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【不動産売却】市街化調整区域の不動産は住宅ローンが利用できないの?

今回は「市街化調整区域の不動産は住宅ローンが利用できないの?」のお話です。

市街化調整区域は市街化を抑制されている地域であり建物の建築に制限があります。

ネット上のサイトによっては「市街化調整区域の不動産は住宅ローンが組めない」と勘違いするような内容が記載されていますが、実際は全く住宅ローンが組めないということはなく物件や地域、金融機関によっては融資審査が厳しくなるということです。

それでは市街化調整区域の不動産が住宅ローンが組めないかを説明しますので参考にして下さい。

市街化調整区域の不動産売却を考えている方も売却する不動産が住宅ローンが組めるか組めないかで売却の方向性が変わってきますので頭の片隅に置いて下さいね。

市街化調整区域とは

市街化調整区域とは市街化を抑制する地域として開発行為・建築行為が抑制されている地域です。

基本的には建築や開発行為が制限されているのですが、都市計画法・農地法の制限や条件がクリアできる不動産については建築・開発が許可させることになります。

条件や制限については各自治体によって若干の違いがありますが、基本的には都市計画法・農地法の制限内と思って下さい。

市街化調整区域の不動産の評価額は、一般的な建築物が建てられるか否かで全く違います。

建物が建築できる不動産の方が評価が高く地域によっては市街化区域の不動産に近い売買価格になります。

この評価額も住宅ローンが組める不動産にとっては大切な要素となります。






市街化調整区域では住宅ローンが組めないの?

本題の「市街化調整区域では住宅ローンが組めないの?」ということですが、市街化調整区域の不動産でも住宅ローンは組めます。

筆者本人も住宅ローンを組んで市街化調整区域の土地を購入して建物を建築して20年以上住んでいます。

とは言っても、どのような金融機関が柔軟に対応するのか、又はどのような物件でも住宅ローンが組めるのかというとそうではありませんの注意して下さい。

金融機関が融資の審査をする際、担保となる不動産の価値・評価をもとに融資可能額を決めます。

万が一、債務者が住宅ローンの返済が不可能をなった時に金融機関は回収不能となった債権を担保不動産を処分することによって回収することになります。

その場合、担保となる不動産の評価が著しく低いと処分しても回収できません。

一般的に市街化調整区域の不動産は市街化区域の不動産を比べると評価が低いので、住宅ローンを貸す側の金融機関としては慎重に審査をします。

このように担保評価の低い市街化調整区域の不動産は金融機関によっては融資条件を厳しくするか全く融資をしないということもあるので注意しましょう。

市街化調整区域のどのような不動産であれば住宅ローンは組めるの?

市街化調整区域の不動産で住宅ローンが組める第一の条件は「誰にでも建築ができる物件」であることです。

市街化調整区域の不動産で誰でも建築ができる物件で分かり易いのは、市街化調整区域になる前から地目が宅地であった不動産ですね。

キャリアのある不動産営業の方は通称「既存宅」と言われる既存宅地の事ですね。

厳密に言うと既存宅地という制度は廃止されているので、市街化調整区域になる前から宅地であった不動産であっても開発許可を取得しなければならないことになっています。

「誰でも建築できる物件」のもう一つは属人性が解除された宅地の物件ですね。

属人性とは、その物件の開発行為・建築が許可される人が限られている事です。

例えば、分家住宅として建築した建物は本来であれば建築ができない農地に居住用の建物を建築して本人が20年以上居住していると属人性が解除されます。

属人性が解除されると、それまでは本人か親族しか開発許可・建築ができない不動産が「誰にでも建築ができる物件」できる状態になります。

このように「誰にでも建築ができる物件」であることが、一般的な金融機関が住宅ローンの審査受け付けたり融資する最低限の条件となります。

金融機関によって市街化調整区域の不動産では住宅ローンは融資できない事はあるの?

市街化調整区域の不動産は金融機関によって評価が低く住宅ローンの審査・融資が厳しくなります。

有名で大きな金融機関だからといって市街化調整区域の不動産に住宅ローンの融資をするわけでもありませんので、市街化調整区域の不動産を購入・建築する時には事前に金融機関に確認をした方が良いでしょう。

地元の信用金庫や地方銀行は柔軟に対応します

市街化調整区域の不動産を購入して住宅ローンを組む際に検討すべき金融機関は、地元の信用金庫や地方銀行が良いでしょう。

前記した「誰にでも建築ができる物件」という事が大前提になることは間違いないと思います。

市街化調整区域に一定期間以上親族が居住している事が条件で宅地以外の不動産に建築ができる地域(都市計画法第34条12号)の住宅ローン融資については農協(JAバンク)に相談すると良いでしょう。

市街化調整区域の不動産に住宅ローンを融資しない金融機関

金融機関によっては市街化調整区域の不動産自体を取り扱わないと決めている場合があります。

ネット銀行は低金利の住宅ローン融資をしていますが、市街化調整区域の不動産については審査すら受け付けしないことも珍しくありません。

低金利のネット銀行で住宅ローンを組む事を前提にしている方には市街化調整区域の不動産購入は不向きかもしれません。

不動産会社が市街化調整区域を買い取る場合での融資が難しい場合もあります

不動産買取会社が市街化調整区域の不動産を買い取って造成・分譲する場合、金融機関によっては仕入融資(プロジェクト融資)の審査が厳しくなったり融資をしない場合もあります。

住宅ローンと同様に担保評価の審査が厳しくなるためで、万が一の時に債権回収ができなくなる恐れがあるからです。

まとめ 

市街化調整区域の不動産は住宅ローンが組めるか否かのポイント「誰にでも建築ができる物件」という事です。

市街化調整区域の不動産であっても開発行為ができて誰にでも建築ができるのであれば住宅ローンを組むことはできます。

しかし、住宅ローンを組むにあたって条件があり「誰でも建築ができる物件」が最低条件となります。

「誰でも建築できる物件」は、地目が市街化調整区域になる前から宅地であることです。

市街化調整区域になった後に畑から宅地に地目変更したとしても開発許可を取得して建築をして20年経過した物件であれば制限なく「誰でも建築できる物件」になっているケースもあります。

各金融機関によって市街化調整区域に対する担保評価や対応が違うため住宅ローンを融資する際の審査は厳しくなったりします。

しかし、決して市街化調整区域の不動産について住宅ローンを組むことができないこともないですし、融資をする金融機関の中で有利な条件(優遇金利・期間等)で貸し出す先を探しましょう。

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