こんにちは
ワイズエステート販売株式会社の山中です。
さて、今回もお馴染みの市街化調整区域のお話です
市街化調整区域の専門家という訳ではないのですが、こちらサイトで情報発信しているブログや売主様との面談時のお話の内容が市街化調整区域の専門家のように感じるらしく、多くの方からご相談を頂くようになっています。
先日も「市街化調整区域なんですけど、売れますか?」「農地だから無理だって言われたんです」という内容のご相談を頂いたので、このような疑問・不安を抱いている方へのメッセージとしてこのブログを書きますね。
市街化調整区域の不動産売却についてのご相談について
私にご相談頂く多くの方は、すでに一度は不動産会社に相談し「難しいですね」「厳しいですね」と言われて諦めかけている方が殆どです。
このことは市街化調整区域の不動産だけではなく「権利調整が必要な物件」「親族トラブルになっている不動産」「借地・底地でトラブル案件」その他の案件の多くが、専門家と言われている方々に相談して断られている事が多く悩んでいる方からのご相談ですが、今回は市街化調整区域に注力しお話をしますね。
長年この仕事をしていると分かるのですが、相談される時点で案件の結論が出ているケースは、ほとんどありません。
しかし、相談した不動産会社の経験値次第で結果・結論は決まってしまいがちです。
このような状況の業界ですので営業トークではなく、不動産屋の独り言として、少し業界の本音を書きます。
「農地だから売却できない」と言われた時に考えてほしい
市街化調整区域の農地の売却が簡単ではないことは、確かです。
農地法の規制があり、さらに都市計画法の制限をクリアしなければならない案件を、市街化区域の土地と同じ感覚で扱えば、必ず行き詰まります。
問題は、土地そのものではありません。
時間軸と手続きの重さです。
多くの不動産会社は、媒介契約から引渡しまでをできるだけ短期間でまとめることを前提にしています。
契約して、買主を見つけて、ローンを組んで、引き渡す。
このスピード感に慣れている会社にとって、最低でも半年以上、長いと1~2年を要する市街化調整区域の農地案件は、正直なところ扱いづらい分野です。
農地転用や開発行為の手続きは、慣れていなければ時間がかかります。
場合によっては、協議や許可に一年以上、全体で見ると一年半以上かかるケースも珍しくありません。
そうした時間を前提に動かなければならない市街化調整区域の農地は、スピード重視の不動産会社ほど敬遠しがちになります。
その結果として出てくる言葉が、「農地だから無理ですね」という一言です。
ただし、この言葉は土地の結論ではありません。
実際には、「そこまで時間をかけて調べるつもりがない」「長期案件として向き合う体制がない」という、不動産会社側の事情を表しているだけのことも多いのです。
「農地だから無理」と言われたとき、それは売却不可能という判断ではなく、「その会社にとっては扱えない案件だった」そう受け止める方が、現実に近いかもしれませんね。
物件調査をしないまま結論を出す怖さ
市街化調整区域で一番やってはいけないのが、役所調査をしないまま判断することです。
現地を見ず、役所調査も行わず、都市計画図や過去の許可事例も確認しないで、登記簿謄本の地目の部分だけ確認して、それで「難しいですね」と言われても、正直、それは判断ではなく感想に近いですよね。
市街化調整区域は、机の上だけで答えが出るほど単純な土地ではありません。
売却できる可能性が高い土地なのか、売却する事が困難な土地なのかは、役所調査をして初めて分かるものです。
市街化調整区域の不動産を取り扱う際には都市計画法第34条の立地基準の存在を知っている不動産会社はあります。
ただ、実際の現場では「知っている」と「理解している」は、まったく別物です。
都市計画法第34条の各号のどれに該当するのか、自治体ごとの運用はどうなっているのか、過去に似た許可事例はあるのかを調べていたり経験上で把握していることは大切です。
こうした点を一つずつ確認しながら組み立てない限り、市街化調整区域の売却計画は成立しません。
また、市街化調整区域における「売却の成功」は、決して『住宅用地として売ること』だけではありません。 私たちが考える出口は、もっと多角的です。
・資材置場や車両置き場としてのニーズを探る
・太陽光発電などの事業用地としての可能性を検討する
・隣地所有者様にとっての「価値」を再定義し、買い増しの提案を行う
・特定の業種なら建築が許可される「自己用業務用」の道を探る
「家が建たない=価値がない」と思い込まず、その土地が持つ独自のポテンシャルに光を当てること。そうすることで、他社で断られた土地が、誰かにとっての「お宝」に変わる瞬間を、私は何度も見てきました。
特に、立地基準を理解せずに「建てられない」「売れない」と言うのは、かなり危うい判断です。
「どこに相談しても同じ」という思い込み
市街化調整区域の相談を頂いた方から「何社か回ったけど、どこも同じことを言われた」という話をよく聞きます。
ただ、それは偶然ではありません。
相談先がすべて市街化調整区域の不動産売却を取り扱ってこなかった会社だっただけです。
多くの不動産会社は、市街化調整区域や農地を「できれば避けたい分野」として扱っています。
そのため、結果が似通ってしまう。
土地の評価が同じなのではなく会社側の対応が同じなのです。
「やらない=できない」は、不動産業界では普通のこと
市街化調整区域の不動産売却は、正直に言って簡単ではありません。
都市計画法による制限があり、用途の制約があり、立地基準や行政判断が絡む案件も多く、市街化区域の土地と同じ感覚で扱えば、どこかで必ず行き詰まります。それにもかかわらず、「市街化調整区域だから売れません」「難しいので無理です」と、あっさり結論を出されてしまうケースは少なくありません。
市街化調整区域について不動産会社に相談すると、「うちはやらないので」と言われることがあります。この言葉自体は、一見すると正直な説明です。会社の方針なのか、経験がないのか、リスクを取りたくないのか、理由はいろいろあるでしょう。
ただ、売却を考えている側から見れば、やらないという判断は、できないのと同じ結果を生みます。
実務として一切動かない以上、その会社にとっては“できない案件”という事です。
問題は、そのあとです。「うちはやらないので、だから売れません」「諦めた方がいいです」と続いた瞬間、話がすり替わっています。
やらないのは不動産会社側の事情であって、土地そのものの結論ではありません。
それにもかかわらず、その事情を土地の能力のように説明してしまうことで、本来検討できたはずの可能性が、最初から消されてしまいます。
「できるけど、やらない」という表現を耳にすることもありますが、市街化調整区域の実務においては、やったことがないことは、できないのとほぼ同じです。
特に一般的な不動産会社が「対応できる」「できる」と判断する市街化調整区域は、実はかなり限定されています。
多くの場合、すでに宅地として成立している土地、あるいは11号・12号に該当するエリアまで。住宅としての出口が見えやすく、融資の想定が立てやすく、過去の取引事例も多いため、“やったことがあるから、できる”という判断がしやすい分野です。
逆に言えば、それ以外の市街化調整区域については、調べる前から「やらない」と判断されることも珍しくありません。
都市計画法の立地基準すら確認しない、用途の可能性を整理しない、行政に相談もしない。
その結果として、「市街化調整区域だから無理」という結論だけが残ります。
しかし、それは土地の結論ではなく、そこまで向き合う気がない、又は取り扱う経験や知識がなかったというだけの話かもしれません。
不動産業者は全て同じレベルではない、という事実
不動産会社は免許制度です。表面上は、どこも同じように見えます。
しかし中身は、住宅売買が得意な会社、事業用が得意な会社、市街化調整区域や農地を扱ってきた会社。
得意分野はまったく違います。
市街化調整区域の売却は、どこの不動産会社に相談するかで、結果が大きく変わる分野です。
みんな同じレベルではありません。
餅は餅屋。不動産も同じ
市街化調整区域は経験の差がそのまま結果に出ます。
取り扱った人にとっては想定内でも、避けてきた人にとっては、最初から「難しい案件」になります。
餅は餅屋、これは不動産もまったく同じです。
最後に|不動産屋の独り言として伝えたいこと
市街化調整区域の不動産売却は、運や根性でどうにかなる話ではありません。
必要なのは、正しい物件調査、都市計画法の理解、そして現実的な売却シナリオ。
もし「どこに相談しても同じ」と感じているなら、それは土地の限界ではなく、相談先の選択肢が同じだっただけかもしれません。
もちろん、調査の結果として本当に難しい場合もあります。でも、それは「やるべきことを全てやった上での結論」であってほしい。
もし、あなたの土地がまだ一度も「本気の調査」をされていないのであれば、諦める前に一度、私に悩み事でもボヤキでも聞かせに来てください。
一度だけでも、この分野を本気でやってきた人の話を聞いてみてください。
思っているより簡単に悩みから希望に変わることがあります。それでは、おしまいです。不動産屋の独り言でした。
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