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市街化調整区域の農地を売却する時の基礎知識

市街化調整区域の農地を売却する場合は、都市計画法と農地法の知識がなければ容易ではありません。

都市計画法では、どのような開発行為の許可が下りるかが分からなければなりませんし、農地法の観点からは農地転用が可能なのかや田・畑の地目が変更できるのかを確認しどのように売却できるかが変わってきます。

農地の種類・農地転用・その他、農地についてお話をしますので市街化調整区域の農地を売却する事を検討している方は参考にして下さい。

立地基準とは

立地基準とは、転用や売却しよう検討している農地の場所や、その周辺の市街化の状況に応じて農地を5つに区分して、それぞれの区分によって許可要件を定めたものです。

農地の規模やインフラ・公共施設の有無によって5種類に区分して転用許可の基準を定めています。

これからは5つの農地区分の説明を記載しますので参考にして下さい。

5つの農地区分

農地は、所在する位置や営農条件から判断して5種類に区分されています。

この5種類の農地によって農地転用の許可の基準が異なります。特に市街化調整区域の農地を売却しようと考えている方は農地区分・許可基準を知っておいてください。

農振農用地区域内農地(青地)

農振農用地区域内農地とは、農地法に基づき市町村が定める農業振興地域整備計画において、農振農用地区域とされた区域内の農地を指します。

この農地は、一般的に青地と言われていて農地として利用する事を優先されているために原則農地転用は不可ですが農地転用するためには農振除外の手続きが必要です。

甲種農地

甲種農地(白地)は、市街化調整区域内の「農業振興地域内農地区域外農地」のことをいいます。

農業公共投資の対象となった8年以内の優良農地で、高性能な農業機械による営農が可能な立地条件を備えた農地となります。

前記の青地とは違って農用地区域に入っていない農地となり規制は比較的緩くなっていますが、原則農地転用は不可となります。

第1種農地

第1種農地は、一団の農地で良好な営農条件を備えている10ヘクタール以上の規模の農地です。

土地改良事業として農業目的を持って耕作者のために行われる地域として生産性の高い良好な農地です。

前記の通り、良好な農地ですので農地転用は原則不可ですが、例外的に農地転用が認められることがあります。

第2種農地

第2種農地とは、市街化の区域内又は市街化の傾向が著しい区域内にある農地に隣接する区域で、その他市街化区域が見込まれる区域内の農地です。

第2種農地の規模は10ヘクタール未満であり、駅や公共施設から500m以内の農地であることが条件となります。又、生産性の低い事も条件となります。

第2農地は、農地転用許可については近隣の土地で替える事ができない土地がある場合に許可となります。

第3種農地

第3種農地とは、市街化の区域内又は市街化の傾向が著しい区域にある農地です。

第3種農地は、インフラ整備がなされ、概ね500m以内に2つ以上の教育施設や医療施設等の公共施設があり、駅や役所から300m以内の区域内にあります。又、宅地化率が40%以上で用途地域が定められている地域の農地となります。

農地転用については、原則可能となります。

農地として売却する

農地として売却する場合には様々な制限があります。

「一般の方」でも農業してみたいという方もいますし、後継ぎ問題で農業をやめたいという方には誰でも良いから売却したいと考える方もいるでしょう。

しかし、市街化調整区域では農地によって誰にでも農地として売買できる訳ではありません。

農業従事者

農家の定義は「経営耕作地面積が10アール以上の農業を営んでいて農産物販売金額が年間15万円以上あることとされています。

元々、広大な農地を持っている農業従事者が改めて農地を購入するかと言うと、そんなに多くのはないというのが現実です。

新規で農家資格を取得して農業従事者として農地を購入する際は資格取得まで数年掛かる場合がありますので注意して下さい。

農地転用をして売却する

農地転用とは、地目が田や畑の農地を宅地・山林・雑種地に地目変更する事を言います。

農地転用をする場合は上記の立地基準の農地区分と一般基準を満たさなければなりません。

一般基準とは、転用事業が確実に行われる事や周辺農地に対する影響による許可の基準です。

具体的に、農地転用の理由が事業であれば予定ではなく確実に行われる事です。又、農地を転用したことによって周辺の農地が良好な営農が継続できるかという事が判断できるかです。

農地転用の申請について

市街化調整区域の農地転用については専門的な知識を持っていなければできませんので行政書士に依頼しましょう。

市街化区域の農地転用は届出で済むので不動産会社でも行う事はできますが、市街化調整区域の場合は農地転用の許可申請となりますし、各自治体によって判断基準に若干の違いがあるので農地転用をする地域に精通している行政書士に相談する事をお勧めします。又、地目変更については土地家屋調査士の手続きになります。

農地転用がしやすい土地って、どんな土地?

市街化調整区域の土地で農地転用がしやすい土地というと一概には言えませんが、一般的には県道や国道に面している土地であったり、市街地に近い土地が転用しやすいです。

見渡す限り田んぼという土地(青地がこのような風景である場合が多くあります)で接道が無い場合は農地転用が困難となります。

高速道路のインターチェンジ付近や流通団地付近では、物流総合効率化法により本来であれば市街化調整区域では建築が困難な物流倉庫の建築が可能となります。

自治体によってはホームページで規制緩和をしている地域の情報を公開していますので確認してみて下さい。

まとめ

市街化調整区域の農地を手放したいと考えていても売却できないと思い込んで諦めている方が多くいます。

農地区分や不動産の所在する地域によって農地転用の難易度が変わってきますが、絶対に売却ができないという事はありませんので、ご自身が所有している不動産の農地区分を調べて農地転用の難易度を知っておいたうえで売却を検討してみると良いかもしれません。

市街化調整区域の農地は「売却できない」ではなく、正しい知識と適切な知識を持っている専門家のサポートにより売却できる可能性が高まります。

市街化調整区域の農地を売却したいと思っている方はお気軽にご相談下さい。

さいたま市桜区のワイズエステート販売株式会社は不動産売却に特化しています。

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