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不動産投資で破産寸前!アパート経営の落とし穴と空室リスクの現実

不動産投資で破産寸前!アパート経営の落とし穴と空室リスクの現実

「不動産投資は安定収入が得られる」「将来の年金代わりになる」
そうした期待を抱いてアパート経営に乗り出す方が後を絶ちません。実際、成功すれば長期的に安定したキャッシュフローを生み出す魅力的な投資手段ではあります。

しかしながら、不動産投資は「何もしなくても儲かる楽な副業」ではありません。特に見落とされがちなのが空室率のリスクです。甘い想定で事業を始めてしまうと、最悪の場合「破産寸前」や「競売」へと追い込まれてしまうこともあります。

本記事では、空室リスクを軽視した結果、資金繰りが悪化し、差押えや債権回収の対象になった実例をもとに、不動産投資の落とし穴について詳しく解説します。

アパート経営で陥りやすい「思い込み」を徹底解説

アパート経営は「安定収入が得られる不労所得」「老後の安心材料」「節税対策になる」など、華やかなイメージで語られることが多いビジネスです。

確かに、うまく運用できれば大きなメリットがありますが、一方で「思い込み」によって失敗するケースも後を絶ちません。

近くに大学があるから、ずっと満室だろう

確かに「大学の近く」は学生需要が見込めるエリアとして人気ですが、それだけで安定経営が保証されるわけではありません。以下のようなリスクもあります。

大学の移転・統廃合:地方の大学ではキャンパスの統合や移転が相次いでいます。

10年先もその大学が存在するとは限りません。

少子化による学生数の減少:全体の学生数が減る中で、周辺に新築物件が建てられれば、築古物件は真っ先に空室になるリスクがあります。

学生のニーズの変化:高速Wi-Fiや宅配ボックスなど、現代の学生が求める設備が整っていないと選ばれません。

「近くに大学がある」という立地要素だけでなく、その大学の将来性や物件自体の魅力を客観的に見極めることが必要です。

管理会社に任せておけば、なんとかなるだろう

管理会社は確かに運営の強力なパートナーですが、「丸投げ」は危険です。

すべての管理会社が優秀とは限らない:中には、物件ごとの空室対策を考えず、形だけの募集しか行わない管理会社もあります。

賃料設定や広告戦略が時代遅れの場合も:周辺相場より高めの賃料で募集していても気づかず、空室が長期化するケースも。

経費のチェックを怠ると赤字に直結:管理会社が手配する修繕やリフォームに過剰な費用がかかっている場合、オーナーが把握していないと大きな損失に。

オーナー自身が、定期的に管理会社とコミュニケーションを取り、方針を確認・提案する姿勢が欠かせません。

空室が出ても、すぐに埋まるだろう

「駅近だし、エリアも悪くないからすぐに決まる」と思っていても、空室が長引くのが今の賃貸市場の現実です。

賃貸市場は供給過多のエリアが多い:特に都市部では、新築アパートが次々に建てられており、築古物件は埋まりにくくなっています。

募集条件の見直しがされていないことが原因:礼金ゼロやフリーレントなど、今の借主が求める条件に合わせていないと、反響が集まりません。

閑散期(夏など)に空室が出ると致命的:引っ越し需要が少ない時期に空室が出ると、数ヶ月単位で空室が続く可能性もあります。

「空室=収入ゼロ」という基本を忘れず、すぐ埋まる前提ではなく、埋まらなかった時の備えも計画しておくべきです。

金利が低いから、借入リスクは小さいだろう

超低金利時代が続いてきた日本では、金利の安さに安心感を抱く人も多いですが、それは大きな落とし穴になり得ます。

変動金利のリスク:現在は低金利でも、将来的に金利が上がれば、返済額は増えます。

たとえば、1%の上昇でも、年間の返済額は数十万円単位で増加する可能性があります。

金利上昇と同時に空室リスクが重なれば…:返済額が増えるタイミングで空室が発生すれば、キャッシュフローは一気に崩壊します。

返済額ギリギリで事業計画を立てると危険:余裕のない返済計画は、ちょっとした予期せぬ支出(修繕・広告費など)にも耐えられません。

金利が低い今こそ、金利上昇の「もしも」に備えた慎重な資金計画が必要です。

「表面利回り」だけを見て判断する

物件を探すときに「利回り10%」などの数字に飛びついてしまう方は少なくありません。

しかし、それが「表面利回り」(満室想定の年間賃料÷物件価格)であることを忘れてはいけません。

実際の経営では、空室や修繕、管理費、広告費などさまざまな経費がかかるため、手元に残る「実質利回り」は大きく下がります。

利回りの数字だけで判断せず、収支シミュレーションを徹底的に行うことが大切です。

修繕・リフォーム費用を甘く見積もっている

築年数が古い物件は価格が安く、利回りも高く見える傾向にあります。

しかし、実際には入居者を集めるためのリフォーム費用が多くかかることがあります。

エアコン、給湯器、屋根や外壁など、想定外の修繕が重なると、一気に収益を圧迫します。

特に築20年を超える物件は、今後10年以内に大規模修繕が必要になる可能性が高いため、事前に確認しておくべきです。

「管理会社に任せきり」で放置してしまう

「管理会社が何とかしてくれるだろう」と思い、経営に関与しないオーナーもいますが、それは危険です。

確かに管理会社は日々の運営を担ってくれますが、入居者のターゲットや募集条件、賃料の設定、広告戦略などをチェック・改善するのはオーナー自身の役割でもあります。

放置していると、「なぜか空室が埋まらない」という状況に陥りやすくなります。

地域や人口動態を調べずに購入してしまう

「駅から徒歩10分だから大丈夫」「都市部だから安心」といった思い込みで購入すると、地域によっては人口減少や大学の移転、周辺環境の変化により需要が激減することもあります。

物件選びでは、将来の人口動向、大学や企業の移転計画、近隣の新築供給状況なども含めた「先を見据えた情報収集」が不可欠です。

空室リスクを甘く見た失敗事例 実例:40代サラリーマン・Aさんのケース

Aさんは、都内に勤める年収700万円のサラリーマン。不動産投資セミナーに参加し、「アパート経営で老後の不安をなくそう」「副収入でゆとりある生活を」という夢を描いて、郊外の新築アパート(1K×8戸)を1億2,000万円で購入しました。

購入資金はフルローン(借入金100%)で、月々の返済は約35万円。

不動産会社のシミュレーションでは、満室時の家賃収入が月48万円。

そこから諸経費を引いても、毎月10万円以上が手元に残るはずでした。

しかし、現実はまったく違いました。

想定外の現実

竣工から半年で、次のような事態に直面します。

・3部屋が空室に(満室になったのは最初の2ヶ月だけ)

・賃料を下げても内見が来ない

・想定よりも家賃相場が低く、平均1.5万円の下落

・管理会社から「このエリアは競合物件が多すぎる」と後から指摘される

この結果、家賃収入は月25万円まで落ち込み、そこからローン返済35万円、管理費や固定資産税が差し引かれると、毎月10万円以上の赤字に。手元に残るどころか、本業の給与から持ち出しが続く事態に陥りました。

原因は「空室リスクの過小評価」

Aさんの最大の誤算は、「新築だからすぐ埋まる」「満室が当たり前」という希望的観測に基づいて計画を立てたことです。

また、以下のようなリスクを見落としていました。

・周辺の供給過多(新築アパートが乱立)

・立地に魅力がない(駅徒歩15分以上・バス便)

・ターゲット層の賃料負担能力とのミスマッチ

つまり、「物件そのものの魅力」や「エリア特性」、「競合との比較」といったマーケット分析を十分に行わずに投資判断を下したことが、経営破綻につながったのです。

成功のカギは“楽観前提”の排除

このケースは、アパート経営初心者にとって非常にありがちな失敗です。

「空室が出ても大丈夫」「すぐ埋まるだろう」といった前提ではなく、空室が出たときにどう耐えられるかを冷静にシミュレーションすることが、失敗を防ぐ第一歩です。

破産寸前のアパートオーナーが直面した現実

赤字経営に陥ったAさんは、なんとか状況を立て直そうと必死でした。

家賃収入だけではローンの返済や管理費をまかないきれず、ボーナスや貯金を取り崩して赤字を補填していましたが、それも長くは持ちませんでした。

約1年が経過する頃、Aさんは次のような対策を講じます。

金融機関との借り換え交渉 ⇒ 審査落ち

月々の返済負担を減らそうと、金利の低いローンへの借り換えを申請。

しかし、既に赤字が続いている状態では審査が通らず、断念せざるを得ませんでした。

親族からの資金援助 ⇒ 断られる

一時的に資金を借りて凌ぐことも考え、両親に相談。しかし、老後資金を理由に援助を断られ、資金調達の道も閉ざされます。

管理会社の変更 ⇒ 効果なし

「この管理会社が悪いのでは」と考え、別の管理会社に切り替え。物件の写真を変えたり、募集条件を見直したりしましたが、空室は一向に埋まらず、状況は好転しませんでした。

不動産売却を打診 ⇒ 値下げ交渉ばかり

いよいよ物件を手放すことを考え、複数の不動産会社に売却を打診。

しかし、提示されたのはローン残債を大きく下回る価格ばかりで、売却すれば数百万円の自己負担が必要な状況に。

家賃をさらに下げる ⇒ 入居は増えず

最後の望みをかけて、家賃を相場より大きく引き下げましたが、そもそも需要が少ない立地では値下げしても反響はゼロ。

空室は埋まらず、収支はさらに悪化しました。

そしてついに――ローン滞納3ヶ月、「期限の利益の喪失通知」が届く

追い詰められたAさんはついに、ローンの支払いを3ヶ月間滞納。その結果、銀行から届いたのは「期限の利益の喪失通知」でした。

これは、「今後分割払いは認めない。残りの借入金を一括で返済せよ」という、金融機関からの最終通告です。

ここから先は、いわゆる任意売却か競売といった、オーナーにとっては非常に厳しい現実が待ち受けています。

このように、どれだけ資金を投入し、努力をしても、「最初の見通しが甘い」「リスクの備えが足りない」という状態では、歯止めが利かなくなるのがアパート経営の怖さです。

任意売却や早期撤退を検討すべきタイミングとは?

Aさんのように「何とかなるだろう」と赤字経営を続けた結果、競売という最悪の選択肢に追い込まれるケースは少なくありません。

しかし、早めに正しい判断をすれば、被害を最小限に抑えることも可能です。

ここでは、「任意売却」や「撤退」を検討すべきサインを解説します。

キャッシュフローが3ヶ月以上連続で赤字

家賃収入からローン返済、管理費、税金、修繕積立、広告費などを引いた手元資金(キャッシュフロー)が赤字になっている状態が続く場合は危険信号です。

赤字補填に貯金や他の収入を回しているようなら、「儲け」ではなく「持ち出し」になっているということ。

アパート経営としては破綻寸前です。

空室が長期化し、入居の見込みも薄い

半年以上空室が続き、家賃を下げても内見が来ないようであれば、立地や物件自体に構造的な問題がある可能性が高いです。

人口減少エリアや競合の多い地域では、どんなに努力しても埋まらないこともあります。

回復の見込みがない場合は、撤退も視野に入れるべきです。

今売ればローン残債を上回る価格で売れる

「手放すにはまだ早い」と思いがちですが、損切りは早いほど傷が浅くて済みます。

現在の不動産市況を調べた上で、ローン残高よりも高い価格で売却できる可能性があるなら、資産価値が下がる前に決断するのが得策です。

金融機関から「条件変更を断られた」場合

借り換えや返済猶予などを金融機関に申し出ても断られた場合、銀行側も「回収見込みが低い」と判断していることになります。

その段階で無理に持ちこたえようとすると、やがて「期限の利益の喪失通知」→競売というルートをたどることになります。

任意売却とは?

任意売却(にんいばいきゃく)とは、ローンの返済が困難になった場合に、金融機関の同意を得て競売を避けながら物件を市場で売却する方法です。

競売と比べて市場価格に近い金額で売れるため、オーナーの負担が少なく、信用情報にも比較的ダメージが少ないとされています。

早めの撤退が「傷を浅くする」唯一の方法

アパート経営には「出口戦略」が欠かせません。長期的に保有する前提で購入しても、状況が変われば撤退を選ぶ柔軟さも必要です。

特にフルローンや自己資金が少ない場合は、キャッシュが尽きる前に手を打つことが将来の再起に繋がります。

差押・競売・債権回収の流れとは?

Aさんのようにローン返済の滞納が続くと、金融機関は次のような手順で債権を回収しようと動き出します。

この段階に入ると、オーナーの意思や希望はほとんど通らなくなります。

督促状の送付

返済が1~2ヶ月遅れると、銀行や保証会社から電話や書面で督促が届きます。

最初は「早めの支払いをお願いします」という内容ですが、遅延が長引くと内容は徐々に厳しくなります。

期限の利益の喪失・一括返済の請求

滞納が3ヶ月以上続くと、「期限の利益の喪失通知」が届きます。

これは、分割払いの権利を失い、ローン全額を一括で返済せよという通知です。

この時点で通常の分割返済は認められず、法的手続きが進み始めます。

差押登記の実施

通知からまもなく、担保となっている不動産に「差押え」の登記がなされます。

これにより、所有者であっても物件を売却したり、他の担保に入れたりすることができなくなります。

すでに自由に動かせない「資産凍結状態」です。

裁判所を通じて競売開始

差押登記と同時に、金融機関は地方裁判所に競売を申し立てます。裁判所は物件調査を行い、最低売却価格(買受可能価格)を設定します。

その後、「3点セット(評価書・現況調査報告書・物件明細書)」が作成され公告が開始されます。

競売実施・落札

公告後、不動産業者や投資家などが入札に参加し、最も高値を付けた者が落札者となります。

落札者が代金を納めると、強制的に所有権が移転され、オーナーは退去を求められることもあります。

競売は市場価格よりも大幅に安く売られる

競売は「早く売ること」が最優先であり、通常の不動産売買とは違い、内覧なし・現況渡し・心理的瑕疵などのリスクあり物件として扱われるため、落札価格は市場価格の7割〜半値以下になることも珍しくありません。

たとえば、市場価格が8,000万円の物件でも6,000万円台〜最悪4,000万円以下で落札されることも。

この結果、ローン残債が大きく残るケースがほとんどであり、差額を返済できずに自己破産に追い込まれるオーナーも少なくないのです。

任意売却との違い

競売と違い、任意売却であれば市場価格に近い金額での売却が可能であり、残債の交渉余地もあります。

裁判所の介入を避け、時間的にも心理的にも負担が少なく済む方法です。

だからこそ、差押や競売に進む前の「早い判断」が命取りになるかどうかの分かれ道なのです。

なぜ「不動産売却」しか道が残されなかったのか

競売に移行する前に、「任意売却」という道も確かに存在します。

これは、「買い手が見つかること」が大前提の時間との戦い。不動産市場は常に流動的であり、売却活動を始めたからといって、すぐに買い手が現れるとは限りません。

Aさんも、なんとか競売を回避しようと必死に売却活動を開始しました。

しかし、物件には次のような売れない理由が揃っており、買い手探しは難航します。

売却が難航した要因とは?駅から徒歩20分以上

賃貸需要において「駅距離」は大きなポイントです。

特に単身者向けの1K物件では、徒歩10分圏内か否かで反響が大きく変わります。

徒歩20分以上となると、そもそも物件検索の対象から外されてしまうこともあります。

近売却が難航した要因とは?隣に築浅・類似物件が多く競争が激しい

エリア内には、同じような間取り・賃料帯の築浅アパートが多数存在。入居希望者はより新しく、設備の整った物件を選ぶ傾向にあるため、Aさんの物件は見向きもされない状況でした。

賃料が下落傾向にあり、収益性が低い

周辺相場が下がっているなか、想定よりも1.5万円ほど賃料が低下しており、満室でも十分なキャッシュフローが見込めない計算に。

収益物件としての魅力が乏しく、投資家からの評価も厳しいものでした。

フルローンのため価格交渉に応じづらい

Aさんは物件価格全額を借り入れて購入していたため、売却価格を安くする余地がほとんどない状況でした。

本来なら柔軟な価格交渉ができれば買い手も見つかりやすくなりますが、残債が大きく、その余裕すらありませんでした。

苦渋の決断:大幅値下げでの売却

このように、物件の「立地・競争・収益性・価格の硬直性」という複合的な要因が重なり、売却活動は長期化。
タイムリミットが迫るなか、競売だけは避けたいという一心で、Aさんは最終的に市場価格を大きく下回る価格での売却を決断します。

しかしそれでも、残債すべてを清算するには至らず、差額分は個人保証として残ることに。

つまり、物件を手放してもなお、「借金だけが残る」厳しい現実に直面したのです。

空室リスクに強い物件を選ぶポイント

Aさんのような失敗を避けるには、「空室になりにくい物件とは何か?」を事前に見極めることが大切です。

以下のような視点を持ちましょう。

「立地力」=最重要の判断基準

アパート経営において、立地は命です。具体的には:

・駅から徒歩10分以内

・コンビニ・スーパー・ドラッグストアが近い

・大学・病院・大手企業の工場など、安定した需要があるエリア

これらの条件がそろっている場所は、ターゲット層が入居しやすく、競合との差別化もしやすいのが特徴です。

「供給過多」ではないかをリサーチ

周辺に同じような新築アパートが多く建っていないか確認しましょう。

・同じ間取り・同じ築年数の物件があふれていると、家賃下落や空室リスクが急増

・管理会社や地元の不動産業者に「最近、空室が増えてないか?」をヒアリング

ネットの情報だけでなく、現地を歩いて確かめることも大切です。

想定家賃は“最悪の場合”でシミュレーション

「満室で満額の家賃がずっと続く」という前提は完全に非現実的です。

・2部屋以上が空室でも赤字にならないか?

・家賃が1万円下がっても耐えられるか?

・退去時のリフォーム費用は計算に入っているか?

冷静に“最悪のシナリオ”で試算し、それでも回るなら、堅実な投資と言えます。

管理会社は“丸投げ”でなく、比較・監督する

Aさんのように「管理会社に任せておけば大丈夫」という考えも失敗の原因になります。

・複数社に管理見積もりを出して比較

・入居募集の方法や、広告料(AD)の扱いなども確認

・定期的に管理状況の報告を受ける体制を整える

「任せっきり」ではなく、「管理させる力」もオーナーに求められます。

成功するための考え方

空室リスクに強くなるには、「儲かりそう」ではなく「リスクに耐えられるか?」を基準に考える姿勢が大切です。

・不動産投資は“事業”であり、“副業”ではない

・表面利回りより、実質利回りとキャッシュフローが大事

・「節税になる」「ローンは今がチャンス」などの甘い言葉に乗らない

・長期で安定した経営ができるかを、地に足をつけて計画することが最重要

空室率対策と賢いアパート経営のポイント

Aさんのような事例は決して他人事ではありません。アパート経営は「安定収入」の代名詞のように語られがちですが、現実には空室リスク・賃料下落・返済負担といった不確実性がつきまといます。

こうしたリスクを正しく理解し、事前に対策を講じることが、失敗しないための唯一の道です。

以下に、アパート経営で失敗を避けるために必要な視点と準備を整理しました。

空室率は常に「悲観的」に見積もる

多くの初心者オーナーは「満室想定」で収支シミュレーションを組みがちですが、それは非常に危険です。

常時1〜2割程度の空室がある前提でシミュレーションを行い、さらに家賃下落リスクも加味して収支を見ておく必要があります。

満室時しか黒字にならない投資は、すでに失敗リスクが内包されている。

賃貸需要の徹底調査

建築会社や営業担当の説明を鵜呑みにせず、自分の目と足で市場を確認する姿勢が不可欠です。

現地を歩き、不動産仲介業者にヒアリングし、「どんな人が、どのような物件を、いくらで探しているか」を具体的に把握しましょう。

複数の出口戦略を用意する

アパート経営は「始めたら終わり」ではありません。

想定外の事態が起きたとき、どのように対応できるかが勝敗を分けます。以下のような複数の「出口戦略」を、事前に検討しておくことが重要です。

・売却(タイミングと価格の目安を決めておく)

・建替えや用途変更

・借上げ(サブリース)や定期借家の活用

・民泊・シェアハウスなどの活用

無理なフルローンは避ける

フルローンは「自己資金ゼロで不動産が持てる」という魅力がありますが、その分返済負担率が高く、柔軟な経営ができません。

一部でも自己資金を投入することで、以下のようなメリットが得られます。

・月々の返済負担が軽減される

・売却時の価格交渉に柔軟に対応できる

・金融機関からの信頼も得やすくなる

管理会社の選定は慎重に

「とりあえず管理会社に任せておけば安心」と思うのは大きな誤解です。

管理手数料の安さだけで選ぶと、結果的に“空室続き”で大きな損を被る可能性があります。

以下のポイントで管理会社を比較しましょう。

・入居率・平均空室期間

・対応の早さ・柔軟性

・エリア内での実績・評判

・客付け力(広告戦略・提携業者数など)

まとめ:不動産投資は「知識と計画」がすべて

不動産投資は、きちんと計画し、リスクを管理すれば非常に魅力的な資産運用法です。

しかしながら、「空室率を甘く見る」「楽して儲かる」という幻想に飲まれると、人生を狂わせるほどの負債を抱えることになります。

投資は自己責任ですが、正しい知識と判断力を持つことで、その責任を「成功」へと変えることが可能です。

アパート経営を検討中の方は、必ず一度、悲観的な収支シミュレーションを作成し、リスクを直視した上で判断しましょう。

破産寸前の状況になる前に、早めの対策や不動産の売却相談を行うことがカギとなります。空室が続き始めた段階で専門家に相談するだけでも、打てる手は大きく変わってきます。

「想定と現実のギャップ」で苦しむ前に…

アパート経営は、うまくいけば安定した収入源になります。

しかし、今回ご紹介したAさんのように、空室が想定以上に続いたり、収支が狂ってしまったりするケースは決して珍しくありません。

「近くに大学があるから大丈夫」

「管理会社に任せているから安心」

「フルローンでも家賃収入で返せるはず」

――そう思って始めた方ほど、想定外の事態に苦しむことが多いのです。

今、すでに物件をお持ちの方も、これから検討している方も、

「本当にこのままで大丈夫?」と少しでも不安を感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

不動産投資の現場で培った経験をもとに、
「空室が出ても大丈夫な経営設計」や「今できるリスク対策」を一緒に考えましょう。

▶ ご相談は無料・秘密厳守です。
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