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不動産投資の利回りは「表面」より「実質」!高利回り物件のリスクと回避法を解説します

不動産投資の利回りは「表面」より「実質」!高利回り物件のリスクと回避法を解説します

不動産投資を始めるにあたって、最も注目される指標のひとつが「利回り」です。

ポータルサイトなどで物件を探すと、「利回り10%以上!」といった魅力的な文句が並んでおり、特に初心者の方はそうした数字に惹かれてしまいがちです。

しかし、利回りには「表面利回り」と「実質利回り」という2つの種類があり、これを正しく理解していないと、思わぬリスクに巻き込まれる可能性があります。

こちらのブログでは、不動産投資における表面利回りと実質利回りの違いをわかりやすく解説し、高利回り物件にありがちな落とし穴や、それを回避するための具体的なポイントについて詳しく紹介します。

表面利回りとは?

表面利回り(グロス利回り)とは、投資用不動産の年間家賃収入を物件の購入価格で割って算出する、もっとも基本的な利回り指標です。不動産投資における物件同士の比較や、収益性のざっくりとした目安を知るために使われます。

表面利回りの計算式:表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 購入価格 × 100

計算例:
例えば、1,000万円で購入した物件から年間100万円の家賃収入がある場合。

100万円 ÷ 1,000万円 × 100 = 10%

この場合、表面利回りは 10% となります。

注意点

表面利回りはあくまで「表面」上の数字であり、管理費、修繕費、固定資産税、空室リスク、仲介手数料など、実際の支出(運用コスト)は考慮されていません。

そのため、表面利回りだけを鵜呑みにして投資判断をするのは危険です。実際の利回りを把握したい場合は、「実質利回り(ネット利回り)」を確認することが重要です。

実質利回りとは?

実質利回り(ネット利回り)とは、家賃収入から運営にかかる各種コストを差し引いた「実際の利益」に基づいて算出される利回りのことです。表面利回りと異なり、より現実的な収益性を把握するための指標です。

実質利回りの計算式

実質利回り(%)=(年間家賃収入 − 年間経費)÷(購入価格 + 購入時諸経費)× 100
「年間経費」に含まれる主な費用:
・固定資産税・都市計画税

・管理費・修繕積立金(区分マンションの場合)

・共用部の電気代・清掃費など(戸建て・アパートなど)

・空室期間の家賃損失

・賃貸管理会社への管理委託手数料

・入退去時の原状回復・リフォーム費用

・火災保険料・地震保険料

・ローン事務手数料・保証料 など

実質利回りの重要性

たとえば、表面利回りが10%と表示されている物件でも、実際に発生する費用を差し引くと、実質利回りが6%を下回ることも珍しくありません。

これはつまり、「数字上は高収益でも、実際の収益性はそれほど高くない」というケースが多いということです。

表面利回りと実質利回りの使い分け

利回りの種類 特徴 向いている用途

・表面利回り:簡易的に算出可能。費用を含まず高く見える傾向あり。
       物件比較の第一歩としてざっくり判断する場合

・実質利回り:実際の収支を反映。投資判断により適している。
       購入を本格的に検討する段階での精査

不動産投資では「表面利回りが高い=良い物件」とは限りません。実質利回りを重視し、きちんと収支を見極めることが成功のカギです。

なぜ高利回り物件は危険なのか?

表面利回りが10%、15%を超えるような「高利回り物件」は、一見するととても魅力的に映ります。

しかし、その裏には必ずといっていいほどリスクや事情が隠れています。投資判断を誤らないためにも、以下のような注意点を知っておくことが重要です。

築年数が古く、老朽化が進んでいる

築30年、40年を超える木造アパートや古いマンションは、物件価格が安いために利回りが高く表示される傾向があります。しかし、以下のリスクを抱えている場合が多いです。

・将来的に必要な大規模修繕費用が高額

・建物の寿命が近く、長期の収益化が難しい

・見た目や設備の古さで入居者が集まりにくい

空室率が高い地域に立地

表面利回りは「満室想定」で計算されることが一般的ですが、実際には空室が多いエリアでは想定通りの家賃収入を得ることは困難です。

・地方都市や人口減少エリアでは空室リスクが高い

・家賃を下げざるを得ず、収益が目減りする可能性

・長期間の空室によって、持ち出しが発生することも

特殊な入居者層を対象とした物件

高利回り物件の中には、生活保護受給者、高齢者、外国人労働者など、特定の入居者層に特化しているものもあります。

社会的な役割もありますが、以下の点に注意が必要です。

・トラブル対応やケアが必要なケースが多く、管理負担が増える

・退去時の原状回復コストが高くなる傾向

・家賃滞納や契約トラブルが起きやすい

地盤・災害リスクの高い地域に所在

地盤が弱いエリアや、洪水・土砂災害のリスクが高い地域では、物件価格が安く設定されやすく、それによって表面利回りが高く見えるケースがあります。

・災害発生時に資産価値が一気に下落

・修繕費や保険料が高く、収支が悪化しやすい

・候補者がリスクを敬遠し、空室が長期化する可能性

数字の裏に「理由あり」

高利回り物件は、たしかに収益性が高いように見えます。

しかし、「なぜこの物件はこんなに利回りが高いのか?」という視点を持つことが大切です。

数字だけに飛びつかず、リスクや管理の手間も含めて慎重に判断するようにしましょう。

高利回り物件の「罠」を見抜くチェックポイント

高利回り物件は、収益性が高く見える反面、「数字にだまされて失敗する」リスクもあります。

そこで、購入前に必ずチェックしておきたいポイントを4つに絞ってご紹介します。

これらを確認することで、表面的な利回りに惑わされず、安全性の高い投資判断が可能になります。

想定家賃が相場と合っているか

販売資料に記載されている想定家賃が、実際の相場と乖離していないかを必ず確認しましょう。

・不動産ポータルサイトで、近隣の同条件の物件と比較

・築年数・間取り・駅距離なども加味して、リアルな相場感をつかむ

相場より高い家賃が前提になっている場合、その利回りは「絵に描いた餅」になりかねません。

空室率と稼働状況を確認

「現在入居中」や「満室稼働中」と書かれていても、過去の空室期間や入退去の頻度を確認することが重要です。

・直近の空室履歴や平均入居期間を確認

・賃貸管理会社に過去の稼働状況レポートを依頼できる場合もある

・更新率や再契約率も見れば、長期入居のしやすさが分かる

特に、単身者向け物件は回転が速く、空室リスクが高くなりがちです。

修繕履歴と今後の修繕計画

築古物件では、今後の修繕リスクが収益に直結します。見た目が綺麗でも、「大規模修繕が未実施」の可能性も。

・屋根、外壁、防水、給排水管の修繕履歴を確認

・修繕積立金の有無や残高も要チェック(特に区分マンション)

・修繕予定がある場合は、将来的な出費として利回りに織り込む

「安いと思ったら、すぐに数百万円の修繕費がかかった」というケースも珍しくありません。

地域の人口動態と需給バランス

不動産投資は立地が9割。将来の入居需要を見極めることが、長期的な収益安定のカギです。

・人口動態(増加 or 減少)**を自治体の統計や国勢調査で確認

・駅距離、バス便の利便性、スーパー・病院などの生活インフラの充実度

・大学、工業団地、病院など、入居ニーズを生む施設の有無

人口減少エリアや、公共交通が不便なエリアは、将来的な空室リスクが高くなりやすいです。

高利回り物件こそ「冷静な目」が必要

高利回りという言葉に惹かれてしまいがちですが、そこに潜むリスクを正しく見抜けるかどうかが、投資の成否を分けます。

今回、ご紹介した4つのチェックポイントをもとに、「なぜこの物件は高利回りなのか?」を徹底的に分析することが、後悔しない投資への第一歩です。

実質利回りを上げるための工夫と対策

表面利回りが高くても、実質利回りが低ければ手元に残る利益は少なくなります。

では、どうすれば実質利回りを向上させ、安定した収益を確保できるのでしょうか?

以下に、投資家が実践すべき具体的な工夫と対策を紹介します。

管理会社の選定にこだわる

物件管理は、収益性を大きく左右する最重要ポイントです。

・空室対策のノウハウを持っているか

・入居者とのトラブル対応は迅速か

・退去時の原状回復や募集活動の質はどうか

手数料が安いからといって選ぶと、結果的に空室が長引いたり、対応が遅れてクレームが増える可能性があります。
対応力・提案力・入居付けの実績を重視して、信頼できる管理会社をパートナーに選びましょう。

長期入居者をターゲットにした物件選び

実質利回りを安定させるには、入退去によるコスト(リフォーム・広告費・空室損)を最小限に抑えることが大切です。

そのためには、長期入居が期待できる層を意識した物件選びが有効です。

・ファミリー向けの2LDK~3LDK

・駅からやや遠くても、周辺にスーパーや学校がある静かな住宅地

・家賃帯が手頃で、地域の所得層とマッチしているエリア

これらの物件は、単身者向けワンルームに比べて入居期間が長く、安定した収入を得やすい傾向があります。

定期的なリフォームで価値を維持

築古物件でも、適切なリフォームによって競争力を維持・向上させることができます。

・内装のデザインをトレンドに合わせて刷新

・古い設備を交換して「築年数の印象」を和らげる

・原状回復に加えて**バリューアップ工事(アクセントクロス・照明・宅配ボックス等)**も検討

空室期間を短縮し、家賃を下げずに次の入居者を確保することができれば、実質利回りは着実に向上します。
また、物件の印象が良くなることで、長期入居にもつながる好循環が生まれます。

表面利回りに惑わされない投資判断を

「表面利回りが高い=お得な物件」とは限りません。
表面利回りはあくまで理論上の数字であり、実際の収益性を保証するものではないことを忘れてはいけません。

特に、高利回りをうたう物件ほど、老朽化・空室リスク・特殊な入居者層・立地の問題など、数字の裏にリスクが潜んでいるケースが少なくありません。

だからこそ、見かけの利回りに飛びつかず、以下のような冷静な視点を持つことが重要です。

・想定家賃は現実的か

・空室率や入退去履歴はどうか

・修繕の必要性はあるか

・地域の将来性は見込めるか

こうした情報を丁寧に調べ、実質利回りを見据えた堅実な判断が、投資の成否を分ける鍵となります。

「表面利回り」にだまされていませんか?実質利回りを知らずに物件を買うのは危険です!

「この物件、利回り10%以上で超お得!」
そんな広告を見て、つい飛びつきそうになったことはありませんか?

でもちょっと待ってください。
その「10%」は本当に儲かる利回りでしょうか?

不動産投資では、物件価格に対する年間賃料収入の割合を示す「表面利回り」だけでなく、
実際に手元に残るお金を考慮した「実質利回り(ネット利回り)」の確認が欠かせません。

高利回り物件には、思わぬ落とし穴やリスクが潜んでいることも…。
「管理コストが高い」「空室率が想定以上」「修繕費がかさむ」など、
買ってから後悔しないためには、利回りの正しい見方とリスク回避の方法を知る必要があります。

本記事では、
✅表面利回りと実質利回りの違い
✅高利回り物件にありがちなリスク
✅収支シミュレーションのコツ
✅実際に相談を受けた失敗・成功事例

などを解説予定です。

現在、不動産投資や利回りの見方についてお悩みの方、
「この物件って買いなの?」と迷っている方からのご相談も受け付けています。

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