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不動産屋さんの独り言:金利3%時代を知るオヤジが、今の「50年ローン」に思うこと

不動産屋さんの独り言:金利3%時代を知るオヤジが、今の「50年ローン」に思うこと

こんにちは

ワイズエステート販売株式会社です。

フラット35の金利がまた上がって、ついに「17年ぶりの高水準」なんて見出しが躍ってます。
17年前っていったら、2009年とかそのあたり。リーマンショックの余波でバタバタしてた頃ですね。

「金利上昇、怖いなあ」なんて声が聞こえてきそうですが、不動産業界に身を置いて20年以上の私からすると、正直なところ「ああ、ようやく低金利時代が終わって、普通に戻るんだな」という感覚なんです。

今回は、今の住宅ローンの「歪み」について、不動産屋さんの視点でぶっちゃけてみようと思います。

20年前、金利は「3%」が普通だった

私がこの業界に入ったばかり20年前の金利ってどれくらいだったか覚えてます?
実は、3%前後が当たり前だったんですよ。

2.8%なら「お、金利が低くなったね!」なんてお客さんと話してた。

それがいつの間にか「0.5%」だの「0.3%」だの、タダ同然で大金を貸し出す時代が10年以上も続いちゃった。
12~13年前、ある案件の金銭消費貸借契約で地銀に出向いた時、住宅ローン担当者と話をした時には住宅ローン単体としては金利0.85%が損益分岐点だと言ってましたが、異次元?の金融緩和政策によって状況が変わったとはいえ0.3%じゃ~ね、という感じですよね。

人間って怖いもんで、異常な状態が10年も続くと、それが「普通」「正常」だと思い込んじゃうんですね。

今の2.2%とか2.4%っていうフラット35の金利を見て「うわ、高すぎる!家が買えない!」って大騒ぎしてるけど、過去を振り返ってみれば、まだ当時に比べりゃ低い方なんです。

問題は金利そのものじゃなくて、「金利が低いことを前提に、物件価格が上がりすぎたこと」

そして、その高すぎる物件を無理やり買わせるために、銀行やメーカーが編み出した「禁じ手」のようなローンの数々ですよ。

「50年ローン」に「残価設定」…それ、本当に完済できます?

最近よく耳にする「40年ローン」や「50年ローン」。 30歳で借りて、終わるのが80歳。……正気ですか?って話ですよ(笑)。

昔はね、「定年までに完済する」のが鉄則でした。
35年ローンを組んでも、繰り上げ返済して60歳にはスッキリさせる。

それが健全な人生設計でした。

しかし、今は物件が高すぎて35年じゃ月々の返済が収まらない。だから期間を延ばして、見た目上の支払額を安く見せる。これ、ただの「問題の先送り」です。

さらに最近は「残価設定型住宅ローン」なんてのも出てきました。

「20年後の家の価値を据え置いて、残りの分だけローンを払えばいいですよ」ってとんでもない金融商品。

車ならわかりますよ、数年で買い替えるから。

でも、家は「住む場所」であり、最後は「資産」として残るべきもの。

もしも、20年後にそのエリアが過疎化してたり、再開発から外れてたりして、想定した「残価」がつかなかったらどうするんですか?
その時になって「実はあと1000万円払ってください」って言われても、もう現役じゃないかもしれませんよ。

「投資より先に、足元を見よう」

最近は「預貯金より投資」なんてブームで、「住宅ローンは低金利で最大限借りて、手元の現金は新NISAで運用するのが賢い」なんてインフルエンサーが言ってますよね。

確かに、金利が上がらなけりゃ正解かもしれない。

でもね、投資は自己責任で「待つ」ことができるけど、住宅ローンの返済は1ヶ月たりとも待ってくれません。

金利が上がって、月々の支払いが5万、10万と増えた時に、「NISAの評価損が出てるから売れません」じゃ済まないんです。

流動性が低い物件をフルローンで、しかも超長期で買うのは、ブレーキのない車で高速道路を走るようなもんですよ。


「これからの勝ち筋」

じゃあ、どうすればいいのか。 私がプロとしてアドバイスするのは、たった3つです。

  1. 「金利3%」でも返せる計画を立てる 今の金利が2%台なら、将来3%になっても耐えられるかシミュレーションしてください。それで生活がカツカツになるなら、その物件は身の丈に合っていません。
  2. 「出口(売却)」がある物件を選ぶ もし払えなくなった時、あるいは住み替えたくなった時、すぐに現金化できるか。調整区域なら、どういう用途なら売れるのか。それをあらかじめプロに相談しておくこと。
  3. フルローン又は諸費用ローンは避ける 近年、低金利の影響で「お金を借りるだけ借りる」なんて感覚が浸透していますが、低金利政策が終わった時代にはナンセンスでリスクのある考え方に変化しています。可能な限り自己資金を投入して借入額を減らす。これが将来のリスクヘッジです。

最後に

金利が上がるっていうのは、ある意味「健全な姿」に戻ることです。 異常なくらいに膨らんだ不動産バブルが落ち着いて、本当に価値のある物件が、適正な価格で取引されるようになる。

「家を買う」っていうのは、キラキラしたマイホーム夢物語じゃなくて、数千万の「借金」を背負う立派な事業計画なんです。

20年前の3%時代、みんな必死に計算して、頭金を貯めて、堅実に家を買っていました。あの頃の「当たり前の感覚」を取り戻すいい機会かもしれませんね。

もし、今のローン計画に不安があったり、「これって問題先送りじゃないか?」とモヤモヤしたりしているなら、ご相談ください。
古い考えかもしれませんが「古い=悪い」ではなく考え方の1つとして頭の片隅にあっても悪くはないと思います。

あ、でも説教臭かったらごめんなさいね。

「今のローンは昔と違うから大丈夫」「低金利だから投資に回せばいい」 ……そんな景気のいい言葉が飛び交っていますが、現場に立ち続けてきた私から言わせれば、ダメになる時は、今も昔も同様です。

20年前の3%時代に無理をして競売に追い込まれた人も、今の0.5%で身の丈に合わない家を買い、金利上昇に震えている人も、行き着く先は同じ「破綻」という二文字です。

銀行やハウスメーカーは「借りられる額」を提示しますが、彼らはあなたの老後まで責任は取ってくれません。 最
後に自分の身を守るのは、流行りの金融テクニックではなく「この借金を、自分は死ぬまでコントロールできるか?」という、泥臭くて、当たり前の自問自答だけなんです。

時代が変わっても、不動産の本質は変わりません。
もし、自分の計画が「今の時代の空気に流されているだけじゃないか」と不安になったら、いつでも声をかけてください。

20年前の厳しい時代を知る人間として、耳の痛い、でも「一生転ばないための話」をさせていただきます。

今回は、こんな感じでおしまいです。


【著者プロフィール】

山中 賢一
ワイズエステート販売株式会社 代表取締役
不動産売却専門 兼 廃業・事業再生コンサルタント

埼玉県さいたま市を拠点として、全国の複雑な不動産問題を解決に導く専門家。
大手不動産会社やFC店で「売却不可」と断られた市街化調整区域、権利関係が複雑な訳あり物件、相続トラブル等の売却において圧倒的な実績を持つ。

また、提携法律事務所との強固なネットワークを活かし、廃業・倒産に伴う法人名義の不動産売却や、資金繰りに苦しむ経営者のための資産整理・再生スキーム構築を得意とする。単に「売る」だけでなく、任意売却や債権者交渉、弁護士と連携した法的措置を伴う出口戦略まで、金融・法務・実務の三位一体で顧客の「後悔のない選択」を支援している。

ワイズエステート販売株式会社
「他社で断られた案件」「銀行交渉が必要な売却」など、出口の見えない不動産のご相談を承ります。法務・金融の視点から、あなたの資産を守る「最適解」を提案します。

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