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市街化調整区域の「区域指定」とは?調べ方と確認ポイントを解説します

市街化調整区域の「区域指定」とは?調べ方と確認ポイントを解説します

市街化調整区域の不動産についての相談では、必ずと言っていいほど出てくるのが「この土地は区域指定ですか?」という質問です。

市街化調整区域=建物が建てられない、「売れない」「活用できない」と一括りにされがちですが、区域指定の有無によって状況は大きく変わります。

この事を知らずに進めると「買主が見つからない」「建築できると思っていたら不可だった」といった後悔につながりかねません。

こちらのブログでは、市街化調整区域における「区域指定」とは何か、その調べ方、確認すべきポイントを実務目線で解説します。

市街化調整区域とは?まず前提を整理

都市計画法では、土地を大きく次の3つに区分しています。

・市街化区域(原則として建築可能)

・市街化調整区域(市街化を抑制する区域)

・非線引き区域(都市計画区域外を含む)

市街化調整区域は、無秩序な開発を防ぐ目的で指定されており、原則として新たな建築や開発は認められていません。

ただし、「原則不可」であって「絶対不可」ではない点が重要です。その例外ルールの一つが、今回のテーマである区域指定です。

「区域指定」とは何か?

区域指定とは、市街化調整区域の中でも、

・既存集落が形成されている

・一定の居住実態や公共インフラがある

といった条件を満たすエリアについて、自治体が独自に建築や用途を認める制度です。

根拠となるのは、都市計画法第34条(主に第11号・第12号)で、自治体ごとに運用ルールが異なります。

区域指定がされている土地では、

・自己居住用住宅

・分家住宅

・一定要件を満たす事業用建物

などが認められるケースがあります。

つまり、同じ市街化調整区域でも区域指定の有無で「使える土地」かどうかが大きく変わるのです。

都市計画法第3条第11号区域

都市計画法第34条第11号区域とは、市街化調整区域の中でも、市街化区域に隣接または近接し、日常生活圏として一体性があると認められる既存集落を、自治体が条例で指定した区域を指します。

目安として、おおむね50戸以上の建築物が連たんしていることが要件とされ、災害リスクの高い区域や保全すべき農地などは原則として除外されます。

この11号区域の特徴は、「誰が建てるか」よりも「どこに建てるか」が重視される点にあります。

区域指定がなされていれば、自己居住用住宅を中心に、一定の用途の建築が認められる可能性があります。

ただし、建築可能な用途や規模、敷地条件などは自治体ごとに細かく定められており、同じ市街化調整区域であっても、11号区域に該当するかどうかで土地の活用可否が大きく異なります。

都市計画法第34条第12号区域とは(住居系・産業系)

都市計画法第34条第12号区域とは、市街化調整区域において、市街化を促進するおそれがなく、かつ市街化区域内での立地が困難または不適当と認められる開発行為について、都道府県や市町村が条例により個別に認める区域や用途を指します。

第12号の最大の特徴は、区域だけでなく「人」「目的」「用途」を重視する点にあります。

12号区域には、自治体の条例運用により大きく分けて「住居系12号」と「産業系12号」が存在します。住居系12号では、既存集落内での自己居住用住宅を対象とし、長期居住の実績や親族要件など、いわゆる地縁要件が求められるケースが一般的です。

一方、産業系12号では、流通業務施設や工場、福祉施設など、地域の実情に応じた事業用途が対象となり、立地の合理性や周辺環境への影響が厳しく審査されます。

同じ12号でも目的によって性格が大きく異なるため、「12号だから建てられる」と一括りにせず、必ず条例と運用基準の確認が欠かせません。

よくある誤解|「市街化調整区域=建てられない」は本当か?

市街化調整区域について相談を受けていると、実務の現場では次のような誤解を非常によく見かけます。

・昔から家が建っている土地だから、当然建て替えできる

・周囲に住宅が多いので、問題なく家を建てられるはず

・不動産会社から「建てられる」と説明を受けた

一見もっともらしく聞こえますが、これらはいずれも判断材料としては不十分です。

なぜこの考え方が危険なのか

まず、既存の建物がある=自由に建て替えできるわけではありません。
市街化調整区域では、建て替えであっても、

・建築できる用途

・建物の規模・構造

・自己居住かどうか

・条例や審査基準への適合

といった厳しい条件が課されるのが一般的です。

また、「周辺に住宅が多い」という事実と、都市計画法上の区域指定(11号・12号など)に該当するかどうかは全く別問題です。

見た目が市街地に近くても、法的には建築が認められないケースは少なくありません。

さらに注意すべきなのが、不動産会社の説明です。すべての不動産会社が区域指定や条例運用を正確に把握しているとは限らず、「過去に建てられた事例」や「聞いた話」をもとに説明しているケースも現実には存在します。

重要なのは「区域指定の確認」

市街化調整区域の土地を検討する際に、最も重要なのは都市計画法第34条のどの号に該当するのか、そもそも該当しないのかを、行政資料で確認することです。

区域指定を確認せずに、

・購入

・建て替え計画

・売却の見込み

を進めてしまうと、後から「建てられない」「売れない」という深刻な問題に直面することもあります。

市街化調整区域は「建てられない土地」ではありません。
しかし、同時に「条件を確認せずに進めてはいけない土地」であることも、強く意識しておく必要があります。

市街化調整区域の区域指定の調べ方

市街化調整区域の区域指定の調べ方と説明を記載していますので参考にして下さい。

① 市区町村の都市計画課・開発指導課で確認

最も確実なのは、自治体の担当課に直接確認する方法です。

・都市計画課

・開発指導課

・建築指導課

といった名称が多く、地番・公図・住宅地図を持参すると話が早く進みます。

② 都市計画図・用途地域図を見る

治体のホームページで公開されている

・都市計画図

・市街化調整区域図

・区域指定図

を確認します。

ただし、インターネット上の図面は詳細条件まで分からないことが多いため、参考資料と考えるのが無難です。

③ 開発許可基準・条例を確認

自治体ごとに、都市計画法施行条例・開発許可基準・34条〇号運用指針が定められています。

「区域指定あり」と書いてあっても、対象者の要件・建築用途・敷地面積・接道条件が厳しく限定されていることが多く、条文の読み込みが不可欠です。

確認すべき重要ポイント

区域指定を調べる際は、次の点を必ず確認しましょう。

・区域指定の有無

・適用される条文(34条何号か)

・建築可能な用途(住宅・店舗・倉庫など)

・建築できる人の条件(地縁者・自己居住など)

・建て替え・増築の可否

・売却時の買主制限

特に売却を考えている場合、「誰でも買えるのか?」という点が、価格と売却期間に直結します。

区域指定と売却・活用の関係

市街化調整区域の区域指定がある土地は、住宅用地として売却できる可能性・事業用(福祉施設・倉庫等)としての検討余地が生まれます。

一方、区域指定がない場合でも、既存宅地・農家住宅・開発許可を前提とした売却など、完全に選択肢がゼロになるわけではありません。

重要なのは、「使えない」と決めつけず、制度を正しく理解した上で戦略を立てることです。

まとめ|市街化調整区域の区域指定の確認は最初の一歩

市街化調整区域の不動産は、知らないまま進めると失敗しやすくリスクがあります。しかし、市街化調整区域の立地基準等を知っていれば売却の選択肢が広がるという特徴があります。

市街化調整区域の区域指定は、その分かれ道となる重要な要素です。

不動産を売却・活用・相続を考え始めた段階で、まず市街化調整区域の区域指定を確認して自治体ルールを正確に把握しましょう。

市街化調整区域だからというだけで不動産売却を諦める前に、まずは「調べる」ことから始めてみてください。

市街化調整区域の都市計画法第34条11号・12号について詳細を知りたい方はこちらを読んで下さい。【都市計画法第34条11号・12号の違いも解説】市街化調整区域に住宅が建っているのはなぜ?農家やその親族だけ?

市街化調整区域は、知らない人ほど損をする

市街化調整区域の土地について、
「建て替えできるのか分からない」
「買主が見つかるのか不安」
「不動産会社の説明が正しいのか確認したい」
そんなご相談が増えています。

市街化調整区域の区域指定や条例の確認をせずに進めてしまうと取り返しのつかない結果になることもあります。

現状整理だけでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

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