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【市街化調整区域の不動産を売却する方は必見】都市計画法の立地基準について説明します

市街化調整区域では建物を建築したり開発行為を行う事が厳しく制限されています。

しかし、都市計画法第34条で立地基準が定めれて無秩序な市街化を防ぎつつ許容できる範囲で建築・開発ができる例外基準が定められています。

その立地基準については1~14号まで定められていますので、本ブログでは分かり易く説明しますので参考にして下さい。

都市計画法第34条第1号の概要と具体例

市街化調整区域であっても、その地域に住む人々が健全な日常生活を営むためには、必要な施設を適切に整備することが重要です。

このため、法律第34条第1号では、公益性のある建築物や施設に限り開発行為を許可することが認められています。

公益上必要な建築物とは

本号で対象となる建築物としては、地域住民の日常生活を支える公共性の高い施設が想定されています。具体的には、以下のような施設が挙げられます。

●保育所や学校:地域の子どもたちが利用する教育機関。ただし、大学や専修学校、各種学校は含まれません。

●診療所や助産所:周辺住民が医療や介護を受けられる施設。

●社会福祉施設:通所型や入所型の施設で、福祉事業や更生保護事業に関連するもの。特に、地域住民やその家族が利用するための施設が対象です。

生活関連店舗や施設

地域住民の利便性を高めるために必要とされる店舗や施設も、条件を満たす場合には許可される可能性があります。例えば以下のようなものです。

●日用品の小売店舗:食料品や生活必需品を扱う店。

●修理業や理美容業:靴や家電の修理、理容室や美容室など。

●自動車関連施設:自動車修理工場、地域住民向けのガソリンスタンドやLPGスタンド。ただし、高速道路沿いなど地域住民を主な対象としないものは除外されます。

●農林漁業関連施設:農機具修理や農家の生活改善施設など。

ただし、これらの施設は周辺住民を主なサービス対象とすることが条件であり、規模が大きすぎる店舗などは原則として認められません。

小規模な建築物の特例

さらに、以下の条件を満たす小規模な店舗や事業所については、開発許可が不要となります。

●建築物の延べ面積が50㎡以下。

●建築物全体の延べ面積の50%以上が、販売、加工、修理といった業務の用途に供されていること。

●当該建築物の建築が、地域住民自身の事業活動のためであり、規模が100㎡以内であること。

このような要件を満たす開発行為については、法第29条による開発許可を取得する必要はありません(都市計画法第9条第1項第1号および施行令第22条第6号に基づく)。

都市計画法第34条第2号

都市計画法第34条第2号では、市街化調整区域内に存在する鉱物資源や観光資源などを有効活用するために必要な建築物を目的とした開発行為が許可されます。

これは、資源の有効利用が地域振興にとって重要であり、またその利用場所が明確に特定されるため、無秩序な市街化を引き起こすリスクが低いと判断されたためです。

鉱物資源の利用に必要な建築物

「鉱物資源の有効な利用上必要な建築物」とは、以下のような用途に供されるものを指します。

●採掘や選鉱、品位向上処理:鉱物の質を高めるための作業を行う施設。

●密接不可分な加工:採掘や選鉱と密接に関連する加工施設。

●探鉱作業や地質調査:地質調査や物理探鉱などの鉱山開発に関する施設。

具体例としては、日本標準産業分類における「鉱業(D分類)」に該当する事業や、市街化調整区域で産出される原料を活用する以下の事業が挙げられます。

●セメント製造業

●生コンクリート製造業

●粘土かわら製造業

●砕石製造業

一方で、鉄鋼業や非鉄金属製造業、石油精製業、コークス製造業などの「製造業(F分類)」に該当する事業は、この項目には含まれません。

観光資源の利用に必要な建築物

「観光資源の有効な利用上必要な建築物」には、以下のような施設が含まれます。

●展望台:観光資源の鑑賞を目的とする施設。

●宿泊施設や休憩施設:観光資源の価値を維持し、利用を促進するために必要とされる施設。

これらは、客観的に見てその資源の活用や価値維持に不可欠であると認められるものに限られます。

その他の資源の利用に必要な建築物

「その他の資源」としては水が挙げられます。以下のような施設が該当します。

●取水施設

●導水施設

●利水施設

●浄化施設

ただし、水を原料や冷却用水として利用する工場などは原則として該当しません。しかし、例外として、取水した水をその地域内で使用する特別な必要性が認められる場合は、本号の適用対象となる場合があります。

このように法第34条第2号は、地域振興や資源活用を考慮しつつ、市街化調整区域の秩序ある開発を促進するための枠組みを提供しています。

立地の必然性(場所的限定性)

これらの資源は特定の場所にしか存在せず、その利用には「その場所でなければならない」という明確な必然性があります。

秩序ある土地利用の維持

利用場所が資源の存在地に限定されるため、周辺へ連鎖的に開発が広がる「無秩序な市街化(スプロール現象)」を引き起こすリスクが低く、市街化調整区域の本来の趣旨を損なわないと判断されるためです。

都市計画法第34条第3号

都市計画法第34条第3号は、湿度、温度、空気などの特別な自然条件が必要な事業に着目した条項です。

例えば、醸造業や精密機械工業などは、特定の自然条件が重要となる事業の代表例です。

このような自然条件を「広義の資源」として捉え、その活用を認めることが趣旨とされています。

しかし、現代の工業技術では、湿度や温度などを人工的に制御することが可能なケースが多く、これを理由に第3号の政令は未制定となっています。

そのため、現在のところ第3号によって許可される具体的な開発行為は存在しません。

都市計画法第34条第4号

都市計画法第34条第4号では、市街化調整区域内での農業や林業、水産業といった第1次産業の継続を前提に、これらの産業に必要な開発行為を許可の対象としています。

この区域内では第1次産業が引き続き行われることが見込まれ、これらの開発行為は市街化とみなすべきではないためです。

また、無秩序な市街化を招く懸念も少ないことから、このような趣旨で第4号が設けられています。

農産物などの処理・貯蔵・加工に必要な建築物

都市計画法34条第4号で許可される建築物には、特に市街化調整区域内で生産される農産物や畜産物、水産物を扱う事業用施設が該当します。

具体的には、次のような業種のための開発行為が許可されます。

●畜産食料品製造業

●水産食料品製造業

●野菜かん詰・果実かん詰・農産保存食料品製造業

●動植物油脂製造業

●精穀・精粉業

●砂糖製造業

●配合飼料製造業

●製茶業

●でん粉製造業

●一般製材業

●倉庫業

これらの業種は、市街化調整区域で生産される原材料を主な対象とした施設を必要とするため、法第34条第4号に基づく開発許可の対象となります。

ポイント

「市街化とみなすべきではない」の解釈
正確には「市街化を促進するおそれがない」と表現されます。第1次産業(農林漁業)は市街化調整区域において守られるべき主役であるため、その活動に付随する施設は例外的に認められます。

(最重要)「周辺の原材料」という条件
第4号の核心は、「その市街化調整区域内で生産される農産物等の処理・貯蔵・加工」であることです。
遠くから原材料を運んでくるような工場(大規模な食品コンビナートなど)は、この号では許可されません。

業種のリストについて
記載された業種は正しいですが、これらはあくまで「例示」です。実際には「当該市街化調整区域において生産される農産物、畜産物又は水産物の処理、貯蔵又は加工に必要なもの」という限定がつきます。

都市計画法第34条5号

都市計画法第34条第5号は、「特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律」(以下「特定農山村法」)の制定に伴い、追加された規定です。

この条項では、特定農山村法第8条第6項に基づき、都道府県知事の承認を受けた市町村が作成・公告する「所有権移転等促進計画」に従って行われる、農林業等活性化基盤施設に係る開発行為が許可される対象となります。

具体的には、以下のようなケースを想定しています。

●所有権移転等促進計画で指定された土地の全部または一部が市街化調整区域内に含まれている場合

●所有権の移転が行われた後、その土地が農林業等活性化基盤施設として利用される場合

都道府県知事の承認と開発許可の審査

所有権移転等促進計画の実施には、特定農山村法第8条第6項の規定に基づき、都道府県知事の承認が必要です。この承認を得る際、都道府県知事は以下の観点で土地利用を事前に審査します。

●都市計画法第34条各号

●政令第36条第1項第3号

この審査によって、農林業等活性化基盤施設の立地が法律や政令に適合していることが確認されます。そのため、開発許可の審査段階で改めて法第34条に基づく適合性を検討する必要はありません。

都市計画法第34条第5号の追加により、特定農山村地域の農林業活性化を目的とした基盤整備が円滑に進むようになりました。

この仕組みは、所有権移転等促進計画と都道府県知事の承認プロセスを通じて、適切な土地利用を事前に確保し、効率的に開発許可を進めるための制度です。

ポイント

・特定農山村法との連携: この号は、過疎化が進む農山村地域の振興(農林業の活性化)を目的とした「特定農山村法」を実効性のあるものにするために追加されました。

・「みなし審査」の仕組み: ご指摘の通り、特定農山村法に基づく「所有権移転等促進計画」を都道府県知事が承認する際、すでに**「都市計画法第34条の基準に適合するかどうか」を事前にチェックするプロセス**が組み込まれています。

・開発許可の円滑化: 知事の承認=都市計画法上の立地基準への適合確認が済んでいることを意味するため、開発許可の段階では、改めて「なぜここに建てるのか(立地基準)」を問い直す必要がありません。これにより、事業のスピードアップが図られています。

都市計画法第34条6号

都市計画法第34条第6号は、中小企業の振興を目的とした開発行為に関する規定です。

この条項では、都道府県と独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」)が連携して助成する中小企業者の開発行為が許可される対象とされています。

これにより、中小企業の振興を促進しつつ、無秩序な市街化の防止にも配慮した仕組みとなっています。

都道府県と中小機構の連携

「都道府県が中小機構と一体となって助成する」とは、以下のような資金の流れや支援を指します:

●都道府県が中小機構から資金を借り入れ、その資金を活用して中小企業に必要な資金を貸し付ける場合

●逆に、中小機構が都道府県から資金を借り入れ、中小企業の高度化を目的とした融資を行う場合

このように、都道府県と中小機構が協力して中小企業の発展に必要な支援を行うことで、地域の経済活性化が図られます。

ポイント

・公的スキームの信頼性: 都道府県と中小機構が資金面で一体となって助成(高度化融資など)を行う事業は、公的な観点から「地域の産業振興に必要不可欠」と認められたものです。

・立地審査の代替: 第5号(特定農山村法)と同様に、融資や助成の決定プロセスにおいて、事業の妥当性や立地の必要性が公的に審査されています。そのため、市街化調整区域における開発許可においても、その信頼性を前提として許可対象としています。

・資金の流れ(高度化融資): お書きいただいた通り、都道府県と中小機構が連携して提供する「高度化資金」などのスキームがこの号の適用対象となる典型例です。

現在、この第6号が適用されるケースは、多くの場合「工業団地への集団移転」や「共同店舗の整備」といった、地域の産業構造をアップデートするようなプロジェクトが中心です。

都市計画法第34条7号

都市計画法第34条第7号は、かつての国家的な工業振興政策に基づき、特定の区域内での開発を円滑に進めるために設けられた規定です。

許可の対象となる条件

以下の法律に基づき指定された区域内において、その計画に沿って行われる建築物や工作物の開発行為が許可の対象となります。

・新産業都市建設促進法(新産法)に基づく区域

・工業整備特別地域整備促進法(工特法)に基づく区域

◆規定の趣旨◆
高度経済成長期において、特定の地域に工業を集積させ、地方分散型の産業構造を構築することが国の重要課題でした。そのため、市街化調整区域であっても、これらの法律に基づく拠点整備については、都市計画上の特例として立地を認めることとしたものです。

現状と実務上の扱い

・法律の廃止: 根拠法であった「新産業都市建設促進法」および「工業整備特別地域整備促進法」は、2001年(平成13年)に廃止されました。

・空文化: 根拠となる法律が廃止・統合されたことに伴い、現在この第7号が新規の開発許可で適用されるケースは極めて稀であり、実務上は「歴史的な経緯を持つ条文」という位置づけになっています

都市計画法第34条8号

都市計画法第34条第8号では、危険性などの理由で市街化区域に適さない建築物や第1種特定工作物を目的とする開発行為について、市街化調整区域での許可を認めています。

◆許可対象の具体例◆
市街化調整区域内で立地が認められるものとして、以下が挙げられます:

●火薬庫(火薬類取締法第12条に基づく)

●第1種特定工作物

これらの施設は、その性質上、安全性を確保する観点から市街化区域での立地が不適当とされ、市街化調整区域での開発が許可される仕組みとなっています。

◆許可対象の具体例◆

・火薬庫 (火薬類取締法に基づき、保安距離の確保が必要なもの)

・危険物の貯蔵・処理施設 (消防法等に基づき、周囲に空地や安全な距離を必要とする第1種特定工作物など)

◆趣旨◆
これらの施設は、安全確保の観点から周囲に一定の空間が必要であり、市街化区域(人が住む場所)から遠ざける必要があります。そのため、市街化を抑制すべき区域である市街化調整区域に立地させることが合理的であると判断されています。

第1種特定工作物の注意点

「第1種特定工作物」には以下の2種類がありますが、第8号に関連するのは主に(2)です。

1.周辺の環境悪化をもたらす恐れがあるもの(コンクリートプラント等)

2. 危険物の貯蔵・処理を目的とするもの(ガスタンク等)

都市計画法第34条9号(沿道サービス施設等)の解説

都市計画法第34条第9号は、市街化調整区域を通行する道路利用者の利便性を確保し、円滑な交通を支えるために必要な施設の立地を認めるものです。

対象となる施設(政令で定めるもの)

主として「道路の円滑な交通を維持するための施設」および「道路利用者の便宜に供する施設」が対象です。

・道路管理施設: 道路の維持・修繕、雪寒対策などのための施設。

・給油所等: ガソリンスタンド、水素ステーション、自動車用急速充電設備。

・休憩所(ドライブイン): 運転者の休息のためのレストランや喫茶店。

条件: 一般的に「座席4席につき駐車場1台以上」などの基準があり、休憩機能が主であることが求められます。

上記は一例であるため、自治体に確認が必要です。特に沿道サービス施設は、接する道路の種別(国道か県道か等)によっても許可の難易度が大きく変わります。

「コンビニエンスストア」の扱いに関する注意点

かつては第9号の「休憩所」に付随するものとして扱われることもありましたが、現在の運用は以下のようになっています。

第9号では原則対象外: 物販を主目的とするコンビニは「休憩所」とはみなされないのが一般的です。

第1号での許可: 現在、多くのコンビニは法第34条第1号(日常生活のため必要な施設)として、周辺住民の利便性も兼ね備えた施設として許可を受けるケースがほとんどです。

「火薬類製造所」について

火薬類「貯蔵所(火薬庫)」は先ほどの第8号(危険性ゆえの立地)に該当しますが、「製造所」についてはこの第9号の政令(施行令第29条の7)において、市街化区域内に設けることが不適当なものとして指定されています。

都市計画法第34条10号

●対象区域
地区計画または集落地区計画が定められた区域(地区整備計画や集落地区整備計画が策定されている区域に限る)での開発が対象です。

●開発条件
これらの計画で定められた内容に適合する建築物や第一種特定工作物を建築・建設するための開発行為が認められます。

具体例:一戸建て住宅・共同住宅や長屋・小規模な店舗など

この規定は、地区や集落の計画的な整備と適正な土地利用を目的としており、計画に従った開発行為のみが許可されます。

ポイント

この第10号に基づいて開発を行う場合、開発許可の申請前に「地区計画の届出」が必要になるなど、手続きが二重になることがありますが、内容的には地区計画に適合していれば許可されるという非常に明快な仕組みです。

都市計画法第34条11号

都市計画法第34条第11号の趣旨は、市街化区域に隣接または近接しており、自然的・社会的条件から一体的な生活圏を形成していると認められる地域において、一定の条件を満たす場合に開発許可が認められるというものです。

このような地域では、すでに公共施設が相当程度整備されているか、隣接する市街化区域の公共施設が利用可能であるため、積極的な公共投資は必ずしも必要ではないとされています。

開発要件

開発が認められるための条件は以下の通りです。

1. 市街化区域に隣接または近接していること
開発区域が市街化区域に接している、または近い位置にあることが必要です。

2. 一体的な日常生活圏を形成していること
自然環境や社会的条件が整い、地域が一体的な生活圏を構成していると認められることが求められます。

3. おおむね50戸以上の建築物が連たんしていること
少なくとも50戸以上の建物がまとまりをもって建てられている区域であることが必要です。

これらの3つの条件をすべて満たす場合に限り、開発区域が設定され、開発行為が認められることとなります。いずれか一つの条件だけが満たされている場合には、開発区域としての設定はできません。

注意点

市街化調整区域における開発は、無秩序な都市拡張が生じないように慎重に行われなければなりません。

開発区域の周囲の公共施設の整備状況や、市街化調整区域全体の土地利用計画を考慮し、適切な区域設定や用途設定が求められます。

これにより、無秩序な開発を防ぎ、地域の整備計画に沿った開発が促進されます。

都市計画法第34条第12号(地方公共団体の条例で定める開発)

都市計画法第34条第12号は、市街化を促進するおそれがないものとして、各自治体が地域の特性に応じて「条例」で特別に認める開発行為を指します。

地縁者向け住宅」の許可条件

多くの自治体では、既存集落の維持を目的に、以下のような条件で自己用住宅の建築を認めています。

・居住実態: 申請者またはその親族(6親等以内の血族等)が、当該調整区域内に長期間(例:20年以上)居住している、または過去に居住していたこと。

・切迫性(持ち家なし): 現在、申請者が自己所有の住宅を持っていないこと。

・目的: 申請者本人が居住するための専用住宅であること(賃貸目的は不可)。

ポイント

・自治体ごとの違い: 第12号は「自治体に任せる」という性質が強いため、条件(居住年数や親族の範囲など)は自治体によって大きく異なります。

・区域の限定: 条例で指定された「区域内」でなければならないケースと、集落全体で認められるケースがあります。

◆趣旨◆ 市街化を抑制しつつも、古くからその土地に根ざしている人々の生活(分家や実家近くでの建築)を例外的に認めることで、コミュニティの崩壊を防ぐ役割を担っています。

都市計画法第34条第12号(産業系・誘導型)

都市計画法第34条第12号のうち「産業系」の規定は、自治体が地域の経済活性化や雇用の維持を目的に、「市街化調整区域であっても、この場所なら工場や物流施設を建てても良い」と条例で決めるものです。

主な対象施設

自治体によって異なりますが、一般的に以下のような施設が対象となります。

・既存工場の拡張: 敷地が手狭になった既存工場の隣接地への拡張

・産業集積地への立地: 自治体が「産業誘導区域」として指定した場所への工場、研究所、物流施設の建設

・農産物加工施設: 地元の特産品を使った加工工場や直売所

メリットと特徴

・第14号(審査会)を通さなくて良い: 通常、調整区域への工場立地は「開発審査会」の厳しい個別審査が必要ですが、12号条例に適合していれば、審査会を通さずに事務手続きのみで許可が下りるため、スピード感が格段に早くなります。

・独自の政策反映: 「IT関連企業なら優遇する」「物流施設ならこのインターチェンジ付近を認める」といった、自治体独自の戦略的な土地利用が可能です。

許可の条件(例)

・面積制限: 敷地面積が一定以下(例:1ヘクタール未満など)であること。

・接道条件: 一定以上の幅員(例:6m以上)を持つ道路に接していること。

・環境配慮: 緑地率の確保や、周辺の農地に影響を与えない排水計画。

市街化調整区域でのビジネス(工場や倉庫など)を検討する場合、「産業系12号条例があるかどうか」は、真っ先に確認すべき最重要ポイントです。これがない場合、よりハードルの高い「第14号(審査会)」に挑むことになります。

都市計画法第34条13号

都市計画法第34条第13号では、市街化調整区域に指定された土地について、以前からその土地の所有権または所有権以外の権利(地上権、賃借権など)を持っていた人に対し、経過的な措置として、最大5年間にわたり従前の計画通りに土地の利用を認めることを定めています。

条件

1. 自己の居住用:開発行為を行う主体が自らの生活の本拠として使用することを目的とする場合。これにより、自然人(個人)のみが該当し、会社が従業員宿舎の建設や、団体が住宅を組合員に譲渡する目的の開発行為は該当しません。

2. 自己の業務用:開発行為が、当該建築物または第1種特定工作物内で継続的に経済活動を行うことを目的としている場合。この場合、住宅の建設や宅地の造成、賃貸・分譲住宅の建設、貸事務所や貸店舗などは対象外となります。一方で、ホテル、旅館、結婚式場、中小企業の共同施設や、企業の従業員のための福祉厚生施設などは該当します。

また、都市計画法第34条第13号の届出をした者の地位の承継については、明確な規定はありませんが、都市計画法第44条に基づき、届出を行った者の相続人や一般承継人は、その地位を承継するものと解釈されています。

都市計画法第34条第13号(既存権利者の届出)のまとめ

第13号は、市街化調整区域に指定された際、すでにその土地で開発を予定していた権利者の利益を保護するための「経過措置」です。

1. 開発目的の厳格な制限
・許可の対象は、届出者本人による「自己の居住」または「自己の業務」に限定されます。

・自己の居住用: 自然人(個人)に限られ、社宅や分譲目的は対象外。

自己の業務用: 自ら経営する工場やホテル等は該当するが、貸店舗や賃貸マンションなどの「収益物件」は対象外。

2. 実務上の最重要ポイント(追加項目)
・届出期限:「6ヶ月以内」の厳守 市街化調整区域として指定(または変更)された日から、6ヶ月以内に都道府県知事等へ「既存の権利に関する届出」を行う必要があります。この期限を過ぎると、いかなる理由があっても第13号の規定を適用することはできません。

・開発の猶予期間:「5年以内」 届出をした日から5年以内に開発許可の申請を行う必要があります。これは「いつまでも特例を認めると市街化抑制に支障が出る」ためです。

・特定承継の不可(権利の売買禁止) 第13号の地位は、相続などの「一般承継」による継続は認められますが、売買や贈与といった「特定承継」は認められません。つまり、権利を第三者に売却し、買った人が第13号を利用して開発することはできないという点に注意が必要です。

3. 趣旨
市街化調整区域指定という大きな公的な制限に対し、以前から準備を進めていた人の期待権を「期間限定」で保護し、秩序ある移行を図るための制度です。

都市計画法第34条第14号(開発審査会の議を経るもの)の解説

都市計画法第34条第14号は、1号から13号のいずれの基準にも該当しない開発行為のうち、「市街化を促進するおそれがない、かつ、市街化区域内で行うことが困難または不適当」と認められるものを救済する、いわば「最後の砦」となる条項です。

開発審査会を通す理由

都市計画法第34条第14号に該当するかどうかの判断には、行政の高度な裁量が伴います。

そのため、身内(行政)だけで判断せず、法律、経済、都市計画などの専門家(学識経験者)で構成される「開発審査会」の議(同意)を経ることで、公正さと客観性を担保しています。

許可の基準(2つの柱)

審査会で認められるためには、以下の2点を同時に満たす必要があります。

・立地の必然性: その事業の性質上、どうしても市街化調整区域で行わなければならない理由があること。

・環境保全・市街化抑制: 周辺の農業や自然環境に悪影響を与えず、かつ、その許可によって周囲に無秩序な開発が連鎖するおそれがないこと。

具体的によくあるケース(提案基準)

各自治体では、あらかじめ「このようなケースなら14号で許可を検討する」という**「提案基準」**を公開していることが多いです。

・既存施設の増築・改築: 法改正前に建てられた工場の適正な規模拡大など。

・公共的施設: 認定こども園、福祉施設、または地域に不可欠なコミュニティ施設。

・大規模な産業立地: 地域経済に大きく貢献する研究所や工場(12号条例がない場合など)。

都市計画法第34条第12号と第14号の比較解説

市街化調整区域における開発許可制度において、第12号(条例)と第14号(審査会)は、どちらも地域の実情に合わせた「例外」を認める仕組みですが、その運用スタイルは対照的です。

第12号は、自治体があらかじめルール(条例)を定めておくもので、条件に合致すれば事務局が機械的に判断するため、「スピードが早く、結果の予測がつきやすい」のが特徴です。

一方、第14号は、条例ではカバーしきれない特殊な個別案件を救済する「最後の砦」であり、学識経験者による「開発審査会」がそのつど審議するため、「時間はかかるが、個別の事情に応じた柔軟な判断が期待できる」**という強みがあります。

いわば、第12号が「規定の条件を満たせば通れる自動改札」であるのに対し、第14号は「個別の事情を詳しく説明して納得を得る有人窓口」のような役割分担となっており、この両者が組み合わさることで、画一的な制限では対応できない地域の多様なニーズに応えています。

まとめ

都市計画法第34条の立地基準は、地域ごとの特性を尊重し、市街地の計画的な発展を促進することを目的としています。

開発行為は、地域の環境や生活圏に配慮しながら進められなければならず、特に市街化調整区域における開発は厳格に管理されています。

このブログで解説した都市計画法第34条は、各自治体で適用しない項目・基準や許可内容・要件について違いがありますので、市街化調整区域の不動産を所有している方は役所の担当部署に立地基準を確認しましょう。

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