こんにちは
今日は台風の影響で久しぶりに雨が降っています。
猛暑から解放される一方で、大雨による災害が心配されますね。
そんな“自然の影響”と同じように、不動産相続でも自分ではコントロールしづらいトラブルが起こることがあります。
さて、今回は相続した不動産が親族トラブルによって売却できない事についてお話をしますね。
相続によって不動産を受け継いだものの、親族や兄弟との間で話し合いがまとまらず、売却が進まないという相談は決して珍しくありません。
相続した不動産の「実家」「空き地」「マンション」「ビル」など、不動産の種類を問わず、所有者が複数になると意見が食い違いやすく、感情のもつれからトラブルに発展してしまうケースが数多くあります。
本来なら親から受け継いだ大切な財産を、兄弟姉妹で分かち合い次世代につなげたいものですが、現実はそう簡単にはいきません。
相続で揉める最大の原因は「共有名義」です。
例えば、実家を兄弟3人で相続した場合に名義は法定相続では各相続人の持分は3分の1ずつになります。
その共有の不動産の売却を進めるには全員の同意が必要ですが、「まだ住みたい」「思い出があるから手放したくない」「今は売るタイミングではない」など、1人でも反対すれば売却は止まってしまいます。
実際、数年経っても合意できずに固定資産税だけ払い続け、管理も行き届かず、実家が空き家のまま荒れてしまうというケースも少なくなりません。
相続した不動産を放置すると劣化してしまうのは空き家等の建物だけではなく、空き地や農地の相続でも同じです。
土地は活用してこそ価値が生まれますが、共有者の誰も積極的に管理せず、草が生い茂り近隣から苦情が来てしまうこともあります。
親族間で責任を押し付け合い、結局「誰も動かないまま年月だけが過ぎる」なんてことも珍しくありません。
各相続人が自分の思い通りにならないと、相続した不動産から気持ちが離れてしまい近づこうとする気持にもならず「最後にその不動産を訪れたのがいつだったか思い出せない…」なんて事を耳にすることもあります。
こうした放置は資産価値を下げるだけでなく、親族間の関係を更に悪化させてしまいます。
相続した不動産でマンションやビルのような収益性のある場合には、賃貸に出していると「家賃収入の分け方」で揉めることが少なくありません。
「管理は自分がしているのだから取り分を増やしたい」
「修繕費を誰がどの割合で負担するか」
で意見が割れ、収入どころか負担ばかりが増える結果になることもあります。
特にビルのように規模が大きいと修繕費も高額になり、親族同士で争う原因となってしまいます。
こうした問題に直面したとき、最も大切なのは「感情だけで動かないこと」です。
相続不動産は、感情的になればなるほど解決が遠のきます。親の思い出や過去の兄弟関係が絡むため、どうしても冷静さを欠いてしまうものですが、まずは「不動産の現状」と「将来的なリスク」を事実として見つめることが必要です。
相続した不動産を売却できずに放置すると、固定資産税や維持費がかかり続けます。
空き家であれば倒壊や火災、空き巣のリスクが高まり、近隣に迷惑をかける可能性もあります。
賃貸物件なら空室が増えれば収益は減り、管理を怠れば資産価値そのものが下がります。つまり「今のまま何も決めないこと」が最大のリスクになり得るのです。
ではどうすればよいのでしょうか。
第一に、専門家を交えて話し合うことです。不動産の査定額を知り、売却すればどれだけの現金が分配できるのかを具体的に示すと、感情的な議論から一歩前に進むことができます。
また、兄弟間で意見が対立した場合には、家庭裁判所の調停や弁護士を通じた協議も選択肢となります。
法的な手続きを踏むことで「誰がどの権利を持ち、どの責任を負うのか」が明確になり、無用な争いを避けることができます。
また、不動産を売却するだけが正解ではありません。
共有者のうち一人が持分を買い取り、他の兄弟に現金を渡す「代償分割」や、複数の不動産があれば現金やその不動産を分け合うという選択肢もあります。
相続が発生して複数の親族がいる場合には、不動産の性質や家族の事情に応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。
私が、これまでご相談を受けてきた中で感じるのは、親族トラブルになっている方のほとんどが「もっと早く相談すればよかった」とおっしゃることです。
時間が経つほど兄弟の意見が固まり、妥協できなくなり関係修復も難しくなります。
だからこそ「話し合いがこじれる前」に専門家に相談し、冷静な第3者の視点を取り入れることが解決への近道なのです。
親が大切に守ってきた実家や土地、マンションやビルを、トラブルの原因にしてしまうのはとても残念なことです。
本来、不動産は次の世代につなげるための財産であり、親族の絆を深めるきっかけにもなり得るものです。
だからこそ、今まさに相続不動産の問題で悩んでいる方には、「1人で抱え込まないでください」とお伝えしたいのです。
兄弟との意見の違いに苦しんでいるなら、専門家の力を借りて前に進む勇気を持つことが、将来の安心につながります。
相続トラブルは決して特別なことではありません。
その中で一歩ずつ解決策を見つけていくことが大切です。
大切な不動産を資産として守り、親族の関係をこれ以上悪化させないために、今できることから取り組んでみませんか。
弊社で相続した不動産を巡って親族トラブルになった相談・解決事例を掲載しましたので参考にして下さい

