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住宅ローンの残債額4000万円でリースバックを利用して住み続ける事は可能なのか?を解説します

住宅ローンの支払いが厳しくなってきたけれど、「できれば今の家に住み続けたい…」と考えていませんか?
そんなときに注目される選択肢の一つが「リースバック」です。

自宅を売却して資金を得つつ、家賃を払ってそのまま住み続けられる仕組みですが、実際にはリースバックが難しいケースや、思ったよりも家賃負担が重くなるケースも少なくありません。

そこで今回は、「住宅ローン残債が4,000万円ある場合にリースバックは本当に可能なのか?」という疑問について、家賃の相場や注意点を含めて詳しく解説します。

リースバックが向いている人・向いていない人の見極めポイントもご紹介しますので、検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

リースバックとは

リースバックとは、不動産(主に自宅)を売却したあとも、そのまま同じ物件に賃貸契約を結んで住み続けられる仕組みのことです。英語では「sale and leaseback」とも呼ばれます。

🏠 リースバックの基本的な仕組み

1. 不動産を売却する
 まず、所有している自宅などの不動産を不動産会社や投資家に売却します。

2. 賃貸契約を結ぶ
 売却と同時に、新しい所有者(買主)と賃貸借契約を締結し、元の所有者はそのまま借主として住み続けることができます。

3. 家賃を支払いながら居住を継続
 以後は、買主に対して家賃を支払いながら、引っ越しせずにこれまで通り生活を続けられます。

🏠 リースバックで住み続けるための条件とは?

たとえば、住宅ローンの残債が4,000万円ある場合、物件の売却価格がそれ以上であれば、売却代金でローンを完済し、リースバックで住み続けることが可能です。

✅ 理想は「売却価格 > 残債」

例えば、住宅ローンの残債が4,000万円ある場合、物件の売却価格がそれ以上であれば、売却代金でローンを完済し、リースバックで住み続けることが可能です。

⚠ 現実には…市場価格が残債に届かないケースも

しかしながら、実際の物件価格が4,000万円に満たないことも多く、その場合は以下のような対策が必要になります。

🔍 売却価格が残債を下回る場合の対応策

1. 金融機関や債権者との協議
任意売却を検討し、金融機関に残債の減免交渉を行うことができます。
また、債権者がリースバックという形での売却・居住継続を認めるかどうかの確認も重要です。

2. 残債の分割返済などの方法を確保
売却後に残ったローンは、分割払いや別途返済方法を金融機関と調整することになります。
この際、家賃負担と返済計画の両立が必要になります。

💰 リースバックの家賃はどう決まる?4つのポイント

リースバックでは、売却後もそのまま住み続けられますが、その代わりに家賃の支払いが発生します。

その家賃はどのように決まるのでしょうか?主に次の4つの要素が影響します。

🧮 物件の売却価格に基づく計算

一般的に、リースバック家賃は売却価格の6~12%が年間家賃の目安とされています。

📌 例:売却価格が4,000万円、年間家賃8%の場合

年間家賃:4,000万円 × 8% = 320万円

月額家賃:320万円 ÷ 12 = 約26.7万円

この計算は、物件価格が高いほど家賃も高くなる仕組みです。

このように、リースバックの家賃は市場の賃貸物件よりも高くなるケースが多いため、事前に家賃負担のシミュレーションがとても重要です。

🏢 業者によって異なる家賃設定の方針

リースバックを提供する業者によっては、家賃の設定方針が大きく異なることがあります。

たとえば…

✅ 長期居住を前提とする場合
安定した賃料収入を長く確保できることから、家賃を割安に設定するケースがあります。
高齢者の終の棲家として利用されることも多く、長期入居を歓迎する業者はこの傾向が強めです。

⚠ 短期利用を想定する場合
再販売や別用途での利用を視野に入れている業者は、短期間での収益性を重視するため、家賃をやや高めに設定することがあります。

こうした違いがあるため、リースバックを希望する際は「どの業者に依頼するか」が非常に重要な判断材料になります。

・長く住みたいのか

・一時的な資金調達が目的なのか

・売却価格と家賃のバランスをどう取りたいのか

といった自身の希望や状況に応じて、信頼できる業者を慎重に選びましょう。

💰なぜリースバックの家賃は高くなるのか?

リースバックは「自宅を売却したあとも、同じ家に住み続けられる」というメリットがある反面、家賃が一般的な賃貸住宅よりも高くなるケースが多いのが実情です。

その理由は、いくつかの要因が重なっているためです。

投資利回りを確保する必要があるため

リースバックを提供するのは、不動産会社や投資家などの事業者です。

彼らは物件を購入する際に「投資」として判断しており、物件購入額に対して一定の利回り(年6〜12%程度)を見込んで家賃を設定します。

👉 例えば、3,500万円で購入した物件に対して年8%の利回りを求めるなら、年間家賃は280万円(月約23.3万円)になります。

一般の賃貸と異なり「居住継続の特別性」があるため

リースバックは、元の所有者が引っ越さずにそのまま住み続けられるという“特別なメリットがあります。

この「立ち退き不要・生活環境の変化なし」という利点の対価として、プレミアムが上乗せされることがあるのです。

家賃滞納や原状回復リスクも考慮されているため

リースバック利用者は、住宅ローンの返済が難しくなった人も多く、家賃滞納のリスクが高いと見なされる場合があります。

また、将来的な退去時の原状回復費用も含めて、あらかじめ高めに家賃を設定する業者も存在します。

短期契約・買取リスクも織り込み済み

リースバックは長期契約が保証されていないことも多く、短期間で空室になるリスクがあります。

さらに、再販が難しい物件や相場より高値で購入した物件では、その分を家賃に反映して回収しようとする傾向もあります。

家賃の高さには理由がある

リースバックは「住み慣れた家に住み続けられる安心感」を買う仕組みでもあります。

そのため、通常の賃貸住宅とは異なるコスト構造になっていることを理解し、事前にしっかりと家賃をシミュレーションしておくことが大切です。

🏠リースバックに向いているのはどんな人?

リースバックは「自宅を売却して現金化しつつ、そのまま住み続けられる」という特殊な仕組みです。

すべての人にとってベストな選択肢とは限りませんが、特定のニーズや事情を抱える方にとっては、非常に有効な解決策となることがあります。

こんな方にリースバックは向いています

・住宅ローンの返済が苦しいが、今の家から離れたくない方
 → 引っ越しせずに住み続けながら、ローン返済の負担を軽減できます。

・離婚や相続で名義変更が必要だが、しばらく住み続けたい方
 → 所有権の整理と居住継続を同時に進められます。

・高齢で将来的に施設への入所を予定しているが、時期がまだ決まっていない方
 → 入所までの間、安心して自宅に住み続けられます。

・事業資金や医療費など、急にまとまった現金が必要になった方
 → 自宅を売却することで、短期間で資金を確保できます。

リースバックは“資産と住まい”を整理するための手段

リースバックは単なる延命策ではなく、将来を見据えたライフプランの一環として活用されるケースが増えています。

「今の暮らしを維持しながら資金面の課題をクリアしたい」──そんな方にとって、リースバックは現実的かつ柔軟な選択肢となり得ます。

❌リースバックに向いていない人の特徴とは?

リースバックは便利な仕組みですが、すべての人にとって最適とは限りません。

以下のような状況に当てはまる方は、リースバック以外の選択肢(任意売却・住み替え・資金調達の再検討など)も含めて慎重に検討する必要があります。

住宅ローンの返済額よりも家賃の方が高くなる人

リースバック後の家賃は月額20〜30万円以上になることもあり、住宅ローン返済よりも負担が大きくなるケースがあります。
→ 月々の支出を減らしたい人には不向きです。

売却価格がローン残債を下回る人

たとえば、住宅ローン残高が4,000万円あるのに対し、物件の査定額が3,000万円の場合、1,000万円の差額が残債として残ります。この差額をどう処理するかが重要です。

・金融機関と任意売却の交渉が必要になる

・リースバック自体を金融機関が認めない可能性もある

→ 債権者の許可が得られない限り、リースバックは実現できません。

任意売却の対象となる状況の人

すでに住宅ローンの延滞が続いている方や差押えが入っている方は、まず任意売却や債務整理が優先されるべきです。

→ リースバックはある程度自分で売却を主導できるタイミングで行うべき選択肢です。

将来的に買い戻す予定がない人で、住み続けたい人

リースバックは一時的に住み続ける手段であり、「ずっと住み続けられる保証」はありません。
契約更新ができない、家賃が上がる、買い手が物件を売却するなどのリスクがあります。

→ 長期的にその家に住み続けたい方には向いていない可能性があります。

🏠リースバック後に家を買い戻すことはできるのか?

リースバック契約においては、買い戻しの特約(再取得権)を付けることで、将来的に物件を再び自分の所有に戻すことが可能です。

ただし、全ての業者が買い戻しに対応しているわけではなく、契約前に必ず確認が必要です。

買い戻しの主な条件

✅ 事前の契約に「買い戻し権」が明記されていること
買い戻しを希望する場合は、リースバック契約時にその旨を盛り込んでおく必要があります。

✅ 買い戻し価格の設定
一般的には、売却時の価格に一定の上乗せ(例:年利5〜10%など)を加えた金額が買戻し価格になります。
例:3,500万円で売却 → 3年後の買い戻し:3,500万円 ×(1+10%×3年)= 4,550万円前後

✅ 一定期間内に買い戻すこと
多くの契約では、2年〜5年以内など、買い戻し可能な期間が定められています。

買い戻しのリスク・注意点

・買い戻し価格が高額になる可能性がある
 → 利息や手数料が加算されるため、数年後には売却時よりかなり高くなることも。

・資金調達の難しさ
 → 再購入時には、ローン審査や自己資金の準備が必要になるため、確実に買い戻せる保証はありません。

・業者によって買戻しに応じないケースもある
 → 投資家が買主となる場合などは、そもそも買い戻し不可の契約もあります。

まとめ

リースバックは、「自宅に住み続けたいけれど住宅ローンが払えない」人にとって有効な選択肢の一つです。

ただし、売却価格が残債を下回る場合は利用が難しかったり、家賃が高額になることがあるため、慎重な判断が必要です。

また、リースバックよりも条件がよく、負担の少ない売却方法が見つかるケースもあります。

住宅ローンの返済のみが債務という方が、任意売却をしてリースバックを利用して住み続けるには残債が極端に少なくなければ家賃設定が高くなるという矛盾点があり、リースバックの家賃が払えないくなるというリスクが生じます。

無理に「住み続ける」ことにこだわるよりも、今後の生活を立て直すための柔軟な選択をすることが、結果的に幸せな暮らしへの近道となるかもしれません。

「その家、本当にリースバックが最善ですか?」

リースバックで悩む前に、一度ご相談ください。
当社では、住宅ローン残債が多い方や、住み続けたいという想いを持つ方のために、「本当に負担の少ない売却方法」をご提案しています。

無理のない住み替えプラン、任意売却、通常売却…状況に応じた最適な方法をご案内いたします。

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