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不動産屋さんの独り言。50代・60代・70代での不動産売却、思った以上に大変なんですよ…

不動産屋さんの独り言。50代・60代・70代での不動産売却、思った以上に大変なんですよ…

こんにちは

最近は相続関係の不動産売却のご相談が非常に増えています。

相続人の方の多くが40代後半から70代の方が多く、不動産売却に対する予備知識の範囲は其々です。

ご相談者によっては
「不動産は分からないことだらけだから10年以上放置していた」
なんて方もいます。

不動産を放置して10年位なら短い方で20~30年なんて方も珍しくありませんからね、

そんなこんなで、本題に入りますが

不動産の売却って、若いときに考えるよりも、50代・60代・70代になってからの方がはるかに重たく感じるものなんです。

私もいろんなお客様と話してきましたけど、「売る」こと自体よりも、その前後に必要なエネルギーが大きな壁になるんですよね。

自宅を手放すにしても、相続した実家や土地を処分するにしても、いざやろうとすると「こんなに大変なのか」と驚かれる方が本当に多いんです。

まず、一番のネックは「引越し」や「家財道具の処分」。

これ、やったことがある人ならお分かりいただけると思いますが、荷物をまとめるのは本当にエネルギーを使います。

特に長年住んだ家には物がぎっしり。「いつか使うかも」と取っておいた食器や家具、子供の思い出の品、書類の山…。

若い頃なら体力もあって片づけもスムーズですが、60代・70代で大きな家具を動かすのは骨が折れる。

結局、業者にお願いすることになるんですが、費用もかかるし、何より「捨てる」決断に精神的なストレスがあるんですよね。

それから、不動産の売却には必ず「手続き」がつきもの。

相続した不動産なら相続登記や相続税の申告、固定資産税の整理など、普段やり慣れないことばかり。

銀行や法務局、市役所に行ったり、書類を集めたりと、あちこち駆け回らなければなりません。

「こんなの若いときでも大変なのに」と思うくらいの作業量です。しかも、書類ってなぜか小さな字で書いてあるものばかり(笑)。70代のお客様が「読めんから息子に頼むわ」と言われるのも納得です。

加えて、精神的なプレッシャーも大きい。自宅を売却するとなると「ここでの思い出が消えてしまう気がする」と寂しくなったり、実家の売却では兄弟や親戚から意見が出てきたり…。

不動産売却そのものよりも、人間関係や感情の整理に時間がかかるケースも少なくありません。「売るって決めただけで夜眠れなくなった」という声も聞きます。

不動産の売却は単なる取引ではなく、人生の大きな節目になることが多いんです。

じゃあ、いつ売るのがいいのか?これは本当に難しい問題で、正解は一つではありません。

ただ、不動産屋さんの立場から見て思うのは「元気なうちに、体力も気力もあるうちに動く方が絶対にいい」ということ。

50代・60代ならまだ判断力もあり、手続きや引越しに耐える体力もある。70代に入ると、ちょっとした移動や片付けで疲れてしまい、どうしても腰が重くなりがちです。売却を検討しているなら「そのうち」ではなく「今のうち」に準備するのが一番。

もちろん不動産市況も大事です。

ここ数年は不動産価格が高止まりしていますが、将来はどうなるか分かりません。

相続対策の観点からも、元気なうちに現金化しておくことで子供たちに迷惑をかけないというメリットもあります。

逆に「もう少し上がるかも」と欲を出して動けずにいると、体調を崩したり認知症が進んで判断ができなくなったりして、結局は子供たちが困るケースを私は何度も見てきました。

ここで一つ、実際のお客様の話をしますね。

60代後半のご夫婦が「自宅を売って駅近のマンションに引っ越したい」と相談に来られました。

荷物整理に半年かけて、毎週末はご夫婦で片付け。それでも思い出の品が多く、結局プロの片付け業者に依頼しました。

家財道具やゴミの回収作業の費用は50万円ほどかかりましたが、「業者さんに依頼して本当にスッキリした。他人に捨ててもらう割り切れるね。もっと早く決断すれば良かった」とおっしゃっていました。

不動産を売却して得た資金で老後の生活資金に余裕ができ、今は趣味の旅行を楽しんでいるというご連絡を頂きます。

一方で、70代後半になってから「もう家を維持できない」と相談された方もいました。

この方は体調が悪くて片付けや手続きがほとんどできず、最終的にはご家族が代理で動かざるを得ませんでした。

本人の意思確認も難しくなり、不動産を売却するまでに2年以上かかってしまったんです。このケースを見ると、「やっぱり動くのは早い方がいい」と痛感します。

不動産を売却するというのは、単なる取引ではなく「人生の整理」そのもの。

だからこそ、体力と気力があるうちに準備しておくことが何より大切なんです。

50代で「まだ早いかな」と思っても、売却を前提にしたライフプランを考え始めるだけでも違います。

60代なら「いつ動くか」を具体的に計画して、70代に入る前に一歩踏み出すのが理想です。

不動産屋さんとして最後に一言。

「売却するのは物件だけど、背負っている思い出や不安も一緒に整理する作業なんですよ」。

だから大変で当然。でも、乗り越えた先には「身軽になった暮らし」と「安心感」が待っています。

もし、「不動産を売るかどうか迷っている」という方がいたら、まずは気軽に相談してみてください。不動産の売却のタイミングは一人で悩むより、専門家と一緒に考えた方がずっと楽になりますから。

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