条件の交渉

リースバックの契約では、賃料、契約期間、更新の有無、原状回復義務の範囲などのリース条件を買主候補としっかり交渉することが重要です。

この段階で、売却後の資金計画と毎月の賃料負担のバランスを慎重に検討し、無理のない事業運営を目指すことが成功のポイントとなります。

売却先の選定・契約

リースバックでは、対応可能な投資家や企業などの買主候補を慎重に選定し、売買契約を締結することが重要です。

この際、信頼できる相手かどうかの見極めや、将来的なリスク(転売や再契約の可否)を十分に考慮することが、事業継続の安定につながります。

賃貸借契約の締結

不動産の引き渡しと同時に、新たな所有者との間で賃貸借契約を締結するのが「セール&リースバック」の特徴です。

この契約により、売主は賃借人として引き続き同じ不動産を使用できるため、事業の継続性を確保できます。

売却代金の受け取りと活用

売却代金は、借入金の返済や運転資金、仕入れ資金の確保など、資金繰り改善に効果的に活用されます。

早期の資金確保と事業継続を両立させる点で、リースバックは経営改善のための非常に有効な資金調達手段として注目されています。

リースバックを活用する際の注意点とアドバイス

リースバックは非常に有効な資金調達手段ですが、契約内容や将来の運用に注意を怠ると予期せぬ不利益を被る可能性があります。
ここでは、リースバックを成功させるために押さえておくべき重要なポイントを分かりやすく解説します。

適切な知識を持つことで、リスクを回避し、安定した資金調達と事業継続を実現しましょう。

契約内容を慎重に確認すること

リースバック契約では、通常の不動産売買に加え、賃貸借契約の条項が非常に重要です。特に以下の点は事前にしっかり確認しておきましょう:

・中途解約の可否と違約金の有無

・契約更新の条件や再契約の可否

・転貸(第三者への又貸し)の制限

・賃料の改定条件

これらの条件を見落とすと、長期的に不利な立場に立たされるリスクがあります。

信頼できる不動産会社や専門家に相談すること

リースバックには専門的な知識と経験が求められます。
初めて検討する場合や、契約内容に不安がある場合は、必ず実績のある不動産会社や弁護士・税理士などの専門家に相談しましょう。

プロの仲介を受けることで、

・契約条件の適正化

・相場に見合った売却価格の確保

・リース期間終了後の対応策の設計

といった点で安心感が得られます。

出口戦略も想定しておくこと

リースバックは**「その後どうするか」**をあらかじめ決めておくことが重要です。

たとえば、

・数年後に物件を買い戻す意向がある

・一定期間使用後に完全退去する予定がある

といった将来計画がある場合は、その意向を契約内容に反映させることが大切です。

特に「再取得オプション(買戻し特約)」をあらかじめ盛り込んでおくことで、将来的に不動産を取り戻すチャンスを確保することができます。

よくある質問

リースバックについてのよくある質問をまとめました。

契約前の疑問や注意点、資金調達の仕組みなど、皆さまから多く寄せられる質問にわかりやすく回答しています。

Q1. リースバック後に、再び物件を買い戻すことはできますか?

A. はい、買い戻しオプション(再取得特約)**を契約時に取り決めておくことで、将来的に再取得が可能になります。

ただし、条件や価格については事前に明確にしておく必要があります。

Q2. リースバックの賃料はどのように決まるのですか?

A. リースバックの賃料は、主に売買価格に対する利回りを基準に算出されます。一般的には、買主が期待する利回り(投資収益率)に応じて、年間の賃料が設定されます。

また、賃貸借期間が短い場合は、契約の安定性が低いため、賃料が割高になる傾向があります。逆に長期契約であれば賃料は抑えられやすいです。

このため、リースバック契約では賃料設定と契約期間のバランスを慎重に検討し、将来的な賃料負担が無理にならないようにすることが重要です。

Q3. どのような買主がリースバック物件を購入しますか?

A. リースバックの買主は、主に不動産投資会社やREIT(不動産投資信託)、リースバックに理解のある個人投資家が多くを占めます。
契約の安定性や将来的なリスクを考慮すると、信用力が高く契約実績のある相手を選ぶことが非常に重要です。

信頼できる買主を見極めることで、安心してリースバック契約を進められます。

活用事例:リースバックで経営危機を回避した中小企業

東京都内で飲食業を展開するA社は、コロナ禍の影響で売上が激減し、運転資金が不足。銀行からの融資も難しい厳しい状況に陥っていました。

そのような中、本社兼店舗として使用していた不動産のリースバックを活用。物件を売却しながらも同じ場所で事業を継続し、迅速な資金調達を実現しました。

この結果、資金繰りを改善し経営危機を回避。店舗の移転や事業停止のリスクを抑えながら、事業再建の道を切り拓きました。

リースバックは、資金調達と事業継続を両立したい中小企業にとって有効な選択肢となっています。

リースバックは経営再建の有力な一手

リースバックは、資金繰りの改善と事業継続を同時に実現できる、非常に実用性の高い不動産活用戦略です。

店舗や工場、本社ビルなど、事業運営に欠かせない不動産を手放すことなく、現金を確保できるという点で、多くの企業にとって魅力的な選択肢となり得ます。

その一方で、所有権を失うことによる制約や、長期的な賃料負担など、見過ごせないリスクも存在します。

リースバックを「一時的な資金難を乗り切る最後の切り札」として活用する際には、冷静な判断と専門家の的確なサポートが不可欠です。

「不動産を売っても、事業は止めない。」リースバックのご相談受付中!

リースバックは、単なる不動産売却ではありません。
事業を止めずに資金を確保できる、経営改善の切り札です。

「資金繰りに困っているけれど、今のオフィスや店舗は手放せない…」
「銀行融資が難しく、新たな資金調達方法を探している」
「事業は成長しているのに、固定資産が重荷になっている気がする」

そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。
経験豊富な不動産の専門家が、貴社の状況に合わせた最適なリースバックプランをご提案します。

✅ ご相談は無料
✅ 秘密厳守
✅ 全国対応可能

まずはお気軽にお問い合わせください。
「今、何ができるか」を一緒に考えましょう。

CONTACT
お問い合わせ

当社へのご相談・ご依頼は、お気軽に以下のフォームからお問い合わせください。