こんにちは
もうすぐ10月ですね。
不動産業界では10月は宅建の試験の月と言っても過言ではないでしょう(?)
なんのこっちゃという感じでしょうが、この宅建の試験は人によっては憂鬱であり試練と考えたりと大変なストレスとプレッシャーの月と言えます。
個人的見解ですが、宅建を所持しているかで差別はしませんが、宅建を持っていないことは不便だし肩身は狭いだろうなと思います。
不動産業界にいる以上は持っていた方が良い資格なので、この試験を受験する方は頑張ってくださいね。
さて、長い前置きは終わりにします。
最近、どういうわけか面識も取引実績もない同業者から電話をいただくことが増えています。電話といっても、いわゆる「営業電話」の類は飽きるほどあるので呆れている程度で諦めていますので買取業者さんからの営業電話なら「あぁ、またか」と慣れてしまいました。
ところが最近は少し違ってきて、弊社のホームページを見たという同業の方から
「市街化調整区域について教えてほしい」
「任意売却の案件を相談したい」
といった問い合わせが来るのです。
もちろん、一般のお客様からのご相談であれば大歓ですが、これが同業者となると話が変わってきます。
どうしても「探りの電話かな?」と思ってしまうのです。
直近では、あからさまに「御社はどんな不動産を扱っているんですか?」と聞かれたり、「どういう進め方をしているんですか?」と探りを入れられたり。
正直に申し上げますが、そんな電話に丁寧に付き合っている時間はありませんので、基本的には「対応不可」としてお断りしています。
心の中では「恥ずかしくないのかな」と思うこともしばしばです。
自分で経験を積んで知識を深めるのではなく、他人から答えを引き出そうとする姿勢そのものがどうも好きになれません。
目次
「訳あり不動産専門」と言いながら…?
なかには「訳あり不動産専門」と大きく掲げている会社からも電話がありました。
ネット上で看板を掲げるくらいですから、経験豊富で独自のノウハウを持っているのだろうと思いきや、実際には「市街化調整区域ってどう扱えばいいんですか?」といった質問をしてきましたね。
こちらからすれば「いやいや、それを専門にしているんじゃないの?」と突っ込みたくなるような話です。
仮に私が親切に答えたとしても、きっと理解は難しいでしょう。普段からリスクのある案件を避け、無難な取引ばかりしてきた結果が、いざというときに応用が利かなくなっている。まさに“つけ”が回ってきているように感じます。
金額で解決する風潮の落とし穴
さらに不動産業界にはもう一つ、根深い風潮があります。それは「物件自体に問題があるとき、必要以上に金額を下げて解決しようとする」というやり方です。
いわゆる、不動産買取の業者が増えたので、「協議」「交渉」「折衝」というやり取りをしなくなったので相手の足元を見て買い叩くことが「良い営業」と思われるようになりました。
確かに、問題やトラブルを抱えた物件は売りにくいものです。
心理的なハードルもあれば、法的な調整が必要なケースもあります。
しかし、それをすべて「金額が安くても良いなら買い取りますよ」で片付けてしまうのは安直です。
その場しのぎとしては成立しても、根本的な解決にはなりません。
売主様にとっては本来得られるはずの対価を大幅に失ってしまうこともありますし、買主様にとっても「安かったから買ったけど、結局問題が残っている」というリスクを背負うことになる。
本来なら、問題の本質を丁寧に整理して、できる限りクリアにしてから取引に臨むべきです。
ところが「金額で解決する」という姿勢が業界に染みついているため、短絡的に値引きで処理してしまう。
その結果として、業界全体の信用まで下がっているように思います。
「不動産屋さんぽくない」と言われる理由
こんな能書きを書いている私は、お客様から「不動産屋さんぽくない不動産屋さんですね」と言われることが多くあります。
なんだか、複雑な心境になりますけどね(苦笑)
お客様曰く、クセのある?不動産を単に「売った・買った」で済ませないで問題を解消して不動産取引を試みるからだそうです。
利益を追求することは企業として当然ですが、利益ばかりを優先してしまうと、お客様に不利益を与えてしまう可能性があります。
例えば「本当は売らなくても良いのに、売らされてしまった」とか「安く買い叩かれた」といったケースは、まさに金額で全てを片付けようとする発想の延長線上にあるのではないでしょうか。
私はそういうやり方にどうしても納得がいきません。
だからこそ、お客様の事情や心境、そしてそこに込められた想いを丁寧に受け止めることを大切にしています。
不動産は「人の想い」と切り離せない
不動産を売却する背景には、必ず「人の想い」があります。相続で受け継いだ家には家族の歴史がありますし、住宅ローンの返済で悩む方には生活の不安があります。
そうした想いを無視して「金額だけ」で判断するのは乱暴すぎる。
だから私は、できる限り問題を正面から受け止め、解決策を一緒に探す姿勢を大事にしています。
たまに、私も病み気味になることがありますが・・・。
探りの電話より大切なもの
最近増えている“探りの電話”。正直なところ、対応していても何の実りもありません。
私は「探求心」「好奇心」「学ぶ」といったことができなくなったら終わりだと思っています。
そして、何よりも大切なのは、一人ひとりのお客様の想いに耳を傾け、不動産の問題を「金額で解決する」のではなく「丁寧に解決する」ことだと思います。
「不動産屋さんぽくない不動産屋さん」。その微妙な表現は気にせず、これからも売った・買っただけの取引ではなく、お客様にとって本当に価値あるサポートを続けていきたいと思います。
今回は、こんな感じでおしまいです。
