こんにちは
10月になって少し肌寒くなってきましたね。
今年の夏も猛暑でしたので夏バテになっている人もいますが、今度は気温の変化で風邪など引かないように気を付けてくださいね。
最近ニュースを見ていてつくづく思うんですけど、不動産業界って本当に波が激しいですね。
先日、横浜の中堅マンションデベロッパーが倒産したって情報はニュースになってますね。
あの規模のデベロッパーが倒れるなんて、普通に考えたらちょっと平時ではあり得ない話です。でも、業界の裏を知っていると、ああ、やっぱりな、と思う部分もあるんですよね。
ここ数年、マンション価格はグイグイ上がっていて、不動産業者や投資家たちは
「まだまだ不動産価格は上がるぞ!」
なんて盛り上がっていますけど、その一方で「どうしてここまで上がっているの?」って思う矛盾もいっぱいあります。
例えば、土地の価格。
都心や人気エリアではどんどん上がって、用地の仕入れ競争が激化している状況。
デベロッパー同士が手を挙げ合って、結局買いすぎちゃったり、高すぎる価格で仕入れざるを得なかったり。
そこで無理して高値で仕入れた土地が、マンション価格に反映されて回収できなかった会社が倒れる――大手であれば乗り切れることができても中小企業では資金ショートしてしまう
不動産価格の高騰の象徴のようなマンション価格
そのマンションの在庫の状況には地域差があり、都心の人気エリアではほとんど在庫がなく、買いたくても買えない状態が続いています。
一方、東京でも都下や千葉県・神奈川県・埼玉県の最寄駅から徒歩10分以上やバス便の物件は新築でも中古でも格安を感じるような物件は売れずに在庫過多で、新築でも完成したマンションが売れ残っているケースも少なくありません。
つまり、同じ“価格上昇”という現象の裏に、実際には在庫不足と在庫過多という相反する状況が同時に存在しているわけです。
これって、不動産業界の外から見るとちょっと不思議に思えるかもしれませんね。
こんな状態でも不動産価格が上がり続けるのは、なんで?と思う方もいると思いますので、ほんのさわり程度ですがお話しますね。
まずは、土地仕入れの競争化です。人気のある立地の土地はは誰もが欲しがるので、同業他社との競争が激しくなり、どんどん値段が吊り上がる。デベロッパーとしては「ここで仕入れなければプロジェクトが回らない」という焦りもあるので、事業計画の予算の上限スレスレで土地を仕入れることになります。
そして、頑張って買うことができた不動産でも、仕入れの契約をしてから所有権移転されるまで数カ月~1年掛かることも珍しくありませんので、その期間で資材が高騰して予定していた事業計画が成り立たなくなってしまい、利益は度外視でせっかく仕入れた土地を手放すことになってしまいます。
その手放される土地には経費や金利が上乗せされるので、仕入れた金額よりも割高になり、その土地を仕入れる不動産会社・デベロッパーは更に高い販売をしなければならない・・・という事になります。
それが不動産価格の上昇に繋がり、その高値の不動産を仕入れた不動産会社が上手く捌く事ができればよいのですが、焦って高く仕入れた不動産を高く売却することになり・・・。
その焦りが後々の財務リスクにつながるんです。
長期間、売れないマンションを抱えたり、販売価格を下げざるを得なくなったりすると、借入金の返済も厳しくなる。
金融機関からの融資が厳しくなり「買える土地」「買いたい土地」があっても仕入れができない状況に陥ることになります。
その結果、廃業や倒産になっていくというシナリオです。
さて、じゃあこの先、不動産業界はどうなるのか――正直、読めないところもあります。
でも一つ言えるのは、中小デベロッパーにはこれからますます厳しい時代が来るということ。
そして、土地仕入れの競争はますます激化するでしょうし、人口減少や住宅需要の変化も無視できません。
逆に、大手は資金力やブランド力である程度の安定は確保できるので、淘汰が進む中で生き残りやすい。つまり、今後は「競争に強いか、資金力があるか」が明暗を分ける時代になりそうです。
でもね、不動産屋としては、こういう時代だからこそ面白い部分もあるんです。
土地やマンションをどう組み合わせて収益を出すか、在庫をどう捌くか、リスクをどう分散するか――頭を使うことが増える分、仕事にやりがいも出てきます。
もちろん、倒産や価格の矛盾を見ると、業界の厳しさも痛感しますけど、それも含めて不動産の面白さなんですよね。
結局のところ、横浜の中小デベロッパーの倒産も、マンション価格上昇の矛盾も、土地仕入れ競争の激化も、全部つながっている話です。
目先の利益や勢いだけで突っ走ると、あとで大きなしっぺ返しを食らう。逆に、リスクを見極めて戦略的に動けば、この業界でもまだまだ勝機はあります。
さて、今日はちょっと長くなりましたけど、独り言をまとめるとこんな感じです。
倒産のニュースに驚くのは当たり前。
でも、価格上昇や在庫の矛盾、土地競争の裏側を知ると、「ああ、こういうことか」と腑に落ちる瞬間があります。
これからの不動産業界も波乱含みですが、現場で働く人間としては、冷静に状況を見て、次の一手を考えるしかありませんね。
