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都心中古マンション「売り出し価格」高騰の罠:成約鈍化が告げる「バブルの踊り場」と賢い売却戦略

都心中古マンション「売り出し価格」高騰の罠:成約鈍化が告げる「バブルの踊り場」と賢い売却戦略

あなたのマンション、本当にその価格で売れますか?

「隣の部屋が1億円で売り出されているから、うちは1億500万円でいこう」

「ニュースで都心マンション価格が過去最高を更新と聞いた。今ならいくらでも高く売れるはずだ」

もしも、このように考えて売却活動を始めようとしているなら、少し立ち止まってください。
現在の都心の不動産市場には、かつてないほどの「不気味な歪み」が生じています。

タイトルにもある通り、「売り出し価格の上昇」と「成約の鈍化」

この一見矛盾する現象が意味するのは、市場のエネルギー切れです。売主の期待値(売り出し価格)と、買主の現実(成約価格)のギャップが限界まで拡大しています。

こちらのブログでは、不動産業界の裏側にある「成約価格こそが真の相場」という鉄則を軸に、このギャップが拡大する局面で売主が取るべき最高の戦略を徹底解説します。

【2026年2月最新:都心不動産市場の分析データ】

本記事は、2026年2月時点の港区・都心マンション市場における最新の売り出し事例(三田ガーデンヒルズ パークマンション 22億円、THE ROPPONGI TOKYO 18億円)および、それらに伴う実質利回り1.17%という歴史的低水準データを基に構成されています。

市場の歪みに関するQ&A

★なぜ売り出し価格は上がるのか?
直近の高値購入層による「諸経費+利益」の上乗せ、および新築価格の高騰に引きずられた「売主の期待値」が反映されているためです。

★なぜ成約件数は鈍化しているのか?
住宅ローン金利の上昇により、買主の借入可能額が限界(天井)に達し、売主の希望価格との「ミスマッチ(ギャップ)」が拡大しているためです。

第1章:数字に騙されるな!「売り出し価格」高騰の正体

テレビやネットで踊る「マンション1億円突破」のニュース。
その数字の正体は、実は売約済みの価格ではなく、サイトに載っているだけの「売り出し価格(希望価格)」です。

期待値だけが膨らむ今の市場には、売主が陥りやすい「3つの罠」が潜んでいます。ニュースの表面だけを信じて売り出すと、大きな後悔を招きかねません。

1.1 新築マンション価格に引きずられた「連れ高」

現在、都心の新築マンションは建築資材の高騰と用地取得競争により、一般の会社員では到底手の届かない「億ション」が当たり前になりました。

中古マンションの売主は、これを見て「新築があれだけ高いなら、築浅のうちの物件もこれくらいで売れるだろう」と価格を釣り上げます。

これが「売り出し価格」高騰の正体です。

しかし、それはあくまで売主側の「都合」であり、買主側の「購買力」を反映したものではありません。

1.2 「損をしたくない」売主心理の増幅

最近の売却現場では、購入時のコストに利益を乗せた「絶対に損をしない価格」が目立ちます。

しかし、それはあくまで売主側の家計事情。市場価値を無視した「この価格以下では売らない」という強い固執が、実態を伴わない高値物件を量産し、成約を遠ざける最大の原因となっています。

1.3 媒介契約を取りたい不動産業者の「高値査定」

不動産仲介業者は、あなたから売却の依頼(媒介契約)を取るために、わざと高めの査定額を提示することがあります。

「A社は8000万円と言ったが、B社は9000万円と言ってくれた。だからB社に頼もう」という心理を逆手に取るのです。

しかし、その9000万円という数字に根拠はありますか?それは「売れる価格」ではなく、単に「あなたが喜ぶ数字」ではないでしょうか。

第2章:忍び寄る「成約鈍化」の足音

不動産価格は上がっているのに、売れている数は減っている。

これは、暴落や停滞が始まる直前に必ず現れる「踊り場」のサインです。
市場に流動性がなくなっているということは「高く出しているだけで、実は出口が塞がっている」という危機的な状況を意味しています。

2.1 買主の「住宅ローン限界点」

どんなに物件が魅力的でも、買主が銀行から借りられる金額には限界があります。

金利上昇の足音が聞こえる中、返済比率(年収に対する年間返済額の割合)は限界に達しています。

都心のペアローン世帯であっても、1億円を超える物件を検討できる層は限られてきました。買主は「これ以上は追えない」という一線に到達しているのです。

2.2 在庫件数の積み上がり

成約が鈍化すると、市場には売れ残った物件が滞留します。

東日本レインズなどのデータを見ると、在庫件数は着実に増加傾向にあります。

在庫が増えるということは、買主にとって「選べる選択肢が増える」ということであり、売主にとっては「激しい競合に晒される」ことを意味します。

2.3 投資家の「出口戦略」の変化

これまで都心マンションを買い支えてきた個人投資家や海外資本も、利回りの低下と価格の高止まりを警戒し始めています。

彼らは引き際が早く、市場が冷え込む兆しを見せると一気に「買い」を止めます。実需層(自分が住むために買う人)だけが残された市場では、爆発的な価格上昇は期待できません。

第3章:不動産業界の鉄則「成約価格こそが相場」

多くの売主様が勘違いしていますが、ポータルサイトに載っているのは単なる「言い値」です。

不動産のプロである業者は、それらの数字を相場とは呼びません。

私たちが注視するのは、実際にいくらでお金が動いたかという「成約価格」だけ。掲載価格と成約価格の間に乖離(かいり)がある今、サイトの数字を信じることは、幻想を追いかけるのと同じなのです。

3.1 「希望」と「事実」の違い

・売り出し価格: 売主の「希望」。いくらで出そうが自由。

・成約価格: 市場が認めた「事実」。銀行が融資を実行した「証明」。

不動産鑑定士や銀行の審査担当者が参照するのは、過去数ヶ月以内に実際にいくらで取引されたかという「成約事例」だけです。

1億円で売り出されていても、最終的に9000万円で成約したのなら、その地域の相場は「9000万円」なのです。

3.2 乖離率(ギャップ)が5%を超えたら危険信号

通常、売り出し価格と成約価格の差(値引き分)は3%程度と言われています。

しかし、このギャップが5%や10%と拡大している現在は、市場が「価格を拒絶している」状態です。

プロはこのギャップを見て、「あ、そろそろ価格調整が始まるな」と察知します。

第4章:「ギャップ拡大」は暴落の予兆か?

売り出し価格と成約価格の乖離(ギャップ)が広がり、成約件数が減る――。
不動産市場の歴史において、この現象は例外なく「価格下落」の先行指標となってきました。

取引が成立しなくなっているのに価格だけが上がっている今の状況は、いわば地面がない場所に道を作っているようなもの。この歪みが限界に達した時、相場は静かに、しかし確実に調整局面へと向かいます。

4.1 過去のバブル崩壊との類似点

1990年代のバブル崩壊時も、2008年のリーマンショック時も、まずは「取引数」が激減しました。

価格はすぐには下がりません。売主が粘るからです。

しかし、半年から1年ほど取引が止まった後、耐えきれなくなった売主から順に価格を下げ始め、それが雪崩を打って全体の下落へとつながりました。

4.2 2026年現在の「特殊性」

現在の市場が過去と違うのは、新築供給が極端に絞られている点です。これにより、かつてのような「大暴落」は起きにくいという見方もあります。

しかし、「価格が下がらないこと」と「あなたの物件が売れること」は別問題です。

相場全体が横ばいでも、高すぎる価格で放置された物件は、市場から「死に物件」というレッテルを貼られてしまいます。

第5章:今、売主が取るべき「勝つための3大戦略」

相場が「踊り場」にある今、売却を成功させるのは、誰よりも早く正解に辿り着いた売主だけです。

マンション売却価格の22億円や18億円といった極端な数字に惑わされず、市場の隙間を突いて最高の結果を出すための「3つの鉄則」を解き明かします。

戦略1:売り出し価格を「相場+3%」以内に抑える

あえて「相場より少し高いが、手が届く範囲」に設定します。
「1億円で売りたいから1億1000万円で出す」のではなく、「成約相場が9500万円なら、9800万円で出す」のです。

これにより、ポータルサイトの検索条件(価格帯)に引っかかりやすくなり、初期のアクセス数を爆発させることができます。不動産売却は、売り出しから2週間の「初動」が命です。

戦略2:不動産業者の「査定書」の裏を読め

業者が持ってきた査定書を見てください。「近隣の売り出し事例」ばかり並んでいませんか?

もしそうなら、その業者はあなたを喜ばせようとしているだけです。

「直近3ヶ月の成約事例」と「現在残っている在庫の期間」を問い詰めてください。

半年以上売れ残っている物件と同じような価格をつけてはいけません。それは「売れない仲間入り」をするだけです。

戦略3:内覧時の「演出(ホームステージング)」に投資する

価格のギャップを埋めるのは、最終的には「買い手の感情」です。

成約が鈍化している時期、買主は非常にシビアになります。少しでも「古い」「汚い」「暗い」と感じれば、容赦なく値切るか、他の物件へ去っていきます。

プロのクリーニングを入れ、家具配置を工夫し、モデルルームのような空間を作ることで、「この価格でも欲しい」と思わせる付加価値を創出してください。

【エリア別分析】港区・中央区・江東区で起きている「実態」

同じ「都心」でも、エリアによってギャップの中身は異なります。あなたの物件がどの立ち位置にいるか確認してください。

1. 港区:富裕層の「言い値」と実需の乖離

・現状: 最も「売り出し価格」が跳ね上がっているエリアです。坪単価1,500万円を超える超高額物件が続出していますが、成約単価との差が最も激しくなっています。

・ギャップの正体: 売り手は「円安背景の海外投資家」を狙った強気な価格設定をしていますが、実際の買い手は「国内の経営者やパワーカップル」がメイン。彼らがローン審査で弾かれるケースが増え「1平方メートルあたりの売り出し単価と成約単価の差が100万円を超えた」という衝撃的なデータも出ています。

・売主への助言: 「港区だから下がるはずがない」という過信は禁物。成約が10ヶ月連続で鈍化している今、相場を無視した物件は1年以上売れ残る「塩漬け」リスクが最も高いエリアです。

2. 中央区:新築供給過多による「中古の埋没」

・現状: 勝どき・晴海を中心とした湾岸エリアと、日本橋周辺の内陸エリアで二極化しています。特に湾岸部は、晴海フラッグなどの大規模供給の影響で、中古の在庫件数が急増しています。

・ギャップの正体: 晴海エリア等では「転売益」を狙った強気な売り出しが目立ちますが、買主側は「似たような条件の部屋が他にもたくさんある」ことを知っています。

・売主への助言: 競合が多すぎるため、価格ギャップを埋めるには「眺望」や「角部屋」といった明確な差別化が必要です。それがなければ、真っ先に「価格競争」に巻き込まれるエリアと言えます。

3. 江東区:パワーカップルの「予算上限」という壁

・現状: 豊洲・有明エリアは、これまで共働き夫婦(パワーカップル)が買い支えてきました。しかし、売り出し価格が1.2億円〜1.5億円に達したことで、世帯年収2,000万円クラスでも「手が届かない」水準になっています。

・ギャップの正体: 買主の購買意欲は高いものの、銀行の「担保評価」が売り出し価格に追いついていません。結果として、自己資金を数千万円用意できない買主が脱落し、成約が停滞しています。

・売主への助言: このエリアの買主は非常に合理的で、周辺の成約事例を精査しています。「成約価格+5%」を超えた瞬間に検討リストから外されるため、最も「誠実な価格設定」が求められるエリアです。

第6章:売却を成功させる「引き際」の判断

売り出し1ヶ月目の反応こそが、その物件に対する市場の答えです。
問い合わせや内覧がゼロ、あるいは成約に至らない理由は、単なる「運」ではありません。価格、状態、戦略のどこかに決定的な「NO」が隠れています。

不動産は「鮮度」が命です。市場からの拒絶サインをいち早く察知し、戦略を修正できるかどうかが、高値売却への分かれ道となります。

6.1 3ヶ月ルールの適用

売却活動において、最初の3ヶ月は「黄金の期間」です。

この期間に申し込みが入らないという事実は、価格が間違っているという市場からの明確な回答。この答えを無視して待ち続けることは得策ではありません。

なぜなら、時間はあなたの味方ではないからです。市場の熱が冷め、金利が上昇局面にある今、決断を先延ばしにするほど、より厳しい条件での値下げを強いられる未来が待っています。

6.2 「最初の買主」を大切にする

不動産業界には「一番最初の客を逃すな」という格言があります。

売り出し直後に来る買主は、そのエリアでずっと探していた「最も意欲の高い層」です。

彼らからの指値(値引き交渉)が入ったとき、端金(数百万円)を惜しんで断ってしまうと、その後半年間、誰からも申し込みが入らないという悲劇がよく起こります。

まとめ:賢い売主は「現実」を売る

「売りたい価格」はあなたの希望です。
「買いたい価格」は市場の現実です。

今、都心のマンション市場は、希望と現実が最も激しくぶつかり合っている局面です。このギャップが拡大している時に勝てるのは「一歩先に現実に歩み寄った売主」だけです。

高値売却のニュースに踊らされ、出口を見失わないでください。

成約価格という「真実の相場」を直視し、適切な戦略を立てること。それが、数千万円、数億円というあなたの資産を守る唯一の道です。

あなたの売却活動が、最高の結果に繋がることを心より願っています。

あなたの『売りたい価格』を、市場が『買える価格』へ最適化する。後悔しない売却戦略を共に

現在、都心マンションの相場は非常に複雑な局面にあります。
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