皆さん、こんにちは。
不動産屋の独り言にお付き合いいただきありがとうございます。
最近、ようやく平穏な日常が戻ってきましたが、2020年の「パニック」を覚えていますか?
新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した頃、不動産業界もまさに蜂の巣をつついたような騒ぎでした。
「価格が暴落するから契約を白紙にしてくれ」「決済は延期だ」なんて話が飛び交い、同業者と集まれば、出てくるのは溜め息とボヤキばかり。
そんな中、周りの業者仲間からよくこんな風に言われたんです。
「これから大不景気が来るから、住宅ローンを払えない人が溢れて、任意売却や競売が激増するぞ。おたくは任売が得意だから、これからボロ儲けじゃないか?」
でも、私は内心こう思っていました。 「いや、そんなことにはならない。むしろ逆だ。」
私の「勘ピューター」が弾き出した答えは、世間の予想とは真逆。
そして、結果は皆さんもご存知の通りです。
2020年度前期は裁判所の競売も延期、そして、政府に給付金や助成金・コロナ融資で数十兆円もの現金がバラ撒かれましたので・・・
今回は、なぜ有事の際に任意売却が減るのか、そしてこれから不動産市場はどう動くのか、現場の視点から詳しくお話しします。
有事の際に「競売・任売」が消えるカラクリ
なぜ、未曾有の危機において任意売却が増えなかったのか。その理由は、日本という国の「有事における救済力」にあります。
1. 国家権力による「強制ストップ」
まず驚いたのは、裁判所による競売の無期限延期です。これによって物理的に「競売」という出口が塞がれました。出口がなければ、その前段階である任意売却の相談も急ぐ必要がなくなります。
2. 異次元の「ばら撒き」と給付金
住宅ローンの滞納相談が増え始めた絶妙なタイミングで、一律10万円の特別定額給付金が配られました。
さらに事業者には持続化給付金や協力金。これでひとまずの「現金」が手元に渡った瞬間、相談の電話がピタッと止まったのを今でも覚えています。
3. ゼロゼロ融資というドーピング
極めつけは、実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」です。
これにより、本来なら倒産・売却を検討すべき層にまで膨大なキャッシュが流れ込みました。
不景気になるどころか、市場にはお金が溢れ、結果として不動産投資や建売住宅の購入が加速する「コロナバブル」が起きたのです。
コロナ禍で任意売却が減少した3つの構造的要因
- 金融機関のリスケジュール応諾率の高さ 金融庁が各金融機関に対し、住宅ローンや借入金の返済猶予(リスケジュール)に柔軟に応じるよう強く要請しました。これにより、返済困難に陥っても「家を売る」という選択肢を選ばずに済んだ層が大多数を占めました。
- 低金利政策の継続と住宅需要の変容 テレワークの普及により、住環境への投資意欲が高まりました。超低金利政策が継続されたことで、中古市場の需要が供給を上回り、価格が下がるどころか上昇。売却を急ぐ必要性が薄れました。
- 資産価値の維持 「暴落する」という予想に反し、都市部を中心に地価は上昇。含み益がある状態では、任意売却(オーバーローン状態での売却)ではなく、通常の仲介売却で解決できるケースが増えたことも要因です。
2024年以降、市場はどう変化するのか?
今、不動産業界は大きな転換期を迎えています。私の勘ピューターが次に示しているのは、「猶予期間の終了」です。
- ゼロゼロ融資の返済本格化 中小企業の資金繰りが限界を迎え、法人の倒産や事業用不動産の売却が増加傾向にあります。
- 金利上昇リスク(マイナス金利解除の影響) 変動金利の上昇が現実味を帯びてきました。わずかな金利上昇でも、限界までローンを組んでいる世帯にとっては致命傷になりかねません。
- 物価高騰による実質賃金の低下 生活費の圧迫により、これまでは耐えられた住宅ローンの支払いが困難になる世帯が、今後数年かけて顕在化してくるでしょう。
結論:プロが見据える「これからの不動産売却」
コロナ禍での「任意売却減少」は、あくまで政策によって作り出された一時的な空白期間に過ぎませんでした。
これからは、積み上がった債務のツケが回ってくる時期に突入します。
私が大切にしているのは、「有事の時ほど、感情ではなく構造を見る」ことです。
世の中が騒いでいる時こそ、政府の動きや金融の流れを冷静に追う。それが、お客様に最善のアドバイスをするための唯一の方法だと信じています。
これからの数年、不動産市場は再び大きく動くでしょう。
もし、ローンの返済や今後の売却に少しでも不安を感じているなら、かつてのコロナ禍のような「一時的な救済」を待つのではなく、早めにプロに相談することをお勧めします。
時代の流れを読み解き、最善の出口戦略を一緒に考えましょう。
2025年は競売物件が増えるのか?それとも減少するのかをお話します

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