こんにちは
ワイズエステート販売株式会社です
忙しい年度末が明けて新年度に入りましたね。
今年度は宅建業の免許更新があるので、例年以上に気を引き締めていこうと思っています。
さて、表題についてお話をしますね。
最近の住宅購入では「資産性の高い物件を選びましょう」「売却時に値下がりしない家を」という言葉が魔法の呪文のように唱えられています。
しかし、この業界を見てきた私から言わせれば、融資を限界まで受けて「資産性」を追い求めることは、非常にギャンブルに近い行為です。
1. 「資産性」は、現金を積み上げた人のための特権
そもそも「資産性」を享受できるのは、潤沢な自己資金がある人です。
物件価格が上がろうが下がろうが、手元のキャッシュで調整がきく。あるいは、売却時にローン残債を気にする必要がない。
そうした余裕があるからこそ、初めて「投資的側面」を評価する資格があるのです。
それに対して、フルローンに近い融資を受け、将来のリスクヘッジばかり考えて自宅を購入する方はどうでしょうか。
2. 忍び寄る「債務超過」の影
「資産性が高いから、高く売れるはず」 そう信じて、無理な返済比率でローンを組み、背伸びをした物件を買う。
しかし、不動産市場は生き物です。
金利上昇や市場の変化で価格がわずかに下落しただけで「ローンの残債 > 家の価値」という債務超過(オーバーローン)の状態に陥ります。
こうなると、家はもはや「資産」ではなく、人生の自由を奪う「重荷」に変わります。
- 転勤や離婚、環境の変化で売りたくても、持ち出し(現金)がなければ売れない。
- 金利が上がっても、借り換えの審査が通らない。
- まさに「痛い目を見る」状況が、そこには待っています。
3. 自宅は「住む場所」であって、投機商品ではない
マイホームは本来、家族が安心して暮らすための「拠点」です。
「今の超低金利なら、投資感覚で高い家が買える」という錯覚に陥り、無理な融資を引き出してしまう。
それは、自分たちの生活という土台を、変動の激しいマーケットという砂の上に建てるようなものです。
金利が3%だった20年前は「家を買う」ことをもっと神聖で、もっと慎重な、生活の決断として捉えていました。
身の丈に合った「実需」こそが最強の防衛策
「資産性」という言葉に踊らされ、自分のリスク許容度を見失ってはいけません。
多額の融資を受けて家を買うなら、まずは「もし明日、価格が2割落ちても返済を続けられるか」「生活が立ち行かなくならないか」という防衛的な視点を持つべきです。
本当の資産とは、家の評価額のことではなく、そこに住む家族の「平穏な日常」と「家計の健全性」そのものなのですから。
「資産性を求めるのは現金を保有している人」という一言であって、今の浮ついた市場では大きなリスクを泥沼に自ら踏み込んでいくような状況です。
この視点があるかないかで、10年後の家族の運命が分かれると言っても過言ではありません。
「金利は上がらない」「家賃を払うよりお得」――そんな楽観的な前提も、一度利上げや情勢不安、あるいは予期せぬ不景気が襲ってくれば、脆くも崩れ去ります。
住宅ローンは数十年という長い年月をかけて返していくものです。
その間に、世界情勢や経済環境が一度も揺らがないなどという保証はどこにもありません。
資産性を追い求めて限界まで融資を受けた人にとって、わずかな金利上昇や景気後退は、即座に生活を脅かす「牙」へと変わります。
10年後、世界がどう変わっていても、家族が安心して眠れる場所であり続けること。
「資産」という数字の呪文に惑わされず、不測の事態すらも飲み込める「余裕」を持った選択こそが、激動の時代における最強の防衛策なのです。
さて、今回はこんな感じでおしまいです。

【著者プロフィール】
山中 賢一
ワイズエステート販売株式会社 代表取締役
不動産売却専門 兼 廃業・事業再生コンサルタント
埼玉県さいたま市を拠点として、全国の複雑な不動産問題を解決に導く専門家。
大手不動産会社やFC店で「売却不可」と断られた市街化調整区域、権利関係が複雑な訳あり物件、相続トラブル等の売却において圧倒的な実績を持つ。
また、提携法律事務所との強固なネットワークを活かし、廃業・倒産に伴う法人名義の不動産売却や、資金繰りに苦しむ経営者のための資産整理・再生スキーム構築を得意とする。単に「売る」だけでなく、任意売却や債権者交渉、弁護士と連携した法的措置を伴う出口戦略まで、金融・法務・実務の三位一体で顧客の「後悔のない選択」を支援している。
ワイズエステート販売株式会社
「他社で断られた案件」「銀行交渉が必要な売却」など、出口の見えない不動産のご相談を承ります。法務・金融の視点から、あなたの資産を守る「最適解」を提案します。