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10月の企業倒産件数900件

皆さん、こんにちは。

昨日まで10日間、事務所に缶詰めになって事務仕事を片付けていたのですが、今日からはようやく現場復帰です。

やっぱり不動産屋は外に出て、風を感じ、街の動きを見てなんぼですね。現場の空気感からしか得られないヒントはたくさんあります。

さて、今回のブログでお話ししたいのは、最近ニュースでも騒がれている「企業の倒産件数」についてです。

先日発表された令和6年10月の企業倒産件数は、なんと900件を超えました。

2年前の同じ時期(2022年10月)が525件だったことを考えると、2倍とまではいきませんが、異常なペースで増えていることが分かります。

それも、負債総額はそれほど増えていない。つまり、「街の中小企業の倒産」が大部分を占めているということです。

不動産業界に身を置く人間として、この数字の裏側にある「本当の理由」を深掘りしてみたいと思います。

コロナ禍という「延命措置」の終わり

コロナ禍の真っ只中、世の中には数十兆円という規模の協力金や助成金がバラ撒かれました。

あの時は確かに「有事」でしたから、救済措置は必要だったでしょう。

しかし、今になってその副作用が猛烈な勢いで襲いかかってきています。

本来であれば、その時期に淘汰されていたはずの企業や、ビジネスモデルが限界を迎えていたお店が、協力金や「実質無利子・無担保(ゼロゼロ融資)」によって延命できてしまったのです。

特に、飲食業や建設業といった、比較的起業しやすい業種でその傾向が顕著です。

私の周りでも、こんな話を耳にすることがありました。

「本業で料理を作るより、協力金をもらっている方が儲かるよ」

「とりあえず借りられるだけ借りておこう」

恐ろしいのは、一度その「麻薬」のようなお金に慣れてしまうと、「本来の仕事で利益を出す」という感覚が麻痺してしまうことです。

「お金を借りるのが仕事」になっていませんか?

起業や事業拡大において、融資を受けることは決して悪いことではありません。

会社経営にとっては設備投資や人材確保にはまとまった資金が必要ですし、レバレッジをかけるのは経営の定石です。

しかし、最近の倒産劇を見ていると、優先順位が逆転してしまっている経営者が多いように感じてなりません。

  • 第一の仕事: どうやって銀行から融資を引き出すか
  • 第二の仕事: (不動産業なら)良い物件を仕入れる、(製造業なら)良いものを作る

これでは本末転倒です。

「借金をし続けなければ会社が成り立たない」という状態は、もはや経営ではなく「資金繰りという名のパズル」に没頭しているだけ。

景気が安定している時はそれでも回るかもしれませんが、今の日本のようにインフレ、利上げ、物価高騰が押し寄せると、足元から一気に崩れてしまいます。

本業を疎かにし、時代の変化に合わせた自己変革を怠った企業が、今、猛烈な逆風にさらされているのです。

【専門解説】2024年〜2026年の景気動向と不動産市場への影響

現在の倒産件数増加は、単なる「コロナ明け」の反動だけではありません。以下の3つの要因が複雑に絡み合っています。

1. ゼロゼロ融資の返済本格化(債務超過の顕在化)

コロナ禍で受けた無利子融資の据置期間が終了し、元本返済が始まっています。売上がコロナ前水準に戻っていない、あるいは物価高で利益率が下がっている企業にとって、この返済負担がトドメを刺す形となっています。

2. 「金利のある世界」への転換

日銀の低金利政策に変化の兆しが見え、市場金利が上昇傾向にあります。これまで「超低金利」を前提に組まれていた事業計画やローン計算が根底から覆され、借換が困難になるケースが増加しています。

3. 実質賃金の停滞と消費の冷え込み

物価高騰に対し、大多数の世帯の所得が追いついていません。可処分所得が減れば、真っ先に削られるのは外食や住宅投資です。これが飲食業の不振、そして建設・不動産業界の需要減退へと直結しています。

今後、政府はどう動くのか?

これほど倒産が増えれば、政府も何らかの対策を打つのでは?という期待もあります。しかし、かつての「一律バラ撒き」のような政策はもう期待できないでしょう。

今後は、「再生支援」と「円滑な退出(廃業支援)」へと舵が切られるはずです。 無理に延命させるのではなく、成長分野への労働移動を促す方向です。これは非常に厳しい現実ですが、裏を返せば「本物」しか生き残れない時代が来たとも言えます。

まとめ:不動産屋としての視点

不動産業界においても、これから数年は厳しい局面が予想されます。

企業の倒産が増えれば、事業用物件の空室率は上がり、住宅ローンの返済に行き詰まる世帯も増えるでしょう。

だからこそ、不動産業界に求められるのは、単なる売買の仲介ではありません。

「今、その借入は本当に適切か?」 「資産を手放すタイミングは今ではないか?」

こうした経営判断に近いアドバイスができるかどうかが、お客様の未来を左右します。

「天気が良い日が続くように」と願う現場仕事と同じで、経営も土台がしっかりしていなければ、少しの嵐で倒れてしまいます。

本来の事業目的——お客様に価値を提供し、その対価として利益を得る——という基本に立ち返ることが、今最も必要な「倒産対策」なのかもしれません。

さて、現場の空気を確認しに行ってきます。 皆さんの事業や生活も、地に足の着いた、晴れやかなものでありますように。

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