BLOG ブログ

【空き家を売却するなら解体するべき?】税金・価格・判断ポイントを徹底解説

【空き家を売却するなら解体するべき?】税金・価格・判断ポイントを徹底解説

「空き家を売りたいけれど、解体すべき? それともそのまま売るべき?」

このような悩みを抱える方は少なくありません。解体すれば見た目もスッキリし、買い手が付きやすくなる一方で、解体費用や税金の特例がなくなることによる“思わぬ損”も潜んでいます。

本記事では、空き家の売却時に解体すべきかどうかの判断基準を、税制・固定資産税・売却価格の視点からわかりやすく解説します。

後悔しない空き家売却のために、ぜひ最後までご覧ください。

【結論】売却が決まってからが解体する事がベストな理由と判断基準

空き家を売却するとき、多くの方が悩むのが「解体して更地にするべきか、それとも古家付きのまま売るべきか」という問題です。

結論から言えば、「売却が決まってから」または「見通しが立った段階」で解体するのが最もリスクが少ない方法です。

その理由や判断基準を、以下で詳しく解説します。

解体すべきケース|更地の方が有利な状況とは?

✅ 都市部など更地の方が高く・早く売れる地域
戸建て用地のニーズが高いエリアでは、更地の方が買い手がつきやすい

老朽化が進み、危険空き家認定寸前の物件は見た目も悪く、解体が前提になることも

✅ 「相続空き家の3,000万円特別控除」を使うなら解体が条件
旧耐震(1981年以前)などの空き家は、控除を受けるには解体が必要

更地にすれば、譲渡所得から最大3,000万円の控除が可能になる

✅ 売買契約で「更地渡し」が条件になっている
買主が更地での引き渡しを求めている場合、売主が解体費用を負担するケースが多い

解体しない方が良いケース|古家付きで売るべきパターン

✅ 固定資産税の住宅用地特例を温存できる
建物が残っていると、土地の固定資産税が最大6分の1に軽減される

更地にすると、この特例が失われ、税額が大幅に増加する可能性も

✅ 古民家・DIYリノベ志向の買主にニーズがある
一部の買主は「自分でリフォームしたい」と考えており、古家付き物件に価値を見出す

築古でも魅力を感じる層が一定数いる

✅ 解体費用が売却益を圧迫する場合
木造2階建てでも解体費用は100万〜200万円が相場

それに見合う売却価格の上昇が見込めなければ「コスト倒れ」になるリスクも

【解体費用は譲渡所得の必要経費になる?】空き家売却時の税務処理を解説

結論:解体費用は譲渡所得の「必要経費」になるか?
➡ 条件付きで「譲渡所得の取得費または譲渡費用」として控除可能です。

ただし、以下のような状況・目的によって扱いが異なります。

解体費用が「譲渡費用」として認められる条件とは?

空き家を売却する際、**解体費用が譲渡所得の計算上「控除できるかどうか」**は、税金に大きな差をもたらします。

ポイントは、その解体が“売却のために直接必要だったか”です。

【譲渡費用として認められる要件】

以下の条件に該当する場合、解体費用は譲渡費用として売却価格から差し引くことが可能です。

✅ 売買契約の締結後に解体した
→ 売却が決まってからの解体であること

✅ 「更地渡し」が売買契約書に明記されている
→ 不動産会社との交渉や契約書で明確に条件として提示されている

✅ 解体しなければ売却できない状態だった
→ 危険空き家認定や再建築困難など、現況のままでは売却困難と判断された

📌 つまり:「売却のためにやむを得ず解体した」場合のみが対象となる、ということです。

解体費用が譲渡費用にならないケースに注意!

相続後すぐに将来活用を目的として解体した場合や、売却の予定が不明確なまま先に解体した場合、さらには解体後に長期間売却せず放置していた場合などでは、税務署に「売却のための費用ではない」と判断され、解体費用が譲渡費用として認められず、取得費にもならないため、結果として課税所得が増える可能性があります。

解体費用を控除するには「証拠」が重要

解体費用を譲渡費用として税務上控除するためには、その解体が“売却のために必要だった”ことを証明できる資料が重要になります。

税務署は「実際に売却と関係があるのか」を厳しく見てくるため、次のような書面の保存が非常に有効です。

✅ 譲渡費用として認められやすくなる証拠資料
・売買契約書
 →「更地渡し」や「引渡し前に解体する」等の文言が記載されているもの

・解体業者との見積書・請求書・領収書
 → 実際に支払った金額と時期がわかる資料

・解体日と売買契約日が近接している記録
 → 解体が売却とタイミング的に関連していることを示す

・不動産仲介業者が作成した説明資料や報告書
 → 解体が売却に不可欠だった旨の記述(例:「建物が老朽化しており、買主側から解体が求められた」など)

譲渡所得の計算式(おさらい)

空き家を売却したときの税金は、「譲渡所得」に対して課されます。
譲渡所得の基本的な計算式は、以下のとおりです。

📌 譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 譲渡価格 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除

それぞれの項目について、以下にわかりやすく整理します。

項目 内容
・譲渡価格 売却金額(実際の売買価格)

・取得費 かつて不動産を取得したときの費用(購入価格 + 登記費用・仲介手数料など)

・譲渡費用 売却のために直接かかった費用(仲介手数料・測量費・解体費など)

・特別控除 譲渡所得から差し引ける特別な控除(例:相続空き家の3,000万円特別控除など)

ポイント解説

解体費用が「譲渡費用」として認められれば、その分譲渡所得が減る=課税対象額が減るため、税負担の軽減につながります。

一方で、取得費や譲渡費用として認められないと、結果的に税金が高くなる可能性も。

✅ 3,000万円特別控除との併用も可能!

「相続した空き家」に対する3,000万円の特別控除を適用できる場合でも、解体費用などの譲渡費用は別途控除可能です。

つまり、

譲渡費用(解体費・仲介手数料など)+ 3,000万円控除
この両方を併用することで、課税対象となる譲渡所得をさらに圧縮できるのです。

具体例:解体費用控除シミュレーション

項目 金額
売却価格             2,000万円
解体費用(譲渡費用)       ▲150万円
仲介手数料(譲渡費用)    ▲60万円
その他の譲渡費用(測量等)     ▲30万円
譲渡所得控除(特別控除) ▲3,000万円
譲渡所得(結果) 0円(非課税)

このように、解体費用を含む譲渡費用が認められることで、実質的に譲渡所得がゼロとなり、課税されないケースも十分あり得ます。

ワンポイントアドバイス

・解体費用は「譲渡費用としての条件」を満たしていることが前提です(売却直前の解体や更地渡しの契約など)

・控除額の上限が3,000万円でも、譲渡費用が別枠で加算されるため、節税効果は非常に大きくなる可能性があります

解体費用と売却価格のバランスをシミュレーション

「建物付きのまま売却する場合は解体費用がかからず約1,000万円の利益が見込めますが、税制控除の対象外となるため節税効果は期待できません。

一方、解体して売却する場合は解体費に約150万円かかるものの、売却価格が上がりやすく、さらに3,000万円特別控除が適用されれば、実質利益は約950万~1,100万円となる可能性があります。」

※控除の有無で実質手取りが大きく変動するため、事前に税理士や不動産の専門家へ相談することを強くおすすめします。

解体するか迷ったときの判断基準|チェックすべき5つのポイント

空き家を売却する際に「解体するか、しないか」で迷ったときは、以下の5つの観点から判断するのがおすすめです。

✅ 解体を前向きに検討すべきケース
・建物の状態が著しく悪く、再利用が困難
 → 雨漏り・傾き・倒壊の危険など、買主がリフォームをためらうレベル

・周辺の売買事例が「更地」が中心
 → エリア特性として、古家付きより更地が好まれる傾向がある

・早期売却を希望している
 → 解体によって見た目が改善され、早く買い手がつきやすくなる

・3,000万円特別控除が適用できそう
 → 条件を満たすことで、大幅な節税効果が見込める

・買主ターゲットが「注文住宅層」である
 → 最初から建物を建て替える前提のニーズが高い場合、古家は不要

解体を待った方がよいケース

逆に、以下のような条件に当てはまる場合は、無理に解体せず、建物付きで売却を検討する方が有利なこともあります。

・築浅で建物の資産価値がまだ残っている
 → 内装や設備が十分使える状態であれば、リフォーム前提で需要あり

・築古でも再生・再利用価値が高い
 → 古民家ブームや、再建築可能な地域などで再活用される可能性

・地域的に「古家付き」の需要が強い
 → 自分でDIYしたい、リノベーションしたいという層が一定数いる

・近隣との境界・埋設管などに関するリスクがある
 → 解体時に思わぬトラブルや追加費用が発生する可能性がある

空き家売却で「後悔しない選択」をするために

空き家の売却において「解体するかどうか」は、価格・税金・買主のニーズ・地域の特性など、さまざまな視点から慎重に検討すべき重要なテーマです。

もっとも大切なのは、**「その空き家の状態や環境に合った最適な判断をすること」**です。

解体することで売却しやすくなったり、税制上のメリットを受けられるケースもあれば、あえて建物を残しておいた方が買い手が見つかりやすい場合もあります。

どちらがベストかを見極めるには、不動産会社・税理士・解体業者などの専門家と連携しながら、将来を見据えた売却戦略を立てることがポイントです。

空き家の処分で悩まれている方こそ、一人で抱え込まず、早めの相談と情報整理を。
小さな判断が、大きな利益差につながることもあるのです。

「解体から売却まで、あなたの空き家問題をワンストップでサポート」

いつもご覧いただきありがとうございます。
空き家の売却や解体、税金のことなど、さまざまなお悩みやご不安はございませんか?

私たちは、不動産や廃業に関する専門知識を活かし、皆さまの大切な資産の最適な活用方法をご提案しています。

「どこから手をつけていいかわからない」「解体費用が心配」「税金のことを詳しく知りたい」など、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

ご相談は無料で承っております。
メールまたはお電話にて、お気軽にお問い合わせください。

皆さまのお悩みを一緒に解決し、前向きな一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。

CONTACT
お問い合わせ

当社へのご相談・ご依頼は、お気軽に以下のフォームからお問い合わせください。