こんにちは
お盆が終わり、朝晩は少し涼しくなってきたかな~
なんて、思いましたが車の外気温計は34度で、決して涼しいと言えるような気温ではないですね。
完全に麻痺しているような・・・
さて、表題についてお話をしますね。
不動産業界では、この土地は建物が建てられないから価値がないと判断されるケースがよくあります。
特に市街化調整区域内にある土地はその代表例で、市街化調整区域とは都市計画法に基づき市街化を抑制すべき区域として指定されているエリアであり、新しい住宅や商業施設の建築は原則禁止されています。
そのため市街化調整区域の不動産を売却しようにも買い手が見つかりにくく、相続しても活用できないまま放置されてしまうことが少なくありません。
しかし、立地条件の条件や現状の用途・使用状況次第では第3者による開発行為や建築行為が可能になる事があります。
その鍵となるのが都市計画法第34条の立地基準と農地転用、そして開発許可制度です。
市街化調整区域では原則として開発行為(建築物の建築や大規模な造成)は禁止されていますが、都市計画法第34条には一定の要件を満たした場合に例外的に許可が出る立地基準が定められており、例えば既存集落内で地域の居住者やその親族が自宅を建てる場合や、診療所・福祉施設・学校など公共性の高い施設を建設する場合、農産物直売所や加工場など農業振興や地域産業の発展に資する施設を設置する場合などが該当します。
これらは都道府県や市町村の都市計画に基づき個別に判断されるため、原則禁止でも例外規定に該当すれば建築が可能になるのです。
さらに土地が農地である場合、建築を検討する前に避けて通れないのが農地転用です。
農地は農地法によって保護されており、住宅や店舗、倉庫などに使うには農地を農地以外の用途に変更する農地転用許可が必要です。
農地転用には所有者が自分で農地を転用する場合の農地法第4条許可と、農地を売却や賃貸して買主や借主が転用する場合の農地法第5条許可があり、市街化区域内の農地では届出だけで済むのですが、市街化調整区域内では基本的に厳格な許可が必要となります。
そして許可を受けるためには用途や立地、事業の必要性が審査され、場合によっては都市計画法に基づく開発許可とセットで取得する必要があります。
開発許可を得るには、単に家を建てたいという理由だけでは不十分で、その土地の位置や用途が地域計画に合致していなければなりません。
例えば既存集落内に長年居住する親族がいる場合など、地域によっては要件を満たせばマイホーム建築が可能になることがあります。
また、農産物加工や福祉施設などの事業計画を立て、地域振興や雇用創出に資するものと認められれば許可が下りることもあります。開発許可を取得する際には都市計画法だけでなく、上下水道や道路幅員などのインフラ条件もクリアしなければならず、接道義務や排水計画、周辺住民への影響評価などが審査対象になります。
都市計画法第34条の立地基準の要件を満たせない場合は許可が下りませんが、道路整備や排水計画の改善工事を事業者負担で行うことで許可が可能になる事例も存在します。
こうした手続きを経て、評価額が低く市場価値も乏しいとされていた土地が、住宅用地や事業用地としての活路を開き、大幅に価値を高めることがあります。
実際に農地を地域振興型の観光施設として開発し、農地転用と開発許可を取得した結果、数百万円の評価だった土地が数千万円で取引された事例もあります。
市街化調整区域だからといってその土地の未来が閉ざされているわけではなく、都市計画法第34条の立地基準を理解し、農地転用や開発許可の可能性を探ることで思わぬ活用法が見つかることがあります。
重要なのは地域の都市計画や行政の方針を把握し、専門家と連携して戦略的に進めることであり、法律・条例・インフラ条件という複数のハードルを一つずつ越えることができれば、価値がないと思われていた土地が次の持ち主や地域にとって欠かせない資産に生まれ変わるのです。
このように市街化調整区域の不動産でも法的な観点から価値を見出すと不動産の価値が上がる事もあります。
しかし、例え開発行為のが可能と判断されても需要が無ければ売買は成立しませんので、市街化調整区域の不動産売却は容易ではなく、売却活動自体は長期間を要することも珍しくありませんので覚悟を決めて売却をしましょう。
このことが大手不動産会社が取り扱う事を躊躇う1つの要因と言えるでしょう。
さて、今回はこんな感じでおしまいです。
今回でお話をした都市計画法第34条の立地基準について分かりやすく解説しているブログは、こちらとなりますので、ご興味のある方は参考にして下さい。

