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不動産屋さんの独り言:35歳で1億5,000万円のマンションを頭金ゼロで買ったら

不動産屋さんの独り言:35歳で1億5,000万円のマンションを頭金ゼロで買ったら

こんにちは

10月下旬になって急に肌寒くなってきましたね。

秋はないのかな?と思うような気候になった日本。
秋を感じるのは我家のニャンコの食欲を見てる時くらいですかね。

さて、一昔前なら夢のマイホームを購入するっていうのは人生の一大イベントでしたよね。
その一大イベントの為に頭金を貯めて銀行や公庫(ちょっと古いかな)から高い金利でも借入をして、やっとこさっとこ買えるみたいなかんじでしたよね。

でも、近年は「自己資金ゼロ」「諸費用ローン」「低金利」その他・・・みたいな感じで取り敢えず借りられるだけ借りるみたいな世の中になりましたね。

私みたいに法人の廃業・倒産時や個人の自己破産を仕事上で見る事が多くある立場にいると「大丈夫か~」みたいな人も珍しくありませんけど、まぁ~自分で考えて借入してるんだからね・・・みたいに思うようにしてます。

でも、35歳で頭金ゼロ、1億5,000万円のマンションを買うってなると、話はちょっと違うんですよ。まさに背伸びしすぎた住宅ローンの現実を目の当たりにするわけです。

例えば、35歳で頭金ゼロの1億5,000万円。ローンは35年(今は40年やら50年なんてこともあるんですかね)、金利は低金利の1%で組むと、月々の返済額は42万円前後です。この月々の返済に固定資産税、管理費、修繕積立金、それに火災保険や地震保険を加えると、月々の支払いはざっと50万円弱くらいになる。
このような借入をする人は、それなりの収入でしょうけど万が一と老後の事を考えると、ちょっと怖いですよね。

若いころは「低金利だから大丈夫」と思いがちですが、現実はそんなに甘くないんですよね。35歳でスタートしても、65歳の時点ではまだ残債が3,300万円も残っているんです。残債が3,000万円超えたまま退職したり、収入が減ったりしたらどうなるか…。想像するだけで冷や汗ものです。

しかも、住宅ローンっていうのは利息の計算の関係で、最初の10年、20年はほとんど利息の支払いがメインですから、元本はあんまり減らないんですよね。だから、「35年ローンだから、ゆっくり返せる」と思っても、実際には退職するころにはまだ大きな借金が残っているわけです。これ、ちょっと怖くないですか。

そんなことを言ってると「いや~いざとなれば売却するから大丈夫ですよ」なんて言われちゃうんでしょうけど、それならそれ良いんですけどね。

それに、人生は何があるかわからない。病気や介護、家族の急な出費なんかでキャッシュフローが圧迫されることもありますし、共働きで返していたとしても、どちらかが働けなくなった瞬間、返済は一気に苦しくなる。

自分でどうにかなるようなことなら良いですけど、政治・時代・その他で自分にはどうにもならない事ってありますから・・・

正直言うと、こういう話は不動産屋としても胸が痛いんですよ。

若いころの勢いで「ローン組める額=返せる額」だと思ってしまう人が結構多い。でも、35歳で1億5,000万円・頭金ゼロなんてケースは、返済期間中に何が起きるかわからないので、慎重に考えないと、生活がギリギリになってしまうんです。

もちろん、低金利の恩恵もありますし、返済の仕組みさえ理解していれば、無理なく返せる人もいます。でも現実問題として、月々42万円の返済に加えて税金や保険料、生活費や教育費まで考えると、自由に使えるお金はほとんど残らない。これが現実です。

だから、私はいつもお客さんには言うんですよ。「低金利だから安心、なんて幻想です」と。特に35歳で頭金ゼロの大きなローンは、65歳時にまだ3,000万円以上の残債が残る可能性が高いので、退職後の生活設計も含めて計画を立てることが重要だ、と。

夢のマイホームを「幸せな資産」にするのか、「重い借金」にしてしまうのかは、購入前の冷静な判断次第。

35歳で1億5,000万円を借りるなら、退職後も返済に困らない収支シミュレーションと、最悪のシナリオを想定したリスク対策は必須です。

いやあ、皆さん、他人事みたいに聞こえるかもしれませんけど、これが不動産・借金等の理由で苦しむ人を見てきた不動産屋の独り言ですからね。

実際に契約する前に、こういう現実を知っておかないと後悔する人も多いんです。夢は大きくても、現実はもっと冷静に見ないといけませんね。

因みに、住宅ローンが払えない・不動産が売却できない時になったら低金利も高金利も関係なく14%の遅延損害金が発生するのので用心しましょう。

それでは、おしまいです

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