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空き家を相続して“売却”で3,000万円控除!? 知らなきゃ損する節税特例を徹底解説します

空き家を相続して“売却”で3,000万円控除!? 知らなきゃ損する節税特例を徹底解説します

~最大3,000万円の特別控除が使えるチャンス~

相続で実家を引き継いだものの、

  • 「住む予定がない」
  • 「固定資産税や維持費がもったいない」
  • 「売却したいけど、税金が心配…」
    とお悩みではありませんか?

実は、相続した空き家を一定の条件で売却すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があることをご存じでしょうか?
この制度を活用すれば、譲渡所得税がゼロになる可能性もある、非常に有利な節税策です。

この記事では、
✅ 空き家の3,000万円控除とは何か?
✅ 対象となる物件・相続人の条件
✅ 適用に必要な手続きや注意点
などを、わかりやすく解説していきます。

「使わない実家、売るかどうか迷っている…」という方は、売却のタイミングを誤ると数百万円の損になる可能性も。
ぜひ最後まで読んで、損しない判断にお役立てください。

空き家の3,000万円控除とは?

正式には、
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」。

この制度は、
相続した実家(空き家)を一定の条件下で売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる、というものです。

▶ 制度の背景
全国的に問題視されている「空き家問題」への対策の一つとして、2016年から導入された特例制度です。
親が亡くなり、実家を相続したものの住む予定がなく、空き家のまま放置されるケースが多く見られます。
このような空き家の流通・活用を促すために、税負担を軽減することで売却を後押しする狙いがあります。

💡 実例で見る!3,000万円控除の節税効果

たとえば――
相続した実家(空き家)を売却し、譲渡所得が1,000万円出た場合を考えてみましょう。

通常であれば、
長期譲渡所得として課税されるため、

譲渡所得 1,000万円 × 税率 約20% = 税金 約200万円超
がかかることになります。
(※ 所得税15%、住民税5%、復興特別所得税などを含めた概算)

ところがこの特例を活用すると…?

3,000万円の控除枠が適用されることで、
なんと譲渡所得 1,000万円が“まるごと非課税”に!

👉 支払うはずだった約200万円の税金が「0円」
👉 控除上限の3,000万円をフルに使えば、600万円程度の節税も可能に!

👥 相続人が3人以上の場合は注意

「空き家3,000万円控除」は非常に魅力的な制度ですが、
すべてのケースで満額の3,000万円が使えるわけではありません。

特に注意したいのが、
👉 相続人が3人以上いる場合です。

▶ 相続人が複数いると…?
この制度では、譲渡所得から控除できる金額は 基本的に3,000万円までですが、相続した空き家について、3人以上の共有名義で売却した場合には、

👉 控除額の上限が2,000万円に引き下げられるという制限があります。


✅ たとえばこんなケース

親の自宅を
3人の兄弟姉妹で相続し、空き家として残っていた実家を売却した場合。

通常であれば、最大3,000万円の控除が適用されますが、3人以上の共有での譲渡となるため、控除額は最大2,000万円までに制限されます。

つまり――

譲渡所得が3,000万円 → 控除2,000万円 → 課税対象 1,000万円
→ 税金 約200万円が発生
という結果になる可能性も。

空き家の3,000万円控除を受けるための要件チェックリスト

この特例は、すべての空き家に適用されるわけではありません。

以下の対象物件の条件と売却に関する条件の両方を満たす必要があります。

【1】被相続人に関する条件

・ 相続開始時点(亡くなった時点)で、被相続人(親など)が一人暮らしであった

・被相続人が居住していた住宅が昭和56年5月31日以前に建築された家屋である

・相続開始時点で、その家屋が区分所有建物(マンション)ではない

【2】家屋の状態・処理に関する条件

・売却までに、建物を取り壊した上で土地を売却する
 
・ 耐震リフォームを行った上で家屋付きで売却する

【3】売却・譲渡に関する条件

・相続開始日から3年を経過する年の年末(12月31日)までに売却する

・ 売却価格(譲渡対価の額)が1億円以下である

・相続人やその親族が、相続後にその家に住んだり貸したりしていない

【4】控除に関する注意点

・相続人が2人までの場合:控除額 最大3,000万円

・ 相続人が3人以上で共有売却した場合:控除額 最大2,000万円に制限

・確定申告で「被相続人居住用財産の譲渡所得の特別控除」の適用を申請する

💰 譲渡所得税の計算式と節税の仕組み

空き家を売却した際にかかる「譲渡所得税」は、次の計算式で求められます。

▶ 譲渡所得の基本計算式

譲渡所得 = 売却金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額

この譲渡所得に対して税率(※長期譲渡所得は約20%)がかかるため、いかに課税所得を抑えるか=節税のカギとなります。



🧮 具体例で見る!空き家特例による節税

仮に、以下のようなケースを考えてみましょう:

売却金額:2,500万円

取得費+譲渡費用:1,800万円

空き家の3,000万円特別控除を適用

このときの計算は…

譲渡所得 = 2,500万円 − 1,800万円 − 3,000万円 = -2,300万円
👉 譲渡所得がマイナスとなるため、
👉 課税所得はゼロ!

つまり、
✅ 譲渡所得税は一切かからず、完全非課税になります!

売却前にチェック!空き家の特別控除 活用のポイント

✅ 譲渡益が出ても大丈夫!
 → 控除の範囲内なら譲渡所得税が“ゼロ”になる可能性あり

✅ 最大3,000万円の控除を上手に使えば、
 → 数百万円単位の節税効果が見込める!

✅ 「控除後の譲渡所得」がどうなるか?
 → 必ずシミュレーションしてから売却判断を!

📌 こんなケースで活きる!
相続した実家を売却して利益が出そうな場合

築年数が古く、耐震や解体の検討が必要な空き家

兄弟姉妹と共有相続した物件の扱いに迷っているとき



不動産の取得費が不明な場合

取得費がわからない場合は、国税庁のルールにより、売却金額の5%を「概算取得費」として計算することもあります。

たとえば、上記の売却金額2,500万円の場合は、

取得費=2,500万円 × 5% = 125万円

となり、このケースで特例を使う場合は、より節税効果が高くなります。

手続き方法と提出書類

この3,000万円控除の特例を受けるためには、確定申告が必須です。

たとえ税額が0円になる場合でも、申告しなければ特例は適用されませんので注意しましょう。

📆 申告期限

「相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日」までに、売却と確定申告を完了させる必要があります。

例)2024年10月に相続開始 → 2027年12月31日までに売却・申告

📄 空き家3,000万円控除を受けるための主な提出書類一覧

✅ 1. 確定申告書関係
・ 確定申告書 B様式(第一表・第二表)

・ 譲渡所得の内訳書(土地・建物用)

・特例適用に関する明細書(計算明細書)

・ 被相続人居住用家屋等確認書(後述参照)

✅ 2. 不動産・相続に関する書類
・ 登記事項証明書(登記簿謄本)(被相続人の居住用家屋・土地)

・ 相続登記済の登記事項証明書(売却対象不動産)

・被相続人の戸籍(除籍)謄本(死亡の事実と続柄の確認)

・ 相続人の戸籍謄本・住民票(住所・氏名の確認用)

・相続関係説明図(法定相続人を示す図)

✅ 3. 売却・耐震・解体などの証明書類
・売買契約書(譲渡価格の確認用)

・ 取得費証明書類(購入時の契約書や領収書)
 ※取得費が不明な場合は概算(売却額の5%)で計算されます

【以下は該当する場合のみ】

・耐震改修をした場合:
 → 耐震基準適合証明書 または 住宅性能評価書(耐震等級1以上)

・解体して売却した場合:
 → 取り壊し証明書(解体業者の領収書や契約書など)

✅ 4. 「被相続人居住用家屋等確認書」について
この確認書は、自治体(被相続人の住民票所在地の市区町村役場)に申請し、発行してもらう必要があります。

提出に必要なもの(例:東京23区の場合)
・申請書(役所窓口に様式あり)

・被相続人の除票(住民票)

・家屋の登記事項証明書

・解体証明書 or 耐震証明書

・相続人の戸籍など

※詳細は各自治体のHPをご確認ください。

空き家特例の注意点とコスト

この特例を活用する際には、いくつかの注意点とコスト面のポイントを押さえておくことが大切です。

土地だけの売却は対象外

空き家の3,000万円特別控除を受けるためには、**「建物と土地をセットで売却すること」**が必須です。

❌ 土地だけの売却では特例の対象外
例えば、以下のようなケースでは適用されません:

「建物は老朽化して危険だから、先に解体して、土地だけ売却した」

このように建物が取り壊されていても、「かつて居住用の建物があったこと」と「建物と土地を一体として譲渡したこと」が証明できないと、特例は受けられません。

建物が解体済みの場合でもOKなケースとは?

以下のような条件を満たす場合は、更地になっていても特例の対象になります:

・相続後に建物を取り壊した

・解体後もその土地を誰にも貸さず、事業などにも使っていない

・売却時に「もともと被相続人が住んでいた家があった土地である」と証明できる

🔍 解体証明書や、建物の登記記録などが必要になることがあります。

マンションや区分所有建物は対象外

空き家の譲渡所得3,000万円特別控除は、すべての相続不動産に適用されるわけではありません。

特に注意が必要なのが、区分所有登記されたマンションなどの集合住宅です。

❌ マンションやアパートの1室は対象外
この特例は、被相続人が亡くなるまで一人で住んでいた「一戸建て住宅」が対象となります。
従って、以下のような物件は原則として適用不可です:

・分譲マンション(区分所有建物)

・アパートの一室

・店舗併用住宅のうち、区分所有部分 など

耐震改修や解体費用が発生する場合も

昭和56年以前に建てられた住宅など、旧耐震基準の建物は、売却の際に注意が必要です。

なぜなら、次のような対応が求められることがあるからです:

・耐震改修工事(補強・補修)

・建物の取り壊し(更地にして売却)

これらには費用がかかり、数十万円から場合によっては100万円以上になることもあります。

💰 売却益とのバランスを冷静に見極めよう
耐震改修や取り壊しにかかるコストは、売却金額と相殺されるため、結果的に「利益がほとんど残らない」というケースも少なくありません。

そのため、以下のような点を事前に検討することが重要です:

・そのまま売るか、手を加えて売るか?

・売却前に費用をかけるこ・高く売れるか?

・「空き家の3000万円控除」などの特例を活用できるか?

老人ホーム入居中のケースについて

被相続人が入所前にその家に居住していたこと(居住実態があること)
 → 形式的な住民票の有無ではなく、実際に居住していた事実が重視されます。

入所後もその家を処分していないこと(貸していない・売っていない・事業用にしていない)
 → 入所後もその家を第三者に貸したり、売却したり、事業で使用していた場合は対象外になります。



まとめ|空き家は「早めに動く」が鉄則!

相続した空き家の管理や固定資産税の負担に悩む前に、この「空き家の3,000万円控除」を活用すれば、譲渡所得税の負担を大幅に軽減できるチャンスがあります。

ただし、適用には細かい条件や手続きがあり、期限を過ぎてしまうと一切利用できなくなるため、早めの対応が何より重要です。

使い道に悩む空き家だからこそ、損をしないためにも早めに売却や専門家への相談を検討しましょう。

✅ 無料相談受付中!

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